帝国の危機
著者:林譲治。
全5巻。ASPECT NOVELS。
98年刊行
昭和十六年末―――。日米の緊張が高まる中、日本の首相中島知久平は―――、
で解るように単なる架空戦記ものです(笑)。
海軍は神重徳、陸軍からは富永恭二という非常に珍しいお二人を、
お笑いではあるものの割と美味しい役どころに使っているところが
斬新なアイディアでしょう。
このぶんだといずれ源田君や牟田口君をヒーローにした小説も出しかねんな(~_~;。
面白いのは第二次大戦中の物語でありながら、外務省や公共事業といった
現在にも通ずるこの国の癌の部分をこれまた見事にパロってくれてまして、
さらにはスーパートンデモ兵器こそ登場しないものの、国内事情を少しばかり捻って
歴史の歯車を微妙に狂わせただけで、そこそこ面白い設定を見事に造り出してくれたと思うね。
中島首相という一見トンデモなアイディアも実はそう馬鹿げたもんじゃなく、
立憲政友会という大政党の八代目総裁だった彼が首相になるのは
世が世なら当たり前だったはずなんだよね。
そういう当たり前のことが少しずつでも積み重ねられていたならば、、、
という無い物強請りをおそらくは十分に承知の上で、
その少しずつを各分野に振り分けた結果の仮想戦記です。
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