水量とコース選択
このページは、主に「遠征隊」用の情報です。
常連は、水量を聞くだけで大体瀬の様子などがイメージできますが、遠方からの方々とか、歩危初めての方々などは、水量の数値を聞いても、川の様子と結びつかないかと思います。そこで、私の独断と偏見の固まりかもしれませんが、水量と川のイメージと割と常識的なコース選択を書いておきます。
水量の見方
現在では,「大歩危(=下名水位観測所)」の水位・水量がリアルタイムで分かるようになりましたが,昔は,得られる情報が限られていました。
10年ほど前は,大歩危・小歩危(特に小歩危)の水量は「池田の流量」が用いられていました。数年前からは,「大豊の水位」を用いる人も増えました。現在では,「下名の水位・流量」が,「歩危の水量」を客観的に見る一番直接的な手法です。
しかし,まだ,経験の「換算」をしていませんので,ここでは,「10年ほど昔の指標=池田の流量」で,過去のコンテンツを紹介致します。
水量とコース選択
ここでは,「10年ほど昔」の指標で,水量(池田の流量)と川の様子、カヤックでのダウンリバーのコース選択の「1例」を紹介します。あくまで私の独断による1例であり、技量や、フィールドに対する知識、チームの組方等で、コース選択は大きく変わると思います。当然の事ですが、コース選択は御自身の目で下見をして決めてください。このページの情報を基にして事故等が起こっても責任は持てません。特に「大増水」での事故やトラブルは、罵られる事はあっても、誰も同情してくれませんので、特に慎重に下見をして、楽しく漕ぎましょう。
なお、私はキャリアはそこそこ長いですが、上級者にひょこひょこ付いていくような万年「小歩危初級パドラー(小歩危常連の基準だと初級)」です(^^;
- 20トン以下
冬のかなりの渇水。私はこの水量の吉野川を見たことがありません(^^; 小歩危でも岩だらけでしょう。
- 30トン
冬の渇水状態。漕ぐなら小歩危ですね。でも岩だらけ。水のパワーは無いが、岩に気をつけて下りましょう。何処の川も漕げないほど水が無い時期でも、小歩危なら漕げるという事で、満足しましょう(^^;
- 40トン
冬の通常水位。小歩危ですね。曲がり戸の瀬の最初の落ち込み直下の岩が気になります。それ以外は、水のパワーもあまりないし、小歩危としては比較的楽に下れます。
- 50トン
冬ならば、やや大目。小歩危ですね。岩も水が被って来て下りやすいと思います。大歩危は知りません。
- 60トン
冬ならば、かなり多い(増水)。それ以外の季節なら少な目。漕ぐなら小歩危... そろそろ大歩危でも良いかな? でも小歩危だな(^^) 小歩危を楽に下るなら最もお勧めの水量。小歩危デビュー向きの水量です。大歩危を下るには、少し少ないかな...という感じ。「激流派」の人は、これ以下の水量で大歩危に行くことは無いでしょう。
- 70〜80トン
春、秋の通常の水量。小歩危は、パワーが増してきて「小歩危らしい」瀬になってくる。大歩危なら少な目だけど遊べる。大歩危デビューに丁度良い水量。
- 90トン
春、秋のやや大目の水量。夏ならやや少な目。小歩危はかなりパワーがあり、森囲いの瀬の横一線のストッパー(チキンコースは無い)、曲がり戸の瀬の奈落といわれる落ち込みが気になりはじめる。曲がり戸の岩に水が被り始める。
大歩危は、3段の瀬の大岩に水が被り、巨大な落ち込み(滑り台)が出来始める。大歩危、小歩危とも「らしい」瀬になる。
- 100トン
夏の通常の水量。小歩危は相当のパワー。「夏の小歩危」は、このくらいが普通。
大歩危も面白い。
- 110〜120トン
夏のちょっと大目。上級者でなければ、小歩危はパスしたい気分(私なら、出来れば小歩危はパスしたい(^^;)。大歩危は面白い。
- 130〜150トン
夏のちょっと大目。大歩危でしょう。 私は、(かなり体調が良くて、頼れる上級者が多くて、やる気満々の時じゃなければ)この水量の小歩危は自信ありません(^^;
- 160〜200トン
夏の(ちょっとした)増水。
私は絶対に大歩危ですね(^^; 小歩危に行かれる方、どうぞご勝手に。私はこれ以上の水量の小歩危は漕いだこと無いし、多分(絶対に?)付いていけません(^^;;;
- 300〜500トン
夏でも「かなり多い」増水ですね。
当然、私なら大歩危... ですが、3段の瀬のストッパーが気になります。多分、最初のストッパーで吹っ飛ぶのは目に見えているので、その後、ビッグウェーブやホールの連続の中で、確実に起きることですね... ロールの調子が悪い時にはパスしたいです。3段の瀬、国境の瀬は、下見しないと恐いです(^^;
そろそろ岩原のビッグウェーブが期待できるかな?
