陸軍大将 今村均

著者:秋永芳郎。光人社NF文庫。

80年「将軍の十字架」として刊行、03年改題、文庫化。
裁判も無茶苦茶だけど、連合軍が各地で行った軍事裁判も酷いものが多く、 とりわけ、オーストラリア軍が行ったものは、戦時と平時とを混同し、 ただ復讐しているような裁判だった。 それらの中には嘘の口述や悪意の伝聞だけで死刑になったものもいたという。
インドネシアの軍政が日本の陸軍に珍しく善政であったとか、 ラバウルを終戦まで守り通した統率力も確かに凄いと思うが、 この人の凄いのはやっぱり戦後の行動に尽きると思います。 オーストラリアの軍事裁判、オランダの軍事裁判を経て日本の監獄に移されたのに、 部下がまだオーストラリアに残っているからと、 自分から願ってオーストラリアの監獄に転送させるなんて、 なかなかできることではありません。
戦後、後世の外聞を気にして自らを正当化することには必死になれても、 部下のことなど歯牙にもかけない軍人もいるというのに、立派なお方だったと あらためて素直に感心致します。

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