| 浅 | 暮 | 三 | 文 |
| ダブ(エ)ストン街道 講談社 [bk1]→■ |
| 夢遊病で失踪した恋人・タニヤを探すため、ダブ(エ)ストンという幻の土地を目指したケン。運よくダブ(エ)ストンに漂着したが、そこは誰もが迷いつづける大地だった。人が迷い、熊が迷い、鳥が迷う。様々な人と出会いながらタニヤを探すケン。そして旅の中でケンが見つけた答えとは。 メフィスト賞受賞の浅暮三文デビュー作。ファンタジーでメフィスト賞受賞か……。二作目「カニスの血を嗣ぐ」を先に読んだから少し拍子抜けな感じだったかも。山場があるようで、あんまり山場じゃないかな〜と。勢いが少々ないかなというのが個人的な意見。全ての者が迷いつづける地を舞台にしたこの物語ではそれが良いのかもしれないが。 作中では様々な迷う者が出てくるが、それらの物語は終わりを迎えてはいない。ケン自身もまた同じ。今でも彼らは迷い続けているのかもしれない。しかし彼らは決して不幸ではないのだ――そんなふうに思ったりする。 |
| カニスの血を嗣ぐ 講談社ノベルス [bk1]→■ |
| 主人公は嗅覚が異常に発達した男・阿川。一匹の犬が死に、その犬についていた匂いの主の女は一夜を共にした後、急死した。阿川は「嗅い」を頼りに事件を探るが、死んだはずの女の「生きた嗅い」が現れ、さらには阿川自身の身にも危険が迫る。 とにかく「嗅い」の描写がすごい。圧倒される。「嗅い」がこんなにも強烈な力と存在感を持って感じられるって、そうそうない体験だぁね。しかし、きっと中にはこの「嗅い」の描写が生理的にダメという人もいるかもしれない。 作中に挟まれる「女の子」についての文は、その中に見え隠れする狂気にひきつけられる。時間が現在になってもまだ「女の子」と表現し続けることによって「彼女」の精神状態が一種病的な感じに受け取られる。 阿川ってなんか、戦うおじさん……って感じだねえ? なんか後半格好良いと感じた。 |
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