うれしいことと不安なこと

Oct.22, 2000


 うれしいことばかり。
 会計士に合格しててくれた、その喜びが今になって、少しずつ湧いてくる。早速(自分にとっては)過密スケジュールで始まった補習所。そこで、少しずつだけど、友達の輪が広がる。自分より大きな目標を持ったヤツもいる。やっぱり俺はここで立ち止まっていられない、と思う。講義も始まった。監査法人勤務の人たちを念頭においた講義とはいえ、監査を受ける側の俺にとっても知ってて損はないことばかりだろう。強制ではあるけど、学ぶことの喜びを感じる。
 今月初めの国勢調査。「職種」の欄で「財務・経理」を選んだ瞬間の喜び。今まで、クレジットカードの申し込みやら証券会社の口座申込やらで「職種」の欄を書くの、いやだった。なぜなら、それは自分を示しているとは思えなかったから。今回、「自分」を示すその言葉を選択できることがうれしかった。
 仕事。分からないことがあったら、調べる。あるいは人に聞く。興味を持って読むことのできる実務の本を、日中、仕事の最中に堂々と読むことができる。自分の好きなことを、給料をもらいながらぜいたくに時間を使って勉強することができる(それはもちろん自分だけのためではなく、会社のために自分が少しでも良い仕事をするためだけど)。
 不思議。今まで、仕事が終わらず残業になって、7時を過ぎるだけでもイライラしていた。早く自分のための時間に戻りたくてしかたがなかった。それが今、終電近くまで、好き好んで会社に残っている。プライベートのスケジュールや体調との相談だけど、休日も会社に行ってしまう。今までは昼ご飯も、できるだけ短い時間で食べてしまって、昼休みが終わるまでのできるだけ長い時間、経済誌を読みたいと思っていた。誰かと一緒に食事をすることを楽しんでいなかった。それが今、毎日誰かと一緒にする食事を、楽しんでいる。仕事に関する議論。今までそんなの、したくもなかった。今は、たくさん、誰かと、いろんな議論をしたい、話をしたい、と思う。
 俺は、今の自分にとって、最高にすばらしい環境にやってきた。

 ・・・だけどね。
 入社してもうすぐ一ヶ月。俺、この間に、どれだけ成長できたんだろう。
 まだ嵐を迎え入れる準備の段階だから、確かに、バリバリ仕事をするなんてことは求められていない。だけど、例えば、自分が二人で担当することになった海外系の仕事に関しては、もう一人の人にほとんどおんぶにだっこ状態。確かに彼女には一日の長(以上のもの)があるから、彼女と同じような働きをするなんて、望んじゃいけないのかもしれない。それに、自分の中では、「まず今回の決算は、とにかく乗り切る。次回の本決算に向けて経験を積み、力を蓄える」ことを目標としている。とはいえ、今の自分の働きぶりは、会社や上司の期待に応えることになっているのだろうか。
 「お前がいないと、ウチの会社の連結決算は成り立たない」なんて、早く言われるような存在になりたい。もちろんそれは、一朝一夕に実現することじゃない。焦っちゃいけない。今までと同じでね、自分を信じて日々少しずつでも歩き続けることが、いつの間にか大きな力になっているはず。

 そうはいってもねぇ、やっぱり不安なんだよ。俺、本当に会社に貢献できているんだろうか、って。
 う〜ん。少しだけ、疲れているかもしれないね。試験が終わってからも怒涛の展開続きだったもんね。あんなに旅好きの俺が、夏も、秋も、どこへも行かず、東京の空気ばかり吸ってるんだもんね。良い環境にやって来たから、精神的な疲労は大きくないかもしれないけど、毎日夜遅くまでの勤務は、そりゃ疲れるよな。うん、ちと疲れたよ。だから、今週末は、ちょいとお休み。

 いよいよ始まる連結決算の旅、不安ばかりだなぁ。だけど、最初から覚悟してたんだろ。俺はこれを乗り越えるためにここにやって来たんだろ。初めてのことでも、経験してみる。分からないことがあったら、調べてみる。そうやって一つずつ積み上げていくしかないじゃないか。
 頑張れよ。頑張れ〜。


          


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