龍と魔法使い 外伝@                   集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ外伝。ついにタギの出生の秘密が明かされる。タギの生まれ故郷のシーンは、なんか空気が少々病的な感じ。タギを手元に置かなかったのは親心なのね……。
ラストシーンで、「ああ、もうタギ自身の話はないのかな」と思った。足りなかったものをついに得た、という感じなので。物的ではなく心理的に。ヨールに関しては……なんの犠牲もなしに、すべてがうまくいくなんてことはないと思うので。そういったご都合主義なところがないので榎木先生の作品は良いと思う。あと、セレイアがタギのことを「波乱万丈な体質」と言ったのには笑った。そうか、体質だったのか(笑)。じゃあ仕方がないね。
龍と魔法使い 外伝A                   集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ外伝第2巻。今回は短編集。
シェイラを探す旅を続けるタギとレンは、住民が誰も歳をとらないという不思議な村の噂を聞く。村を統治するのは幼い少女であるという。シェイラを探す手がかりではないとすぐにわかった二人だが、エルシーの導きもあって村へと向かう。
シェイラを探している間のタギたちの物語。わりと重いところのあるニ作品と、その間に、タギからの手紙に振りまわされるレンの話の三作品。一作目は結構重いなと思いましたし、最後の話はなかなか上手い作りになっているんじゃないだろうか。
今回なんだか後書きがいつもと違う感じで……。もしかしてこれがラスト、とか? 私としてはタギの子供達の話が読みたいのですが。
影の王国ピジョン・ブラッド                  集英社コバルト文庫  [bk1]→
ホラー・ファンタジー第一作。主人公・瞳は赤い月を見て以来、他の人には見えないものが見えるようになった。そしてクラスメイト・渡会月哉も明らかに今までと違った存在感を持つように見えた、というのが話の始まり。現代モノで、主人公が女子高生って、はじめてか?! シリーズものということだけれど、この巻は一応1話完結の形。話が大きくなりそう。月哉ひねてんなぁ(笑)
ピジョン・ブラッドがルビーの名前なのは有名。
影の王国2エスケープ・ゴート                集英社コバルト文庫  [bk1]→
ホラー・ファンタジー第二作。しかし……ホラー色が消えかかってる…。面白いんで別にいいかと思ってますが。
今回謎の転校生として名倉月留初登場。前半はつくづくいやみったらしいかもと思っていたが、正体がばれてからは……やっぱり「弟」タイプだなあという感じ。しかも……いじめて君の予感(笑)。表紙を見て「をう?!いきなりそうなっちゃうのか?!」と大いなる誤解。しかもオビのあおり文は「怪しい美貌の転校生!瞳の脳裏に不吉な予感が……。」だったもんだから、「どんな予感だ!」と(笑)
影の王国3・4ファントム・ペイン/ファントム・ペイン2   集英社コバルト文庫  [bk1]→/
第1部完結編。月側からの接触が多くなって、ついに白の王子も登場。しかもどうやら性格はひねてそうだ(笑)。こうしてみると、月留って真っ直ぐ育ってるほうなんだなあ、としみじみ。月の王もようやくその姿をあらわし始める。どうやらファーストフード店での男は彼のようですね。一瞬白の人かと思ったけど、言動からにじみ出る雰囲気が違う。
月哉の母と義父の馴れ初めについても明かされる。なかなか豪快な人だったのね……。月留を利用して張り巡らされた罠によって、月哉は影を奪われる。次巻から舞台は月へ。第1部完結だが、別に話がひと段落ついたわけではなく、かえってこれは生殺しか……?
