2004年2月21日 『The Secret Life DNA』(講談社、2400円)
昨日、今日と東京で仕事だったので、徳島からの移動時間はいつものよ
うに読書に当てました。今回はジェームス・D・ワトソンとアンドリュー・
ベリー著、青木薫訳の『The Secret Life DNA』を読んでみました。DNAが
二重螺旋構造をしていることを明らかにしたのが著者の一人ジェームス・D・
ワトソンとフランシス・クリックで、1953年のことでした。その50周年を
記念して昨年出版されたのがこの本です。
この本の中で著者達は、DNA発見に至る経緯だけでなく、遺伝を巡る歴史、
さらには、遺伝子を巡るビジネスや公的機関が果たすべき役割について、メッ
セージをふんだんにちりばめて書いています。読み終わった後には、深い感
動がおそいます。今後10年間は間違いなく科学の名著として名を響かせるこ
とでしょう。
DNAが二重螺旋構造をしていることが分かったのはたかだか50年前のこと
なのです。しかし、DNAの存在はそれよりも遥か昔から知られており、しか
もATGCという塩基とリン酸から構成されていることは1930年代から分かっ
ていました。ところが、その構造を決めたのが有機化学者ではなく、生化
学や物理学をバックグランドとする人達であったのです。何故そのような
ことが可能だったかというと、彼等に柔軟な発想が身についていたからで
す。それは、彼等の研究人生を見ると分かります。
ワトソンはシカゴ大学卒、学生時代に波動方程式で有名なシュレディン
ガーが書いた『生命とは何か』を読み、偉大な物理学者がわざわざ生物学
の本を書いたことに感銘を受け、生命の本質に関わる研究に足を踏み入れ
たと書いています。そして、博士課程はインディアナ大学ですが、ケンブ
リッジのキャベンディッシュ研究所で構造化学の勉強しにいっている時に
クリックに出会い、DNAの構造を決めたとのことです。
一方、クリックは元々は物理学者で、第二次大戦中は海軍省で磁気機雷
の研究をしていたが、終戦後、ワトソンと同様にシュレディンガーの『生
命とは何か』を読んで生物学に移ってき、キャベンディッシュ研究所「生
物学的系構造研究室』でタンパク質の三次元構造を研究していた35才の時
にワトソンに出会ったのだそうです。そして、両者の研究がNature誌の
1953年4月25日号にたった1ページの論文として報告されたのです。メン
デルの法則で知られるエンドウ豆の研究は1856年頃に行なわれたとされた
います。それから100年近くも遺伝の本質が解明されなかったのに、異なる
バックグランドの二人が力を合わせるとすぐに解決してしまったのです。
日本では、ある一つの研究室にずっとい続けることが出世コースとされ、
そのゴールはその研究室の教授となることとされています。その結果、そ
の研究室でしか通用しない言葉を使う人が育って行き、外から見ると何の
研究をやっているのか良く分からなかったりします。しかも自分の研究だ
けに邁進して、脇目を振らなかったりします。日本においても、核タンパ
ク質、ヒストン、非ヒストンなどの研究は古くから行なわれています。こ
こ数年で定年退官した年代の教授達が発展させた分野でもあります。しか
し、彼等の研究はタンパクにこだわり、DNAは避けているような態度もみ
られ、DNAに関しては海外で流行ったものを見極めてからその研究に足を
踏み入れるという態度を続けていました。結局、DNAの構造がよく分から
ないまま研究を進めたから、核酸をターゲットとする薬物作りの研究が全
然進まない原因の一つになっているのだと私は思っています。その出世コ
ース思想を変えることは困難だと思いますので、それならば、柔軟な発想
が産み出されるような研究環境を整えているのかを、研究室の長は常に考
えていなければいけないのではないでしょうか。
話はずれてしまいましたが、『The Secret Life DNA』は感動的な本
です。細かい技術についての記述も避けるような努力もなされています。
しかし、いかんせん難しいと思います。遺伝子、DNA、PCRという言葉が
分かっていて最低限度の生化学の勉強を終えた大学3年生以降の方、大学
や企業の研究者、中学、高校の理科の先生方が読んで、咀嚼して、他の
人に伝えていくのがいいのではないでしょうか。感動的な本であることは
間違いありません。お勧めです。
2004年2月20日 たけし6冠獲得
