事変 リットン報告書ヲ奪取セヨ

著者:池宮彰一郎。新潮文庫。

82年刊行の『幻の関東軍解体計画』を95年加筆改訂、改題、文庫化。
いやもう面白い小説だ、の一言に尽きたね、これは。 特に主人公ではないけれど、松岡洋右が格好良い役回りを演じており、 なかなかいい味出しています。 松岡洋右というと第二次近衛内閣のときの外相で、 日独伊三国同盟と日ソ中立条約を締結させた人なんだけど、 昭和天皇からは「松岡は大丈夫か」と不信がられ、 米内光政には「思いつきのいいところもあるが、 まちがった方向へ遮二無二突進する」と批評され、 井上成美に「松岡外相は、日独伊三国が手を握れば、 アメリカはひっこんでしまうといっているようだが、 こういうのを痴人の夢というのだろう」とまで言わせた人でもありますから、 ずいぶんと悪いイメージを持っていたんですが、 この本を読んでそれがガラリと変わってしまったわ(~_~;。
ふ〜ん、「連合艦隊司令部条例」と「関東軍司令部条例」って 微妙に違うところはあるけど、 その意義においてはほぼ同等のもんだったのね。 まあ、あんまり比べられたくないんだけど、、、(-_-;。
ところで本書のサブタイトルにもなっている報告書の主、 リットンの本名の名前の長いことったらない。 「ヴィクター=アレキサンダー=ジョージ=ロバート=リットン」なんて ほとんど冗談でつけたとしか思えんが、 またその調査団も「国際連盟日華紛争調査委員会現地調査団」と あまりに長い名称だったのが原因で通称で呼ばれることになったらしい(笑)、 ホントかウソか知らないけど。
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