2001-02シーズンの木星 目次

Last Updated 10/01/02


概況

2001-02シーズンは以下のような注目すべき現象が観測されましたが、 ベルト/ゾーンのパターンを大きく変えてしまうような大規模な現象はありませんでした。

今シーズン最も注目されたのは、RS前方のSTrZで見られたdark streakの活動でした。 近年、RS前方では、dark streakが繰り返し観測されています。 今シーズンは、2001年10月頃からRS南縁にアーチが形成されたり、前方のSTrZに薄暗い暗部が出現するといった前兆となる現象が観測されていました。 RS前端からdark streakが伸び始めたのは11月で、その後、急速に前方へ拡大し、体系II:290°付近までのSTrZをベルト状に暗化させました。 最盛期のの12月には、STrZの大部分がベルト状の暗条で覆われ、ディスロケーション(South Tropical Dislocation)のような様相となりましたが、2002年に入ってRS直前で淡化が始まると、streakは急速に衰退し、2月にはほとんど消失してしまいました。

streak消失後は、体系II:40°付近の暗斑が注目されました。 2001年10月頃、体系II:20°付近に形成されたもので、streakの活動に影響されることなく生き延びています。 1997年と2001年にRSに衝突吸収された暗斑と同じタイプの高気圧的渦と思われます。 体系IIに対してゆっくりと後退しているため、いずれ過去の2つの暗斑同様、RSに合体吸収されてしまうでしょう。

NEBは2000年よりベルトが拡幅し、幅広い状態が続いています。 今シーズン前半もNEBは幅広く、本来の北組織が中央組織となり、ベルトが3重構造になっていました。 北縁にはここ数年、bargeや小白斑が多数観測されていますが、今シーズンもbarge6個、小白斑4個を確認することができました。 今シーズンのbargeは緯度がやや低く、中央組織北縁の赤茶色の小暗斑に変化しています。 bargeや小白斑のいくつかは、2000-01シーズンに観測されたものと同一と思われ、特に体系II:100°付近(2002年1月)の小白斑は、1997年から存続している長命な模様です。

これらに加え、今期はベルト全体が赤茶色に着色しているのが注目されました。 着色現象はベルト活動期の最期に起こるとされていますが、予想通り、2001年12月になると、体系II:300°台でベルトの北縁から縮小が始まりました。 2002年3月頃には、体系II:0〜150°でベルトがまだ幅広いものの、他の経度では通常の太さに戻っており、NTrZに露出した小白斑やbargeにより、ベルト北縁が起伏に富んで見えます。

NEB内部では、白雲によるrift活動が各所で見られ、例年以上に活動的でした。 特に体系II:70〜150°付近の活動は激しく、大部分のriftが拡幅したNEBの南半分に制限されていたのに対し、このriftは中央組織を分断し、ベルト全体に広がっていました。 この様子は、月惑星研究会関西支部の伊賀祐一氏により詳細に解析され、2つの活動期に分類できることや、活動期によって個々の白斑のドリフトが異なること、riftの活動により、近くにあった2個のbargeが消失したことが明らかにされています。

永続白斑BAは健在で、前身のBEよりもひと回り大きな白斑として見られましたが、 2002年3月にRS南側を通過すると周囲とのコントラストが低下したためか、極めて不明瞭となってしまいました。 STBは近年淡化が進み、ほとんどの経度で細く淡い北組織を残すのみとなっていましたが、今シーズンは残った断片のひとつが前後に伸長し、約100°の区間でSTBが復活しています。

SEBは今シーズンも概ね二条に分離して見えましたが、SEBZは薄暗く不明瞭になっています。 EZは南半分が明るいのに対し、北半分は軽く黄濁して薄暗くなっていました。 festoonなどの模様は例年と比べて淡く数も少なかったのですが、シーズン後半には青黒いfestoonや暗部の数が増えてきたように思われます。 北半球では、NTBが安定した明瞭なベルトでしたが、NNTBは淡化が進み、断片的で不明瞭になっています。


木星の暦(UT)

2001年06月14日 12時38分
西矩 2001年10月07日 20時08分
2002年01月01日 05時53分
東矩 2002年03月27日 13時24分
2002年07月20日 01時19分

月毎の観測

観測日数  スケッチ  CMT 
2001年7月の観測 4  4  1 
2001年8月の観測 4  4  4 
2001年9月の観測 9  12  34 
2001年10月の観測 7  13  38 
2001年11月の観測13  27 119 
2001年12月の観測12  22  91 
2002年1月の観測 15  26  75 
2002年2月の観測 11  23  82 
2002年3月の観測 8  12  43 
2002年4月の観測 7  8  14 
2002年5月の観測 2  2  0 
2002年6月の観測 1  1  0 
合計 93 154 501 

展開図

全面展開図 2001年11月21日〜23日

ドリフトチャート

大赤斑と永続白斑などのドリフトチャート
STrZのストリークや暗斑などのドリフトチャート
EZのfestoonなどのドリフトチャート
EZsの模様のドリフトチャート
NEBnのbargeと小白斑のドリフトチャート

自転周期

主な模様の自転周期

観測記録

スケッチのリスト
CMTのリスト

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