著者:花村奨。PHP文庫。作品一覧へ
77年『不倒の城 前田利家』刊行、96年再編集、文庫化。
信長・秀吉・家康を書いた伝記や小説は山ほど出ているが、 前田利家を書いたものは、武田信玄・上杉謙信と比べても意外に数が少ないという。 ようするにまあ地味な存在なんで小説の題材として好まれないだけなんだろうが(~_~;、 長期的にみると、ある意味で信長、秀吉よりも成功した戦国武将という考え方もあるらしい。
若い頃は暴れ者でかぶいた格好を好み、 その勇猛さから「槍の又左」などと呼ばれたこともあったが、 その晩年は「律義でとても義に厚い武将」と同輩たちからも評判だったらしい。 サブタイトルに「秀吉が最も頼りにした男」ともあるように、 内心はどうだったか知らないが秀吉から「野心を持たない男」と思われて、 大いに信頼されていたことは弟・秀長に継ぐものがあったようだ。
歴史に「もし」を問うのは無意味なことだが、 もし利家があと数年、いや1年でも生き長らえていたら「関ヶ原」も 「大坂の陣」も無かったか、全く違う様相になっていたことだろうなあ。