| 榛 | 名 | し | お | り |
| マリアブランデンブルクの真珠 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 著者デビュー作。17世紀のドイツを舞台にした恋愛小説。世界史を学んだことのある人なら知っているでしょう、三十年戦争の頃が舞台になっています。 ドイツにいくつもの領邦国家が存在し、金印勅書によって有力な七人の選帝侯が神聖ローマ帝国皇帝を選出する権利を持っていた時代。この話は、ブランデンブルク選帝侯と、彼に父を殺された宰相の娘・マリアの物語。 純愛もので良い話なんだが、思わず「っくさー!!」と笑ってしまう私はもう純粋な気持ちで恋愛小説は読めないんだろう。しくしく(かといって、邪な気持ちで読んでいるわけではない)。安っぽくない、良い恋愛小説ですな。 |
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| マゼンダ色の黄昏マリア外伝 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 王家に嫁ぐ宿命にあるハプスブルグ家の娘・エルザ。恋に憧れるまだ幼い彼女は、しかし、姉の駆け落ちの悲しい結末に、ハプスブルグの女としての務めを全うしようと決意する。ハルバーシュタッドの老公爵のもとに嫁いだエルザを待っていたのは、侍女ユリア、そして初めての恋の相手となるフランツとの出会いだった。 著者デビュー作の「マリア」の続編……というよりは前編って感じかなぁ。親の世代の話だからさ。現在休刊の「Amie」に掲載された短編を長編に書き直したものだそう。……この話がどう短編になっていたのか気になるな。 マリアの父・クレプトがハプスブルグを見限ることが出来ずにいた理由の物語。フランツ=クレプト、エルザ=ハルバーシュタッド公爵夫人、ユリア=ネフードです。女性キャラがなんだかシビアで自立しているのに比べると騎士道精神まっしぐらな、エルザ曰く「分化遺産」なフランツが妙に青臭いなぁ(笑)。「マリア」と比べるとこの話「若い」感じがするぞ……。 この話で一気に株が上がったのがユリア(=ネフード)ですよねぇ♪ 「マリア」ではイラストがなかったからそれほどでもなかったが、今回はイラストつきでしかもこの健気さと強さ……めっちゃええ娘ではないですかぁ。こんな良い娘(しかも有能)を袖にするだなんてフランツは馬鹿者だ(笑)。 ラストで物語は「マリア」の冒頭に繋がります。時間軸にそって「マゼンダ〜」→「マリア」と読むとまた違った感じかもしれません。 |
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| 王女リーズテユーダー朝の青い瞳 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 著者の作品の中では一番気に入っている。イギリス絶対王朝の頂点に君臨し、スペインの無敵艦隊をも破ることとなるエリザベス一世の少女時代の物語。イギリスが大きな変化を遂げようとしていた時代に不幸な少女時代を送り、その才能を埋もれさせそうになっていたリーズが、護衛官・セシルとの出会いにより、女王への道を歩み始める。 今回はメインキャラのほとんどが実在の人物。リーズのお相手役のセシルも実在の人物ですし。彼のことはちょっと詳しい本を読めば書いてあったりします。どっちかというと、「エリザベス一世の寵臣・セシル親子」として載ってる事多いかな? セシルが政治面でのエリザベスの強力なパートナーであったことは間違いないようですが、二人について色恋沙汰があったということは書かれていないんですね。でもいろんなエピソードを考えると、そういうことがあっても不思議じゃないと思うんだけど。著者もそう思ってこの話ができたよう。セシルが死ぬまでエリザベスに仕えたというのも事実です。 セシルはキャラ人気投票で一位になりました。ラストの台詞がうけてたようですが、その時点での彼らの正確な年齢を計算してみると……いい年して何やってんだ、とつっこみたくなるので止めましょう(笑) |
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| テュロスの聖母アレクサンドロス伝奇・1 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 紀元前の地中海を舞台とした壮大なドラマ。壮大……だよなあ。この厚さで続きものだなんて。シリーズ名にもある通り、あの有名なアレクサンドロス大王の活躍した時代の物語。残念ながらこの間ではアレクスは登場しないが、それを不満と思わせないだけのドラマと、味のあるキャラクターが存在している。時代が時代なだけに詳しい資料が少ないためか、
作者の創作の部分も多い。けれど、その「真実のなかにばらまかれた空想」がとても面白い。 ヒロインの少女が結構ひどいめに遭うが、流されることなく立ち上がろうとする姿がこの作者の作品によくみられるが、今回もあり。ところで登場人物の年齢がいまいちよくわからん。 |
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| ミエザの深き眠りアレクサンドロス伝奇・2 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| シリーズ第二作。 舞台はフェニキアからマケドニアへ移ります。この巻でアレクスついに登場。でも、チラッと授業とか出でくる東方遠征とかの話から想像できるような、力強く自信にあふれた男というわけではありません。どうも、後書きによると、歴史資料や実際に息子を生んだ作者の「母親の勘」とかから生まれたようですね、このアレクスは。今回の話でサラの出自が明らかになり、物語に新たな流れを作る。 それにしても、オリムピアスは素晴らしく蛇。 ここまで蛇だといっそすがすがしいですねぇ。時代が時代なだけに、どこか歪んで胡散臭いものがある。サラ、リュシアスがそれぞれ前に進み出すまでの話かな? |