- 500〜900トン
夏でも「相当に多い」増水ですね。
当然、私なら大歩危。3段の瀬のストッパーが相当気になります。左側に入ったら出ないかもしれない(^^; 至る所、チキンコース狙いですね(^^;
岩原のビッグウェーブが期待出来ますが、多すぎると潰れているかもしれません。
あと、大歩危ベイ(オーバーハングの瀬の下流)のところに、綺麗な形の巨大ホールが出現し始めます。「ミニ マッコイズ シュート」と呼んでいます。本格的な、巨大で形の良いホールで遊びたい方はどうぞ。私は観客になります(^^;;
- 1000トン〜1500トン
「年に数回の大増水」です。「激流大好きな人」にとっては良い水量かもしれません。これを待っている人は多いでしょう(笑)
大雨の直後や台風が通った後。上級者は立川川などの「支流」を目指すようです(100トンクラスの小歩危より難度は高いようです)。
それほどの技量の無い私なんかなら... 大歩危です。この水量だと、瀬の様子は全く変わっていますし、普段は何でもないところに凶悪ストッパーが出来ていたり、至る所全面ボイルしていますので、かなりの技量でなければ「フィールドを知っている人」と一緒の方が良いです。川全体に流れが速いので、レスキューは殆ど期待できません(泳ぐと致命的です)。ウイリアム・ニーリーの「カヤック」という本が参考になります。この本に出ている「増水時」の事が一通り体験出来ます。
「ミニ マッコイズ シュート」も多分出来ています。
小歩危など論外... だと思いますが(ビデオ FULL ON に出演している)Tさんたちの小歩危漕行のビデオ見ましが、この世のものとは思えませんでした(瀬がもう少し長かったら確実に国際基準でクラスVだと言っていました)。
- 1500〜3000トン
「年に1回有るかどうかの大増水」です。大歩危でもレスキューは不可能か極めて困難。ビッグウェーブ、凶悪巨大ストッパー、流木、ボイル、ファニーウォーター... 何が有るか分からないし、自信がなければ止めましょう(^^;
- 3000トン以上
見たこと無いです。多分大歩危・小歩危で漕ぐ人は居ないんじゃないかと思います(私ならパスします)... が、もしここまで増えても、やっぱりやる人は居るんでしょうね(^^;;;;
ラフトで小歩危下られる方へ
春〜秋の季節(特に夏)に、学生さんたちのグループ(大学の探検部)がラフトで漕行することも多いようで、たまに見かけます。私はラフトをしないのですが、そういうグループの方々を見かけることも多いし、営業ラフトの方々も見かけたり一緒に下ることも多いですので、いろいろと気が付くこともあります。
以下、営業ラフトなどに参加されるのではなく、自分たちでチームを作ってラフトで小歩危を下ろうという方々(大学の探検部の方々が多いと思いますが)へのアドバイスを(ラフトのど素人ですが(^^;)書いておきます。
歩危には大抵、常連パドラーが集まっていますので、気楽に声を掛け、水量やフィールドの情報等を聞くと良いでしょう。事前の調査や自分たちの下見だけでは分からない(分かり難い)事もあるかもしれません。自分たちだけで漕ぐ前に、信頼できる業者のラフトツアーに参加して、下見をするもの良いと思います。
小歩危は「水量が50トン未満100トン以上の時は止めた方が無難」です。
営業ラフトなどは、ガイドが高い技量を持ち、さらに万全のレスキュー体制を敷いていますのでやや水量が少なかったり(40トンくらい)、増水していたり(150トンくらい)しても小歩危を(も)下っていますが、かなりの技術とフィールドに関する知識が不可欠なようです。
渇水時は、岩が出ていて底を擦ったりラップしますので、その場所を知っていて、きちんと避ける技量が必要なようです。また、フット&レッグエントラップメントの可能性がある場所も何個所かありますが、多分岸からの下見では分からないと思います。
増水時には、小歩危の本格的な瀬(森囲いの瀬)に入る前(サンリバーの手前)に、かやぶきの瀬がありますが、ここでフリップさせるようでは小歩危は無理です。森囲いの瀬に入る前に、サンリバーで上がって、大歩危コースに予定を変更することを勧めます。
大歩危を下る場合、渇水時(50トン以下の大歩危)の様子は私は知りませんが、およそ150トンくらいまでの大歩危なら、大きな瀬の後には必ず瀞場もありますので、それほど難度は高くないと思います。技量によっては(小歩危を目指すようなチームなら)、200トンくらいまでの大歩危なら、何とかなるんじゃないかな? と思います。ただ、3段の瀬と国境の瀬はフリップの可能性が高いですので、十分な下見と、レスキュー体制の組方を検討した方が良いと思います。大歩危でも300トンを越えると大きな瀬の下流の瀞場が無くなってきますので、かなり熟練したフィールドを良く知っているチームでないとレスキューが出来ないと思います。その時には無理せずに、大歩危でも止めた方が無難だと思います。営業ラフトなど、極めて高い技術を持ち万全のレスキュー体制を組んだフィールドを熟知しているグループでしたら1000トン近くても大歩危を下っているようですが、技量が未熟なフィールドを熟知していない遠征隊では、かなりの危険性が伴うと思います(3段の瀬でのフリップは、ほぼ確実だと思っていた方が良いでしょうし、流れが速いのでレスキュー出来ない可能性も高いと思います)。
最後に、大歩危・小歩危に限らず、ラフトだけでで下る場合には機動性が有りませんのでその事を考慮したレスキュー体制を考えておくと良いと思います。多少大きな瀬があっても、そのすぐ下流が瀞場なら、フリップしても割と楽にレスキュー出来ますが、瀞場が無くなっているような水量だと、かなり危険性が高くなります(それに、歩危の区間は、下流に行くほど難度が高くなるので、長距離流されるとその意味でも恐いです)。出来れば、ある程度レスキューも出来る「セーフティカヤック」を付けることが望ましいと思います。それが無理でしたら、丹念な下見の上、陸上からのレスキューロープ等サポート等も検討すると良いと思います(有効な場所とそうでない場所が有ると思いますが...)。