影の王国5ブラインド・アレイ                 集英社コバルト文庫  [bk1]→
第二部スタート。もはや完璧にファンタジーである。読んだ限りでは、ここからが本番といった感じですな。舞台はついに月へ移ります。いろいろと重要人物が出てきて、謎は深まるばかり。どうやら瞳も半端じゃなく月でのことに絡んでるみたいで。うーん、伏線好きにはたまりませんな。
月哉はちょっと(笑)活躍したけど、やはり基本的には眠り姫。月留もそこそこにがんばってきて、いじめて君脱出でも目指しているのでしょうか?(笑)
影の王国6コッパー・ラスト                  集英社コバルト文庫  [bk1]→
第二部第二作。瞳は人見の修行のために神殿へと向かう。イヤルド、月留は相変わらず眠り姫(笑)な月哉を預けるため、ある場所へと向かう。今回は今まで全くといっていいほどわからなかった月の王個人についての様々なことがわかってくる。何やら百雷パパ は意外と情が深そう。人見の巫女について謎がまた出てきました。どうもただの特殊能力者じゃすまなそうです。うーん、話が大きくなりそうだ。
今回月留がストレスのために胃痛を訴えました(笑)。やはり……いじめて君。ある意味月留には一番幸せになってもらいたいかも。じゃなきゃ哀れだ。
影の王国7テイク・サンクチュアリ              集英社コバルト文庫  [bk1]→
第二部完結編。長らく眠り姫(笑)だった月哉がパタナによってついに肉体に戻されます。前回からようやくしゃべれるようになったうえ、記憶の戻ったパタナだけれど、なかなかいい感じである(ニヤリ)。まだまだ何かやってくれそうですねえこの人は。多分百雷がらみでしょうが。彼の心のNO.1はどう考えても父親ですし。
今回の話の目玉は、やはり瞳の母・マリについて明かされた事実でしょう。百雷の姪ということは……月哉たちと連理(=マリ)はいとこということで。もし瞳と月哉が結婚して子供が生まれたとしたら、母子ではとこ同士ということになってしまうという……あわわ。
読み終わって気づいたが、今回浅葉出番ナシ。謎は減るどころかますます増えて、どうもそろそろ佳境のようです。ラストのほう数行で大変なことになっちゃってるし。先が楽しみ。
影の王国8フリップ・サイド                  集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第3部。月から戻り、普通の生活へと戻った瞳と月哉。しかし、月哉の母・カヤティーザの指輪により、瞳は過去を夢見する。彼女と月の王との出会い、月哉を連れての地球への逃亡。もう月へ行くことはないと思いながらも、月に残った月留やまだ明かされていない過去の謎への思いが瞳にある決意をさせる。
前巻のラストでいきなり急展開でしたが、今回の話でその時生じた謎については……ほとんど解明されていません(笑)。月留のその後もお荷物様のその後もほとんどわからず。間奏というか、序章というか……とにかくそんな感じですね。話が大きく動くのは次からか。内容は百雷とカヤティーザの馴れ初め。そして普通の生活を取り戻しながらも月でのことが気になる二人。問題を残したままで普通の生活を送る二人のその違和感みたいなのがなんだか痛々しかった。
影の王国9フェールス・クラウン               集英社コバルト文庫  [bk1]→
白の王子・白藍が父王を殺し、月の王国に新たな王が誕生した。しかし、その時白藍を助けていたはずの月留が行方不明に。再び月に戻ってきた瞳と月哉は、イヤルド達と共に王宮に潜入し、囚われているはずの月留を救い出そうとする。
なんというかもう、表紙からして白藍さまさまな一冊(笑)。白藍はなんだかどんどんと破滅に向かっていく感じのような……。この人、最後まで生き残るだろうか。
しかし月留は本当に弟タイプだな。あのメンバーの中にいるともう、なんというかね……。そしてエピローグのところを読んでいてなんかアダルトな匂いを感じ取ったのは私だけだろうか……(笑)
今回はイラストが妙に良いです。チウリーのところはもちろんですけど、全体的にダル・シーの髪が触角のようにしか見えなかったり、イヤルドがどう見ても「犬」だったり(笑) そんなことばかりが気になる……。さて、次の巻でこそ「お荷物様」は復活するかな?。
影の王国10シャドウ・レイディズ               集英社コバルト文庫  [bk1]→
囚われた瞳は母・マリを救うために王に仕える人見の巫女になるように要求される。しかし、母が瞳にかけた暗示がそれを許さない。白藍はその事態に、巫女というものに疑問を抱く。その一方、瞳を取り戻そうとする月哉達、さらには生き帰った緋月(百雷)が行動に出る。だが、それらを全て操ろうとする死せる女たちがいた。
