著者:松浪和夫。新潮社。作品一覧へ
92年刊行。
「エノラゲイ」と聞いてピンと来る人は、 だいたいが戦前生まれと戦史マニア(笑)でしょう。 それはおいて、エノラゲイとはいったい何か、というと、 ヒロシマにリトルボーイ(原爆)を落としたB29のことです。 つまりこの小説はマンハッタン計画の阻止をテーマにしたものです。
ストーリーはいわゆるスパイ小説で、 史実や科学的な説明の細かな点ではちょっと?なところが みられるものの、全体としてみると非常にスケールの大きくて 面白い話です。
日本の情報網にアメリカのOSS、ソビエトのNKVD、 赤軍第四本部が絡んで、和平工作を巡る暗闘を繰り広げる。 人物でもアレン・ダレスにグロムイコ、ベレンコが登場し、 これまた渋い役柄を務めており、いい味が出ていて楽しかったりする。 100円にしておくには勿体無い本でした (笑、ちなみに定価は1350円)。