銀翼の虜囚
著者:横山信義。アスペクトノベルス。
99年書き下ろし作品。
なんかタイトルといいシリーズ名といい、
もっと陰謀めいた重いストーリーを期待(覚悟?)してたんですが、
実は肩透かしくらったような軽いお話でした(笑)。
あとまあ、スケール的にもこの人の他の作品に比べると
少々、いや、かなりせこい感じですわ(笑)。
良く言えば、それだけ気楽な作品ってことですが、
まあ定価で買って読むほどの価値はちょっと・・・。
しかしストーリーは軽いけれどテーマは重かったかもしれない。
というのは日本軍の航空機が敵地上空で被弾し、帰投困難となった場合、
一部の良識ある指揮官は、「死に急ぐことなく、どこか適切な場所に不時着し、
友軍が来るまで隠れていろ」という指示を出したそうだが、
全体的な風潮は「帝国軍人たるもの、帰投不可能となった時点で、
敵基地に突入し、自爆すべきである」と考えるものが多かった。
その辺のところを微妙に皮肉った感じがちらほら見受けられたので。
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零戦破壊指令
著者:横山信義。アスペクトノベルス。
00年書き下ろし作品。
シリーズ2作目。一九四二年六月に実施されたアリューシャン作戦で
不時着した機体が捕獲されたことがきっかけで零戦の機密が米軍に
知られてしまったことは有名な話ですが、
その背景にはとんでもない裏話があった、わけはもちろん有りません(笑)。
ただ、その史実部分を最大限に利用して書かれた物語です。
例によって日本軍の暗黒部分、「生きて虜囚の辱めを受けず」の戦陣訓を
嘲笑うかのような内容で、そのことは私も別に異論はありませんが、
話の持って行き方が不自然というか強引過ぎるというか
なんか今ひとつの出来と思われました。
まあ、たかが娯楽作品なんだからそれくらい大目に見ろ、という話もありますが(苦笑)、
あの名作(?)「八八艦隊物語」を書いた著者なのだから
もう少しマシなやり様がなかったのか、とちょっと残念な気持ちが・・・。
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烈風強奪
著者:横山信義。アスペクトノベルス。
00年書き下ろし作品。
シリーズ三部作の3作目。今回の舞台は昭和二十年八月の海軍厚木基地。
厚木基地といえば三〇二航空隊、三〇二空といえば司令小園安名大佐の
名前と厚木事件を日本人なら思い出さずにはいられない。
背景にしているのがそのような強烈な事件だけに、
設定の甘さが浮いてしまっているのが残念ですね。
特に三部作を通して登場する主人公や密輸船の船長、米軍の整備兵などは、
強引に出番を作らんがための無理があまりにもみえみえだし(-_-;。
ケチばかりつけて申し訳ないけれど、
この三部作はハッキリいって失敗作だと思います。
他の作家だったらこんな厳しいことは言わないけれど、
この著者には思い入れがあるので敢えて指摘させてもらいます。
1作目だけなら娯楽小説としてはまあまあ評価してもいいけれど、
娯楽にしてはテーマが重過ぎて合わない気がするから、どっちにしても・・・。
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