Sep.1, 2000
まさか、10月の発表を、新しい会社で迎えることになっていようとは、、、。
1月にその仕事の誘いを受けた瞬間に感じたトキメキ。自分にもそんな仕事ができる可能性があるんだ。すぐに飛びつきたい気持ちを抑えて、まずは目標とする7月の試験に全速力で突っ走ることを決めた俺。でも、それ以来、将来その仕事をする自分の姿を頭に描き、そして仕事が、勉強が辛い時もそれを心の支えにしてきた。
8月に入り、実際にその仕事をしている方々の話を聴く。半年間の身勝手な片想いは本気の想いに変化を遂げたものの、9月中の入社が条件だと言われ、自分の急な退職希望に対する会社の抵抗を気にして、一度はあきらめかけたこともあった。
でも、この想い、どこへ行くんだろう。29歳実務経験無しの人間に、これほどのチャンスが、今度はいつ、やって来るんだろう。俺が一つの資格を目指して勉強しつづけたのは、もちろん資格を取得するためだけど、それ以上に、会計の仕事がしたいからじゃなかったのか? 今、そのチャンスが目の前にあるというのに、それを見過ごしていいものだろうか。会社の抵抗? そんなことより、自分の人生があるだろ。確かに突然の退職は会社に対して迷惑をかけることになるかもしれない。でも、法律違反でもなければ、社内規定違反でもない。俺が自分らしく生きることを決めた、その決断を、会社に伝え、そして理解してもらうしかないじゃないか。そもそも採用になるかどうかだって、分からない。まずは、トライ。もしダメなら、いつまでも片想いでいたって仕方がない。別のチャンスを見つけなくちゃ。もしOKなら、これは、会社の中に多少の嵐を起こしてでも、退職へ向かって突っ走るしかないじゃないか。だって、その仕事に、それだけの魅力を感じてるんだから。
面接。内定。そして退職の申し出・・・。
受験期以上に精神的に厳しい日々を越え、今、新しい会社への移籍に、何らの抵抗もなくなった。実務経験無しの人間には荷が重すぎるくらいの仕事。でも、新しい会社では、そんな俺に、チャンスを与えてくれる。それがうれしい。絶対、恩返ししてやる。
ようやく今、俺は、スタートラインに立とうとしている。3年間の挑戦の末につかみ取ったもの。でも、これは終わりではなく、始まりに過ぎない。これからが勝負。これまでの「1000日物語」は、これから始まるストーリーの前座にしか過ぎなかったのかもしれない。
3年前、俺が「挑戦」を始めると言った時、誰もに、「遅い」と言われた。お前、もう25歳だろ、今からの方向転換なんて遅すぎる。何人もの人間に、そう言われた。でも、俺はめげなかった。本当に「遅い」のか、それは、自分で試してみないと気が済まなかった(逆に言えば、それだけ自分は追いつめられていたということでもあるのだが)。
今、俺は思う。何かを始めるのに、「遅すぎる」なんてことは、決して、ない。気付いた時に、必要を感じた時に始めさえすれば、決して、遅すぎるなんてことはないのだ。もちろん、今、俺は、会計の世界で大成したわけでもなんでもなく、ただ、その入口に立ったに過ぎない。でも、俺は誓う。情熱さえあれば、何歳になったって、なんでもやれることを、自ら示してやる。これからだって、俺は負けないっ!
思えば、日本経済と同じく、1990年代は、俺にとっても失われた10年だった。チャリンコで東海道を走った1991年夏。初めての海外旅行を一人で敢行し、ヨーロッパの地に足を踏み入れた1991年秋。俺は、これからの自分にできないことなんて、何もないと思っていた。
なのに、その時から俺は、少しでも成長しただろうか。20代という大切な時間を有意義に過ごしただろうか。失われた10年。でも、その10年も、最後の3年間があったおかげで、俺は、21世紀を、前向きな気持ちで迎えることができる。
もう、何年も昔だったけど、堺屋太一さんの書いた文章に、こんな内容の記述があったことを思い出す。「10年一区切りというけど、その10年をさらに4つに分けると、"終わりの始まり""終わりの終わり""始まりの始まり""始まりの終わり"に分かれる」と。俺の中では、今までの自分を半分否定し、会計の世界に足を突っ込もうと思った1997年に、"終わりの終わり"と"始まりの始まり"を迎えたのだと思う。そして2000年、目標としていた会計士受験を終え、新しい仕事に就くことを決めた今、もしかしたら、"始まりの終わり"の段階に来てしまったと言えるのかもしれない。でも、俺は、いつまでも、"始まり"を"終わり"にしたくはない。常に、"始まりの始まり"でいたいと思う。
新しい世界へ踏み込む自分。俺はいつだって、チャレンジする気持ちを忘れない。
By MORI-P(morip@mb.infoweb.ne.jp)