井上成美

著者:阿川弘之。新潮文庫。

86年刊行、92年文庫化。
「山本五十六」、「米内光政」に続く、著者のライフワーク海軍提督 三部作完結編という作品。 この本、ほんの4ページですが巻頭に写真がありまして、 私、井上成美という人物を写真で初めて観ました(^^)/。 なかなか恰好良いじゃないですか、 話には聞いていた「ギターを弾く元提督」の姿も様になってるし。 確かに頭良さそうですね、同時に近寄りがたい雰囲気もいっぱい醸し出してますが。 この人、海軍軍人のくせに乗り物に弱くて、 比叡艦長の時に船酔いで困っていたという意外な話にはホホホでした(笑)。
戦後、海上警備隊(海上自衛隊)という名の小さな海軍が復活するとき、 幹部学校の学生たちに戦前の体験の講話をする元軍人たちの多くが、 戦争中やったことの自己弁護か自己讃美で、 到底学問的評価の出来るものではなかったという。まったく嘆かわしいことだ。
井上が第一委員会について「あんなもの百害あって一利無し」と酷評した話は有名だが、 後日こんなことも言っている。 「・・・実際は第一委員会がいけないというより委員会という制度そのものがよくないんだね。 ある面からみれば、委員会とは要するに責任を回避する為の組織ですよ。 今の内閣が、何か難しい問題にぶつかるとすぐに調査会とか審議会とか作るのを 新聞で読んで、ああ、同じことやってるなと思います。 あれを作ると、責任の所在は分散して、誰がほんとうの責任を取るのか、 はっきりしなくなる。・・・」名言だ。

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