■ソフィア〜被虐の快楽

(闘神伝)




 ――ビシッ! バシッ!!
「んぁぅっ!! おおぅっ!?」
 暗い密室の中、空気を裂く打撃音と共に、女のうめきが響き渡る。
 女――探偵であるソフィアは、己の過去を探るために秘密組織を探っていたのだが――結果は組織に潜入したところで捕縛され、拷問を受ける羽目となっていたのだ。
 腕は後ろ手に縛られ、両脚は足首のところで一本の金属の棒を括り付けられて身動きが取れない状態にされていた。さらに纏ったボンデージをあしらったような扇情的なコスチュームは、既に受けた鞭打ちによってところどころ裂け目ができ、その下の白い肌を晒している。そして、そこには無数の鞭痕と腫れができ、汗と血が混じり、彼女の足元に小さな水溜りを作っていた。
「“風裂きのソフィア”さんがだらしねぇなぁ」
 ソフィアの通称を侮蔑するように吐きながら、拷問を担当している男がさらに鞭を振るう。その鞭は、彼女自身が持っていた鞭“クラースヌイブーリァ”に他ならず、彼女にとって最大の侮辱でもあった。
「あぅ!? おぅっ!!」
 空気を裂く度、肌は傷つき、その口からは喘ぎが洩れていく。自らの武器で責められる屈辱に歯噛みしながらも、逃げる手段すら見出せないこの状態では、今はただうめき、喘ぎながら拷問を耐え抜くしかない。
「あぉっ! おおぅっ」
「さぁ、何が目的か喋ってもらおうか。んん?」
「何をされても……おぁぅっ! 喋ら、ない……あぅっ!?」
 別に依頼されて探っていたわけではない。ただ自分の過去が知りたい。ただそれだけであった。だが、そんなことをこいつらに喋ってもどうなるわけでもない。己のプライドが傷つけられるだけだ。
「そうか、なら……」
 そう言って男の腕がしなった。卓越した鞭捌きがソフィアの身体を的確に捉え、露になった肌をさらに痛めつけていく。
「あぐ、あ……っ!」
 空気を裂く音が耳に入るごとに身体に激痛が走る。だがここで折れて負けるわけにはいかない。屈すれば、目的を達成することなどできなくなってしまう。
 しかし、現実は甘くはなかった。叩かれれば叩かれるほど、激痛は精神を苛み、身体は苦悶に喘いでいく――はずだった。
「あぁ……あふぅ!! あぁ、あはぁっ!?」
 彼女の口から漏れる喘ぎに変化が現れたのだ。
(嘘、気持ち……いい!?)
 自分の鞭で叩かれていることに、どこか気持ち良さを身体が感じ始めていたのだ。思いも寄らない形で、痛みが別のモノに変換され始めたことに動揺するソフィア。だが、痛みは、彼女の意思とは関係なく、別の疼きへとさらに変換されていく。
「どうした、女王様? あぁん?」
 ソフィアの変化に気づいたのか、鞭を振るっていた男がその手を止めて彼女を見下ろす。
「あ、あへぁ……」
 それに対してソフィアは口から涎を垂らし、頬を上気させながら男を見上げていた。無意識に、物欲しそうな表情を浮かべながら。
「なるほど……サドを気取った女王様がマゾとは、とんだお笑い種だな」
 その言葉に思わずはっとするソフィア。だが、目の前の男はその表情の変化を見逃すことなく彼女のポニーテイルで結わえられた髪を掴んで顔を近づけると、小さく呟いた。
「お前はマゾなんだよ。解ったか? んん?」
 言い聞かせるように、揺ぎ無い事実として肯定させるように、男はソフィアへと呟く。 そんな事実を突きつけられ、ソフィアは靄がかった意識の中、思考を巡らせる。マゾ――自分はマゾだったのか。心のどこかでは否定していたのだが、身体の反応は正直であった。それが揺ぎ無い事実なのだろう。
「さて、と」
 男が、ソフィアの秘所を覆うレザーレオタードがずらすと、パンスト、そしてショーツが彼女の愛液を吸って色が濃くなっているのが見て取れた。その様子に男は満足そうに頷くと、パンストとショーツを一気に引きちぎり、ソフィアの陰唇を露にする。
「マゾな女王様、ご奉仕して差し上げますよ。ただし、貴女自身のモノで、ね」
 その言葉にソフィアは首を何とか後ろへと振り向かせる。そしてその視界に映ったのは、鞭を振るっていた男が彼女の鞭の柄を彼女の陰唇へとあてがう姿だった。
「そ、それはや……いひゃぁぁぁぁ!?」
 だが、彼女の拒絶は受け入れられることなく、容赦なく自らの鞭の柄が一気に押し込まれる。子宮の奥にまで到達したそれは、彼女の膣壁を荒々しく擦り、彼女の胎内を蹂躙していく。だが、その無機質で暴虐的な挿入も、今の彼女には快感でしかなかった。
「あふぁ、あ、おぐ、おぐまであだってるぅっ!?」
 切れ長の目は快感によって垂れ、その端から歓喜の涙を零していた。口からは舌がだらしなくはみ出し、涙と共に涎が床を濡らしていく。
「自分のでよがってやがる。世話ねぇなぁ」
 下卑た笑いを上げながら、男たちはソフィアを侮蔑した。挿入された鞭をグリグリと回される度に腰はビクンビクンと跳ね上がり、快感に過敏に反応していく。
「あふ、ぁっ……あぁっ!?」
 被虐的で無機質な凌辱に、金髪の美女はただ喘いでいた。目的もプライドももはや彼女の頭の中には微塵も残っていない。あるのは、ただ被虐的な快感という欲望だけ。
「いい声で啼くねぇ」
「あぁ、もっと、もっとなじってくださひぃぃ」
 男の声に、ソフィアはついに被虐の嘆願を漏らす。
 そこには“風裂きのソフィア”と呼ばれる凛々しい女性の姿はもう残っていなかった。
「所詮、戦闘強化人間といえどただのメスってことか」
 その姿を見た別の男がポツリと呟く。それと同時に、鞭を振るっていた男が挿入した鞭を上下左右、前後に激しく、乱暴に動かした。
「あ、あぁぁぁぁぁぁッ!!」
 直後、突っ込まれたままの陰唇から、大量の愛液がビュルビュルッ! と溢れ出す。それはソフィアが絶頂に達した証拠でもあった。同時に彼女の身体は大きな痙攣の後、脱力し、涙と涎、愛液が彼女の足元の水溜りをさらに大きくしていく。


「今度は俺たちので可愛がってやんぜ」
 痙攣が治まった頃を見計らい、淫臭が立ち込める部屋にいた数人の男たちが各々のイチモツを露にした。
「あ……あぁ」
 上気した頬で、虚ろな視線を彷徨わせながらソフィアは小さく頷く。
 その後、“風裂きのソフィア”の姿を、誰も見るものはなかった――




▲メニューへ戻る。