戦闘機「隼」
昭和の名機その栄光と悲劇
著者:碇義朗。光人社NF文庫。
73年サンケイ出版『陸軍「隼」戦闘機』で刊行、
77年広済堂『戦闘機・隼』で出版、95年NF文庫化。
海軍の零戦が一年も先にデビューしていたにもかかわらず、
ながいあいだ覆面のままだったのにくらべ、
「隼」の方は早くからその愛称で、国民のあいだにひろく親しまれていたという。
他に試作名称「キ−43」、制式採用後は「一式戦」という呼び名も一応あるけれど、
だからあえてそういう名前で呼ぶ人はあまりいない、というか普通は知らないか(笑)。
しかし、世界の戦闘機の大勢は高速、重武装というこの時期に、
なぜか日本は海陸ともに格闘戦のみに固執して
速度や武装、装甲を蔑ろにしてしまったことは不幸と思うしかないのか。
零戦は二十ミリ×2+七・七ミリ×2だからまだ救われているものの、
一式戦にいたっては七・七ミリ×2のみという貧弱なもので
後に十二・七ミリ×2まで高められたけれど、
それでも重装甲をもって知られる米爆撃機にはとても通用するものではなかった。
零戦の場合はまだしも艦上機という制約もあったから仕方ないのかもしれないが、
陸上機にも同じように軽さが要求されたことの一つの要因には、
存分な武装と速力を望めるだけの強力な発動機が作れないという
当時の日本の工業力の欠陥にも理由があったんだろうね(T_T)。
作品一覧へ
著者一覧へ