八機の機関科パイロット

著者:碇義朗。光人社NF文庫。

91年「海軍機関学校8人のパイロット」で刊行、97年改題、NF文庫化。
かつての日本海軍には、正規の将校生徒を養成する学校として、兵学校、機関学校、経理学校の 三つがあった。それぞれの学校名が示すように兵科、機関科、主計科の士官を養成することを 目的としているが、この本の主人公たちはこのうちの海軍機関学校を出た機関科士官です。
機関科出身の不幸なところは勤務する環境が劣悪なことだけでなく、 軍令承行令による不当な差別があったことだろう。 兵科将校在ラザルトキハ機関科将校軍令ヲ承行ス」という、 この軍令承行令の規定はあくまでも「艦船や部隊」における「部隊指揮命令権の継承」について 定めたものであるのにもかかわらず、兵科将校の中には平時の業務に関しても この軍令承行令をふりかざす者がいて機関科将校や主計科軍医科などの将校相当官に 反感を買ったという。
だから、いっそ航空整備のほうに変わり、あわよくば飛行機乗りになってやろうと 考えたものもあったのだろう。機関学校五十期出身の異色のパイロットたちを中心に、 零戦、紫電などを操って蒼空と群青の海に散った同期の士官たちの姿を描くノンフィクション。

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