ラストリーフの伝説                     朝日ソノラマ文庫  [bk1]→
一面をハルシオンで覆われた惑星ラストリーフ。一度も争いの起きたことのないこの惑星の草原で、羊飼いの青年・アイルは帝星からやってきた少女・フェンを助ける。最初はかたくなに心を閉ざしていたフェンも、草原での生活の中、少しずつ心を開いていく。しかし、そこへ惑星全土を巻き込んだ恐ろしい災厄が訪れる。
秋山完デビュー作。先に読んだ「ペリペティア〜」に比べるとずいぶんオブラートで包んだ感じの話である。SFではなくファンタジー寄り。魔法にあたるものが香りってことかいな?
アイルの姓がフィトクロム……これってつまり「ペリペティア〜」のティックの先祖ってことか? かなり伏線としての話がありますねぇ、この話。話は全体的にほのぼのとしてて甘々な感じでまぁ良いのではないでしょうか。悪い気はいたしません。
ペリペティアの福音(上)聖墓編               朝日ソノラマ文庫  [bk1]→
銀河最大の葬祭社団ヨミ・クーリエ社の新米葬祭司補・ティックは、違灰の散灰ために惑星ペリペティアに向かっていた。航宙中のティックのもとに届けられた枢機卿からの命令書には、ペリペティアで行われるフォークト大帝の葬儀を、怪我を負った大司教の代理として取り仕切れといったことが書いてあった。補佐役の尼僧・キャルとペリペティアに降り立ったティックだが、そこには大帝の遺産を巡っての陰謀が渦巻いていた。

実を言うと結賀さとるのイラストにつられて買ったようなものだったのだが、これがなかなか面白かった。一見ほんわかしているようだが、実際にはなかなかハードな感じです。スペースオペラなのかな? しかも読むと所々結構えげつないことになっていたりします。まぁ、立派にSFしてるほうかなと。
使われてるネタとしては某アニメ(笑)を思わせるものがありますが(タイトルからしてもな…)、アレよりは余程読みやすいでしょうな……。SFということで戦闘シーンとかでの用語(これがやはりSFが一般に広がらん理由か?)とかもきっちりそれっぽいが、気にせずどんどん読めます。さすが文上手い。しかしこの人内職作家なんですよね……。
キャラも生き生きしていて(一部ヤバイ意味で)、良いです。まだ上巻ですのではっきりと判断を下すことは出来ませんが、続きが非常に楽しみ。宗教、某アニメネタ、スペースオペラをいかに料理し、決着をつけるのかもね。
ペリペティアの福音(中)聖誕編               朝日ソノラマ文庫  [bk1]→
フォークトを名乗る老人から預かったナルドの壷をティックはファンランに手渡した。老人の伝言の通り、ファンランは壷を大地に置いた。それにより奇跡をおこし、円墳を出現させるが、それはガラクタの山だった。ゲルプクロイツ社とヨミ・クーリエ社それを聖墓と認定し、葬儀をとりおこなおうとするが、次々と予想外の問題が起きる。

起承転結の承と転にあたる部分なんだろうな。祈祷をする傍ら、次々と人が死んでいく、そして何も出来ない自分という現実に苦悩するティック。さらにファンランの変貌。そのあたりは読んでいてまぁ良いかなと。ただちょっとトランクィル廃帝政体と゛生命樹゛計画のところは積めこみ過ぎなんじゃないかなぁという気が。この話においてはそこまで詳しく突っ込む必要はなかったのでは? 話を完結させる上で欠かせないというなら話は別だが。
キャルが生み出された経緯はそこでわかるわけだが、なぜティックだけが過敏にハルシオンに反応するのだろう。ウラがあるのか?
ラストでキャラが破滅の道に爆走し始めたっぽいのだが、どうなるか。ああ、純粋なファンランはどこへ……。どうにも所々で某アニメと同じようなネタを使っているものだから反応しちゃうんですよね。そんなつもりで書いたのではないのだろうけど。「天使と人間女性の子供として生まれたのは野蛮で破壊的な巨人」とかね(笑)
ペリペティアの福音(下)聖還編               朝日ソノラマ文庫  [bk1]→
ファンランのもとに集った回廊星域の四十九王国は、あっという間に大帝艦隊と化してしまった。権力を手にした自らに酔うファンラン、彼女を堕ちさせたアドルファ、そしてその影ですべてを操るジルーネの思惑によって、回廊星域に戦争が起きようとしていた。標的となったトランクィル廃帝政体は最良、そしてもっとも危険な方法に出た。一方ヨミ・クーリエ社では、自らの復讐を果たそうとするキャル、苦悩するティックがいた。

ティック、キャルの存在感が一気に薄れたような……。この巻で明らかに話がヨミ・クーリエ社VSゲルプクロイツ社からトランクィル廃帝政体のほうに移っているね。HPのほうを見た限りじゃもともとそっちのほうを書きたかったようだけれど、結果としてこの話は詰め込み過ぎ、もしくは中途半端な感じがしてしまうのは否めないかなぁ。
トランクィル廃帝政体にしても、変にライトノベルの要素を入れなくても良いのではと思ったけれど……。「好きなものを書くために売れそうなのを書いた」という奴っぽいのでしかたないか? でもそれでも売り物なのだしきちんとするのはOKだと思うけど。
全体的にはなかなかいい感じだとは思う。ネタを消化しきれていない感じもしてるけど、それでもエヴァよりは(笑)。一部だけれどしっかり人類補完しているし……(笑)。

ティックは自分がペリペティア生まれだって知っていたんですかね? それっぽい表記があったのですが。それにロベルト・ウトホフト号の報告を受け取ったキャルも。ラストのティックとキャルのシーンはなかなか絵的にも綺麗だと思う。あの後の二人がどうなったのか非常に気になります。
次はやはりフレンとジルーネの"シリー・ウォーズ゛ですかね?

図書館案内へ/ 図書館一階へ/ HOMEへ戻る