第13回東京スポーツ映画大賞の授賞式が19日に行なわれたそうで、北野
武監督作品『座頭市』が6冠を獲得しました。皆さん御存じのように、こ
の賞は第一回からビートたけし東京スポーツ客員編集長が審査委員長を務
めており、北野武監督作品があれば必ず監督賞を受賞するし主演男優賞も
取るという、誰がみても公正で非常に客観的な評価をしていると世界でも
注目を浴びている映画賞なのです。
東京スポーツとビートたけしというと、昔はスクープ写真などで関係が
悪かったのですが、たけしがフライデー事件で謹慎中に東スポ側が「野球
で決着を付けよう。東スポ側が勝てばたけしはいつでも取材に応じること。
たけし側が勝てば東スポの編集長となり紙面をいつでも自由に使える」と
いう条件を出し、たけし側が勝ったために客員編集長のポストを与えたと
いう経緯があります。あれから20年程もたつのに今だにいい関係を続けて
いるということですね。今や世界的に有名となった北野武監督を自由に動
かせる東京スポーツは、あきらかに先見の明があったと言わざるをえませ
ん。一度はもめても、その後両者が円満な関係になったら、共にhappyじゃ
ないですか。こういうのを大人の関係というのですよね。この関係を見習っ
て欲しいと思うような人は周りに沢山いませんか。
2004年2月18日 プロは勝ってなんぼ
男子サッカーのワールドカップ予選が始まりました。初戦はオマーン戦
で、後半のインジュアリー・タイム中の久保の得点で1-0で日本が勝ちま
した。ハ−フタイム中にサポーターからブーイングが出たり、試合後も評
論家が試合の内容の悪さについて語っていましたが、プロは勝ってなんぼ
です。ワールドカップ予選は一時予選が始まったばかりです。これから長
丁場が始まったばかりです。日本は大きな大会の初戦にピークを合わせて
しまって、初めは勝つがそこから苦しむという戦いを繰り替えしています。
初戦は苦しい試合をしながらも、最終的には勝った訳だし、選手同士のコ
ンビネーションも今後は良くなってくるでしょうし、いい戦いをしてくれ
ることでしょう。今後も日本代表をサポートしていきましょう。
2004年2月15日 HP訪問者4万人を突破&HP引越しのお知らせ
ホームページの訪問者がとうとう4万人を突破しました。カウンターが
動いていない時期もあったので、実際にはもう少し訪問者が多いのだとは
思いますが、1997年の6月に開設以来、6年半もこのHPを続けてきた結果
の数字だと思いますし、大変嬉しく思っています。今後も、たまにはのぞ
いてもらえるようなHP作りに励んでいこうと思っています。
ところで、このHPが存在するniftyからメールが来て、古いホームペー
ジが存在するサーバーを閉じるらしく、niftyの新しいサーバにHPを移す
か、それとも、YahooにHPを移すかの選択をすることになりました。
niftyのメールアドレスは今後も使い続けるつもりなのではありますが、
HPはこれを機会にYahooに移してもいいかと思っています。4月にはアパー
トも引っ越すつもりなので、引越し先がYahooBBで快適なのかとかもポイ
ントになるでしょうし、他にもYahooのHPの割り当て容量とかカウンター
なんかもポイントになりますので、住む場所を決め、引越しが終わってか
らゆっくりと考えたいと思います。
2004年2月14日 ベンチャーの株もなかなか好調
新興企業向けの株式市場がにぎわっているという新聞記事があり、その
中で薬関係のベンチャーを探してみました。すると、最近よくニュースに
なっているオンコセラピー・サイエンスと総合医科学研究所の株価が見つ
かりました。両社とも好調で、株式公開による資金集めの目的も達したで
あろうし、ストック・オプションの社員のヤル気も上がることでしょう。
あとは、株主達が納得する結果を出せるかです。ちなみにこの両社の公募
価格と初値、現在の価格は下の通りです。
オンコセラピー・サイエンス100万円→240万円(初値)→189万円
総合医科学研究所 65万円→136万円(初値)→118万円
公募価格よりも高い値段で推移しているのですし、このまま頑張って欲し
いものです。ちなみに、NTTの公募価格は58万5千円、初値160万円、
最高値は318万円、現在の価格は48万3千円、ちなみに最低価格は37.5
万円です。NTTドコモは公募価格390万円、初値460万円、最高値768万
円だったのですが、現在の価格は21万9千円(219万円と考えてOK。
