小料理・酒亭
居酒屋の中でも、カウンターだけで、座れるのは10人そこそこというような、「小料理」とか「酒亭」と呼ばれるような店となると、紹介者でもない限り非常に入りづらく、無理に入っても落ち着いて飲みにくいことが多い。銀座の「卯波(うなみ)」、新橋の「中川」、荒木町の「たまる」、神田神保町の「ゆら」などは多分にそういう店だ。そういう店は最初が肝心で、なるべく、しかるべき人に連れていってもらい、ちゃんと紹介してもらうことだ。
- 山田屋
- 電話: 03-3352-8907
- 住所: 新宿区四谷4-28-20
- 営業: 17:30-22:30、月休
- 店は小料理屋というには小上がりや2階の座敷もあってやや広いが、割烹料理というにはやや小ぢんまりした広さだ。冬はフグ刺し、フグちり、フグ唐揚げなど、フグを看板にしているようだが、夏は魚を主とする季節料理の店となる。「活魚料理」と紹介している本も見たが、ここの特色はむしろ、煮たり、焼いたり、揚げたり、蒸したりして、丁寧に手をかけ、上品な味つけをしたメニューのほうにある。
- カウンターの中の調理場の3人は家族と聞いたが、おばさん1人がはきはきと応対し、親子らしい男2人は黙々とひたすら作る。
- 場所は四谷4丁目交差点近くの、区立新宿図書館向かいの路地を入った右側。四谷といってもこの辺は以前大木戸といったあたりで、地下鉄も四谷三丁目駅より新宿御苑駅が近い。
- 島乃屋
- 電話: 03-3580-7307
- 住所: 港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビルB1
- 営業: 11:30-14:00、17:00-22:00(土は -20:00)、日祝休
- JR新橋駅のSLがある側の駅前ビル、ニュー新橋ビル地下にあるこの店は、場所柄、夜はもっぱら帰宅の前に一杯やるサラリーマンご愛用といった感じの小ぢんまりした魚料理の店。看板に「肴」料理となっているのは、食事より飲む客が主体ということだろう。ひとりで飲みに来る客が多い。
- 魚の店もいろいろ行き方があるが、ここの場合は、比較的限定されたメニューながら、その範囲で、毎日目一杯活きのいい魚を提供しようというポリシーのようだ。おそらく日替わりで、値ごろ食べごろの、酒飲みが好きそうな魚を市場で選んでくるのだろうと思われるネタは、そう種類豊富とはいえないが見るからに活きのいいところをそろえている。看板の値段より、中の日替わりメニューのほうが安いのも良心的だ。
- ポッチャリした女将は、口のきき方もざっくばらんだが、それが家庭的な感じを与え、酒飲みをくつろがせる。ご主人の仕事ぶりがていねいな上に、この店では、煮魚や焼き魚も、刺身ネタの魚をそのまま使うから、当然おいしい。
- 場所はニュー新橋ビル地下。SL広場に面した正面入口左脇の階段を下りてすぐ。ランチタイムは定食もやっているが、焼き魚定食650円、煮魚定食700円は掘り出しもの。ちょっとした接待にも十分使える店だ。
- 浪花(なにわ)
- 電話: 03-3354-7394
- 住所: 新宿区新宿3-17-21 新三ビル1F
- 営業: 17:00-23:00、日祝休
- 新宿で飲んでいる魚にうるさい連中の間では、かなり以前から定評のある店。
- デパートの三越の前の通りを入ってすぐの、新宿でもど真ん中と行っていい場所なのに、こんなに落ち着いて垢抜けした小料理で飲める店があることに、初めての人なら驚くだろう。一枚板のカウンターに、20年という店の歴史が感じられる。
- もくもくと仕事をする板前。和服の着こなしが粋で、どこか関西風の雰囲気の女将、そしてお手伝いだけの、カウンターとテーブル2卓で15人どまりといった小ぢんまりとした店だが、じっくり飲める条件はすべて整っている。
- まず座ると、日替わり五品盛りの突き出し(1700円)が出てくるので、あせって注文を考える必要もない。定番は温泉卵で、後は日替わりで楽しめる突き出しも、タイの皮の湯びき、白身魚の酢の物、バイ貝などと魚ネタが主体。
- 生ものはアジ刺し(600円)、マグロぶつ、北海ミズダコ、生ウニ(ともに680円)あたりから、イサキ(980円)、ヒラメ(1150円)、コチ(1300円)、車エビおどり(300円)など。ぬた、月見(600円、550円)もていねいにできている。
- 焼き物はアジ塩焼き(500円)、くさや(550円)、イカ(580円)から、キンメ(650円)、ハマグリ塩焼き、ギンダラ照焼き(各680円)、タチウオ(700円)、アナゴ白焼き(980円)、イサキ、アマダイ、カマス一夜干し(各1100円)など、酒飲みの泣きどころをおさえている。
- 煮物はキンメやイカ里芋に、子持ちカレイ煮(650〜780円)。揚げ物も、小アジ、沢ガニなど。
- カニミソ(450円)、カニ身サラダ(980円)もある。茶碗蒸しも人気。
- 料理の幅がびっくりするほど広いわけではないが、店の広さからすればかなりのもので、しかも、ジュンサイなども含めて、イサキ、コチ、アナゴなど、旬のものをよくそろえている点がまたこたえられない。
- 飯ものも、雑炊(750円)、茶そば(680円)、おにぎり(230円)などがある。
- 酒はビール中580円、焼酎「天泉」600円(300ml)、冷酒「神鷹」880円。焼酎の「百年の孤独」や、昔風にいえば貧乏徳利の酒のボトルキープもある。
- 場所は地下鉄新宿三丁目駅下車、三越真向かい、カメラのサクラヤわき小道を入ってすぐ左。