太平洋戦争六大決戦(上) 錯誤の戦場
著者:秦郁彦。中公文庫。
95年「実録 太平洋戦争」として刊行。98年、改題文庫化。
タイトルに六大決戦とありながら、上巻の構成をみると、
第一章「太平洋戦争と日米戦略」
第二章「ミッドウェー海戦」
第三章「ガダルカナルの攻防」
第四章「インパールの悲劇」
第五章「レイテ海戦」
第六章「沖縄の死闘」
で意味不明。下巻の目次だけ載っていたのでそれをみると
第七章「ミッドウェーの索敵機」
第八章「ダーウィン上空の零戦」
第九章「暗号戦争」
第十章「風船爆弾」
第十一章「ハルゼー小伝」
第十二章「南太平洋物語」
第十三章「太平洋戦跡旅行記」
で、ますます謎が深まるばかり。
まあ、あら捜しはそこまでにして(笑)、両国の戦略分析と各戦場における着眼点は
面白いものがあります。二〜六であげられた戦場は
どれも日本軍の悲劇となったところばかりですが、
日本軍ばかりが間違いを犯していたのではなく、
米軍だってけっこう間違っていたんですね。
「戦闘は過誤の連続である」、はクラウゼヴィッツの言葉ですが、
これを読んでいると、巧くやった側が勝ったというよりは、
相対的に過失の多かった側、大きかった側が
結果として負けただけのように思えますね(苦笑)。
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太平洋戦争六大決戦(下) 過信の結末
著者:秦郁彦。中公文庫。
刊行、文庫化は上巻に同じ。
「ミッドウェーの索敵機」、ミッドウェー海戦の有力な敗因の一つとして
利根機(重巡「利根」艦載水禎)の発進遅延と不適切な接触、報告がよく取り上げられますが、
それは果たして正当なことなのだろうか。という疑問から始まり、
カタパルト故障の詳細や、もう一基あった右舷カタパルトを使用しなかった理由、
その他の偵察機の運用実績のような些細なことから辿りだして、
未だ明らかにされていない数々の疑問に挑戦している。
そして利根機の行動は非難するに及ばず、むしろ情報を活用しえなかった司令部にこそ
大きな責任があり、その非難が向けられることを恐れた彼らによって
利根機はスケープゴートの一つに祭り上げられたのでは、と結んでいます。
「暗号戦争」、暗号に関しては陸軍のほうが海軍よりも優れていたというのは意外やね。
イメージからすると逆ですもん。ま、どっちにしても英米には遠く及ばなかったんですが・・・。
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