著者:池宮彰一郎。新潮文庫。作品一覧へ
96年刊行、98年文庫化。
例によってこの方お得意の忠臣蔵ネタ本で、250頁で5編という短編集なんですが、 内容は濃い、というか新しい着想が面白いね、これは。 形の上では短編だけれども、例えばこの本のタイトルのように12月14日だけを 上野介の立場だけから描くのならば25頁という文章は決して少なくない量だ。 同様に「十三日の大石内蔵助」も45頁もあり、 どちらかといえば描写が細かい部類だと感じさせられる。 ただね、こういう手法を成立させるには前提条件として、 読者がその背景を十分に詳しく知っていることが必要でしょう。 たまたま私が読んだから面白いと感じただけで、 歴史に詳しくない人は、なんて不親切な小説だと思うかもしれないね(苦笑)。 以下、短編タイトル一覧。「千里の馬」
本誌最長の80頁を誇る長編です(笑)。 浅野内匠頭の性格、精神の異常さを何となく匂わせる、というか強調する作品ですな。「剣士と槍仕」
40頁。堀部安兵衛がちょっと美味しいところを飾ってる作品。「その日の吉良上野介」
25頁。そうなんだよね、赤穂浪士の忠臣ぶりばかりが注目されているけれど、 そもそも大石殿ご乱心の要因はいったい何だったんだろう。 誰もが疑問に思いながら、誰も深入りしなかった部分に鋭く突っ込む。「十三日の大石内蔵助」
45頁。ま、これはこんなもんだ(笑)。「下郎奔る」
55頁。ま、これもこんなもんだろう(~_~;。