Visiting Speaker

   毎年,世界各地の研究者がアルバータ大学を訪問し,講演をしていきます.
   その中からからいくつか紹介します.

1998年
2月27日 Dr. A. H. Hoveyda; Department of Chemistry, Boston College
  "Recent Advances in Asymmetric Catalysis and Applications to
   Natural Product Synthesis"
    この講演を聞いてみて,正直な感想は「この人の研究は全然信用出来
   ない」です.言葉の使い方が独特で一般的な使い方をしていない,反応
   機構も抽象的な表現しかしていなくて,何故そんな反応がおこるのかを
   全然説明していない,などがその理由です.
    例えば,ラセミ体の"kinetic resolution"において,"60% conversion"
   で">97%ee"って一体どういう意味なのか全く分かりません.resolution
   の意味が一般的なものと全く違うことは確かです.
    この教授の論文を注意深く読んだことはなかったのですけど,ちょっと
   真面目に読んでみないといけないな,と思っています.

1997年
4月25日 Dr. Susumu Akutagawa; Takasago International
  "Asymmetric Technogy in the Industrial Technology"

    これは凄い講演でした.基礎研究の中から発見された試薬を如何にして
   工場のラインに乗せるか,というテーマでの話で,日本の化学企業の実力を
   知るに十分な講演でした.学生時代に「今は自分の仕事(基礎研究)のこと
   を考えていればいい.応用は企業の専門家に任せればいいのだから」とボス
   に言われたことがあったのですが,まさにその通りだと思いました.
    自分は今何をするべきか,という問に対する一つのヒントとして,受け止め
   させていただきました.どうもありがとうございました.

5月 8日 Dr. Jun-ichi Takeda; Asahi Chemical Institute & Noguchi Institute
  "Introduction of Noguchi Institute"

    エドモントンに来た主目的が何か知りませんが,講演をする気がなかったの
   なら,やめておいた方がよかったと思います.

7月 8日 Dr. Thomas J. Simpson; School of Chemistry, University of Bristol
  "Chemical and Biochemical Studies of Polyketide Antibiotic Biosynthesis"

    話の内容が抽出・構造決定から合成,生化学的な評価まで広がっていた
   のですが,どこが話のポイントなのか分からなかったです.結局全体像が
   つかめず,今後どういう研究展開があるのかも分からず,何かしらストレス
   を感じた講演でした.