ちなみに最安値は20万1千円)という悲惨な状態です。期待して株を購入
した株主をがっかりさせるような会社にならないことを願うのみです。
3年後の両社の株価は、初値よりも高いかどうかは必ずチェックしたい
と思います。
2004年2月13日 特許収入はアメリカの200分の1
出勤途中に聞いていたラジオで言っていたのですが、日本の大学の特許
収入は4億円で、アメリカの大学の200分の1だそうです。この数字は正確
ではなく、大学の研究成果を民間に移転するために国立大学に設置されてい
るTLO(技術移転機関)を介して得た収入が4億円だいうことです。細かい
ことはいいとして、日本の国立大学で開発された技術の中には、特許収入を
得られるようなものが少ないということなのか、特許を得られるような技術
は大学では特許を取らず共同開発していた企業利益になっているということ
なのか、詳しいことが分かりません。しかしながら、東北大学のように、電
気、情報、金属の分野で目覚ましい業績を挙げている大学も数多くあるので、
国立大学のTLOがうまく機能すれば、大学に多くの利益をもたらすことは間
違いないことでしょう。
先日の特許収入に対する報酬が200億円という話があり、それに対する規
制をどうするかなんて話から国や産業界が動いていますけど、日本が誇る
国立大学が束になってかかってもたかだか4億円しか稼げないのに、まず
規制から入っても仕方がないのかと思ってしまいます。つい1年ほど前まで
は、「国立大学教官の特許料収入の上限が600万円」なんていう法律まで
あったのです。こんな法律があるようでは、本当に特許収入が見込める成果
があったら、企業に譲るかベンチャー企業を作ろうかと考えてしまうことは
当然のことになってしまいます。収入がその人の価値を全て決めてしまう
訳ではありませんが、客観的な評価数字であるに間違いありません。まずは、
特許収入が望めるような結果を出させてから、その規模に応じて対応を考え
ればいいのであって、取らね狸の皮算用といった情けないことを国を挙げて
するようなことはやめて欲しいものです。
2004年2月5日 NTTグループの仕事の振り分けの不思議
NTTというと、NTT東日本、NTT西日本を始め、データ、コミュニケー
ションズ、ドコモ、コムウエアなどもありますし、それ以外にも、ビジネス
アソシエだの、アフティだ、ロジスコ、ファシリティーズ、アド、都市開発
だのといったような何をしているのか分からない会社もたくさんあります。
どんな仕事の振り分けをしているのかはなはだ不思議だったのですけど、
今日の日経新聞の一面トップが『国際IP電話に進出 NTTコム』と書いてあっ
たので、てっきりNTTコムウエアのことかと思ったら、NTTコミュニケー
ションズでした。グル−プ内の小さなパイを取り合いしているとしか思え
ない記事ですね。システム開発はコムウエアの仕事かと思ったら、コミュニ
ケーションズもシステム開発をしているとは、何で分社したのかよく分から
ないです。まあ、このままでは、再編成する日も近いことなんでしょう。
NTTでも東西日本とドコモ以外で働いている人達は大変なんですね。
2004年2月1日 ここ数日は暖かい毎日
2月になりました。今日の徳島の最高気温は11.4度(平年9度)、最低気温
は0.7度(平年2度)と平年よりもやや暖かい日が続いています。一週間
程前はとても寒い日が続いたのに、ここ数日は一転して春のような日ざし
の毎日です。昨年はこの時期にひどい風邪をこじらせてしまって困ったの
ですが、今年は、今のところは何もなく健康に過ごしています。皆様は風邪
を引かれていませんか。
今日までのアクセスは39589人、先月は837人の方の訪問がありました。
相変わらずの御愛顧、感謝しております。
過去の『ひいの徳島日記』は下にまとめました.
ひいの徳島日記/2004年1月
ひいの徳島日記/2003年12月
ひいの徳島日記/2003年11月
ひいの徳島日記/2003年10月
ひいの徳島日記/2003年9月
ひいの徳島日記/2003年8月
ひいの徳島日記/2003年7月
ひいの徳島日記/2003年6月
ひいの徳島日記/2003年5月
ひいの徳島日記/2003年4月
ひいの徳島日記/2003年3月
ひいの徳島日記/2003年2月
ひいの徳島日記/2003年1月
御意見・御要望は
QZB12375@nifty.ne.jp
までお願いします