三日天下な白藍(笑)。いや、必死に愛情を求めた結果歪んでしまった可哀想な人なんだろうけれど。けど三日天下……(笑)。今まではっきりと姿を見せることのなかった人見の巫女たちがこれでもかというくらいに出てきています。そんでもってこれでもかというくらいに淀んでいる……こんなの周りにいたら気分悪くなるよ絶対。
瞳も月哉も真実を知らない状態で王宮にいるから、すごく頼りない……。やはり一番頼りになるのは百雷だねぇ♪ この人、現時点では一番頼りになる上に、一番悲劇の主人公っぽいし(笑)。
すっごい続きが(百雷が/笑)気になるところで終わってて、次が楽しみです。
影の王国11ダブル・ギャンビット               集英社コバルト文庫  [bk1]→
白藍を倒し、瞳を助け出した月哉達。王宮を脱出するが、白藍が連れて逃げた蘇芳を探し出すべく街中に潜伏。その月哉たちの前に現れた王宮の追っ手たちは、月哉に月の王に就くように告げる。王の不在の大きな不安が王宮中に広まる中、月哉はどう決断を下すのか。一方、復活した百雷は王宮へと向かう途中立ち寄った民家で、王宮の話を耳にする。
今回はラスト付近まで特に大きい展開と思えるものがなくって、ちょっと退屈でしたかなぁ。なんか、さして主人公たちに感じるものがなくなってきた感じです。なんだかなぁ。かなり青臭いっつうか。
そんな中、私を楽しませてくれるのはやはり百雷でしょうか。良いですねぇ、やはり。お子様たちとは違いますな、思いとか懐の深さが。この人が自分の息子と、大事な姪の娘を前にして一体どういった行動をとるのかがとても楽しみです。
もう一つ、今回楽しみなことが。ラストでの白妃。なんかもう「やっぱりねー」な展開(笑)。9巻ラストで漂っていた匂いはやはり……ねぇ。主人公たちの青さを補うかのように百雷と白妃が情の深さ、アダルトさを演出している……。しっかしなんかもー、血縁関係ぐちゃぐちゃだなぁ(笑)。
そんなわけで、百雷と白妃が楽しみ♪とだけ思いつつ、次巻で最終巻だそうです。「一晩待ってもらって良かったね、白妃」な展開でありますように(それだけか)。
影の王国12ブルー・ムーン                  集英社コバルト文庫  [bk1]→
月哉は王として王国の改革を進めていくが、そんな中瞳は巫女たちにさらわれてしまう。自分たちと同じ魂だけの存在にしようと巫女たちが動く中、百雷と連理は王宮の地下にいた。百雷たちは何をしようとしているのか、そしてそれに対し月哉波動決断を下すのか。
シリーズ最終巻。主人公たちの立場がないような気が。はっきりいっていいとこどりなのは、やはり百雷。このラストを簡単に説明するなら、「パパ、素敵……」でしょうか(笑)。大人の決断、大人の采配。巫女の部屋での百雷が格好よすぎです。この人、本当に「お父さん」だったなぁ。彼に対する月哉たちの認識がこれからの時の中で変改していくと嬉しいですね。
もう一つのポイント白妃。やはりおめでたでした。良かった良かった。百雷が白妃の首を折るにあたって、あの質問をしたのは誰の子かを確認するためだったのか……?
シリーズの途中から、主人公たちの幼さ、視野の狭さにが気になって仕方なくなってきたが、それは読む側の視点が物語の外側にいるからなんでしょうな。そう考えれば、まぁ主人公たちもあれで良かったかなと。ラストは、今まで12冊も費やしたにしては少々拍子抜けするものだったかもしれない。もう少し困難さ、悲壮さあたりの出てくる感じにしてくれればなぁという感じ。
外伝は未定とのこと。幾つかなおざりになっているポイントがありますが、そういった点すべてが外伝というかたちでカバーされてしまうというのに抵抗あり。それほど書く必要も感じないほうなのですが……。
影の王国十六夜異聞                     集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ短編集。月へ連れ去られ、再び地上へと戻ってきた少女・サツキ。偶然彼女と出会った、瞳と知り合う前の月哉は、サツキと親しくなる。月で出会った恋人を待つ彼女だが、月の扉が開いた時、現れたのは……。
影の王国シリーズ外伝といったところでしょうか。表題作以外は全て書き下ろし。珍しいんですが、全て月鬼が主役、といった感じ。最後の一編をのぞいては、結構どれもシリアスです。
純粋な力関係ではない意味での、月鬼と人間との哀しい運命の話、というやつなんだろうか。いっそ面白いくらいにこの影の王国シリーズでは何かを得るためには何かが犠牲になっているなぁと。表題作のほうもあらかじめ失われてたりしますしね。そこらへんは作者は意識してこの4編を書いたのかな。

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