| 有 | 栖 | 川 | 有 | 栖 |
| ◆火村サイド ◆江神サイド◆その他 ◆ |
| ××江神サイド×× |
| 月光ゲーム 〜Yの悲劇’88 創元推理文庫 [bk1]→■ |
| 夏合宿のために矢吹山のキャンプ場へやってきた英都大学推理小説研究会。そこで偶然一緒になったほかのグループの学生たちと楽しいキャンプをするが、矢吹山が噴火、事態は一変する。陸の孤島とかしたキャンプ場に閉じ込められた中、殺人事件が起こる。 う、初々しすぎるぞ、学生アリス。青春小説の主人公のようだ……いや、その要素もあるが。特にうけを狙ったような描写もなく、すっきり書かれているなと思う。江神も容姿の描写などではなく、自然とグループのリーダー格になっちゃうような落ち着いた雰囲気とかで印象に残る。閉ざされた舞台、ダイイングメッセージ、読者への挑戦状……おお、いかにもですな。 この話での学生としての生活や、精神面での描写はいいと思う。ただ、ついつい忘れがちだけど、あまり作中で時間はたってないんだよね。あの短い数日間のうちに三人殺すほどまで思いつめられるものなのだろうか。まあ、そういう場合があるのかもしれないが、それにしても何か少し無理があるような気が……。それともあれか、十年前のご時世の大学生にはそれほどまでの情熱があったとでもいうのか… …。 学生アリスのほうだと、周りに関西弁の人がいるせいか、アリスの関西弁にわざとらしさがないかな? |
| ××その他×× | ||
| 幻想運河 講談社ノベルス [bk1]→■ | ||
| シナリオライターを目指す山尾恭司は世界を旅して廻る中、アムステルダムに居ついていた。しかし、アムスで出会った友人たちのうちの一人がバラバラ死体で発見され、その事件の渦中に巻き込まれる。ドラッグの幻覚と現実との間を行き来しながら書かれた小説はくしくもバラバラにされた男の物語だった。アムステルダムと大阪を舞台にしたそれぞれのバラバラ殺人事件は、最後にひとつの流れとなる。 おおぅ……何かこれはいつもの有栖川有栖ではありませんな……。物語は最初と最後において語られる大阪のバラバラ殺人事件と、ドラッグによる幻覚と現実の間を行ったり来たりする青年・恭司の視点から語られる、アムステルダムのバラバラ殺人事件からなる。しかし、名探偵が謎を解く、と言うわけではない。物語は最初から最後まで、今までの有栖川作品には見られなかったような幻想美に包まれている、と言った感じだ。下手すると安っぽくなってしまう(笑)、いつものパズルチックな要素も、これでは上手く調理されている感じがする。 ラストまで読んではじめて冒頭のシーンの謎が解ける。なんともせつなく幻想的なラスト(最初)であると思う。良いですねェ、これは。確かに裏ベストワンかも。 ちなみにこの話、昔ハードカヴァーの作品紹介を読んだ時、ヤク中の作家が「自分が犯人なのかも」と苦悩しながら事件の謎を追う話かと思っていた(笑)。 |
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| ジュリエットの悲鳴 角川文庫 [bk1]→■ | ||
| 1990〜1998年にかけて書かれた、ノンキャラクターものの短編12本が収録されている短編集。犯人の視点から書かれたものや、SFミステリなど、結構バラエティに富ん短編集ではないだろうか。 ……………………さて。 爆笑!!と、「登竜門が多すぎる」はもう傑作!! あなた、これで笑えなかったら変だよ。じゃなきゃまったくミステリを読んだことないか。嗚呼……馬鹿すぎる。こんな本気で笑えるのも久しぶりだ。 「登竜門〜」は入試のバイトの時に読んでいて、その時笑いを必死にこらえていたのを覚えている(笑)。家に帰ってから笑ったけど。嗚呼、おかしい。これがベスト短編だとしたら、それはそれでなんだか「ヲイヲイ」と思わないでもないが……。このほかでは、「裏切る目」と「夜汽車は走る」の2本が好きです。この2本は雰囲気が凄く良くて、終わり方が綺麗かと。 まぁ、取り敢えず「登竜門が多すぎる」は読みましょうや(笑)。 |
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| 幽霊刑事 講談社ノベルス [bk1]→■ | ||
| 刑事の神崎達也は、上司に浜辺に呼び出され、そこで射殺されてしまう。しかし、神崎は幽霊としてこの世に残ってしまう。通行人にも、犯人の上司にも、フィアンセにすら姿も見えず、声が聞こえない身になってしまった。なんとか上司の罪を他に知らしめたいと思う神崎だが、その上司が密室状態で殺害されてしまう。神崎は自らを死に至らしめた事態の真相を明らかにすることが出来るのか。 有栖川有栖のノン・シリーズもの。幽霊になってしまった被害者の刑事と、その姿が見えてしまったイタコの血筋の刑事のコンビが事件を解決しようとする。 申し訳ないが、個人的にはアウトな感じの作品であった……。いやもう、主人公うざったいのなんのって。この主人公のせいで、話がただでさえテンポが良くないというのに、さらに助長になってしまっているような気がする。ミステリの要素がどうも上手く生きていないような気がしないでもないような……。 評価は(どんな作品でもそうだが)人によりけりだろう。その上であえて言うなら、個人的にはこれ「あいたたた……」な作品だったなぁ。ごめんなさい。 |
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