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| 碧きエーゲの恩寵アレクサンドロス伝奇・3 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| シリーズ第三作。前回ではご無沙汰だったハミルがメインの話。物語の舞台はロードス島。うーん、いろいろと有名だよなあ、この島の名前は。ロードス島の父のもとで生活していたハミルは冒険を求め、島を一人飛び出します。今はともかく、昔ならさして珍しいことでもないんでしょうな、こういうことは。一巻でひかれていたスカラベがらみの伏線についての話が中心となっている。しかし……男の子とは。まあ、この時代ってのは、いろいろとそういうことはアリな世の中だったんだろうけどねえ……。登場人物の関係は複雑になるばかりです。 相変わらず一気に読めて面白い。世界史を勉強した人とかは思わずニヤリとしたくなるようなこともちらほら。「サトラップ」とか「王の目・王の耳」なんて覚えさせられたなー |
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| 光と影のトラキアアレクサンドロス伝奇・4 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| シリーズ第四作。ああ、少女小説にしては相変わらず厚い。でも今回もすんなりとラストまで読めます。今回はタイトル通り、トラキアにかかわる話。ティナの率いる反乱軍が、マケドニアへ復讐戦を挑みます。それと平行して語られるのがハミルとアレクスの友好。しかし、お互いの立場から離れ離れにならざるを得ないことによって、アレクスは再び孤独を味わう。不憫なこだなあ、本当。戦いの中の回想シーンなどで、ティナやルデトの心情などが深く掘り下げられる。女の人で歴史物の戦争シーンとかをこうしっかり書けるのはすごいよな、とか思う。 ラストでナーザニンが大変なことになっている。次から次へと事件が絶えないなあ。後書きで毎回作者が作品の時代などについてのさまざまな意見を述べたり、学説を紹介しているが、これもなかなか面白いよー。興味のない人にはどうっていう物でもないだろうけど、興味がないよりは、あったほうが楽しみが増えていいと思うけどなあ。 |
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| 煌くヘルメスの下にアレクサンドロス伝奇・5 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| シリーズ第5作。オビに「地中海太古ロマン、いよいよクライマックス!」とか書いてあったから、ついに終わるのかと思ってしまった……。あと少し続くみたいです。しかし、クライマックスと言いたくなるほどこの巻ではいろんな事が起きる。さまざまな人の関係に大きな変化が起こった。やはり一番はティナとルデトでしょうな。タイトルからしても(ラストでわかりますが)今回の話のヤマは彼らでしょう。読み終わったあと、タイトルをみてしんみりしてしまった……。 リュシアス贔屓としてはあそこのシーンでは「ぎゃーっ!!」という感じでしたが……うう、次巻を待ちませう。いやあ、しかし本当に「ロマン」って感じだねえ、これは。 |
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| カルタゴの儚き花嫁アレクサンドロス伝奇・6 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| マケドニアとペルシアの最終決戦が近づくなか、右腕を失ったリュシアスはサラと共にカルタゴに逃れていた。葡萄園を買い取り、そこでひっそりと静かに暮らす二人のもとにカシモフは刺客を放つ。また、ハミルも乗っていた船がカルタゴに寄港。人々は思いもしなかったかたちで再会を果たす。しかし、フィリッポス二世の暗殺が、サラ達を再びマケドニアの騒乱の中へと引き戻すこととなる。 あ〜う〜(T_T)2巻連続でのメインキャラ死亡。しかも今回はついにあの人……。しかし、最後の最後まで結果としてはサラを助けたのだねぇ(しみじみ)。1巻の頃からの伏線もしかり生きてるし……。 ふぅ、このシリーズもあとは子供の無事の成長を願うのみだな。 |
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| フェニキア紫の伝説アレクサンドロス伝奇・7 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| リュシアスの忘れ形見リュシィを守り育てるサラとハミル。三人はオリムピアスの放つ刺客から逃れながら暮らしていた。一方アレクスは東征を開始。ついにテュロスへ攻め入ってきた。しかしその時、サラ達三人はテュロスへ戻ってきていたのだった。アレクスとハミルは戦場で合間見えることとなる。 つーいーにー、完結です。サラとハミルの最期は予想外でしたけど。メインだし、まさか……と思っていましたが、どう考えてもありゃ死んだよな。ある意味綺麗なラストだと思うので良いのですが。また、あのラストによってもう一人の(って言うか本来の?)主人公・アレクスのむなしい運命が際立っているのではないかと。 登場人物すべての物語が完結したわけではなく、このあといろいろ外伝とか書けそうだな〜。書いてくれないかなぁ、特に子供達の。リュシィ、レイア(おそらくこの二人一緒に育つだろう)、それにヘラクレス。面白いと思うけどなぁ。 リュシアスの忘れ形見リュシィ……まさかあんな子供になろうとは。しかしイラストを見た限りでは、サラとリュシアスの良いとこどりの別嬪さんなので心身ともに順調に成長すれば問題ナシでしょうな。 なかなかよいラストで、結構でございました♪ |
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| 薫風のフィレンツェ 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 没落貴族の家に生まれたミケランジェロ・ブオナローティーは、行政官の父に行政官になるように厳しく育てられてきた。しかし工房で作品を生み出すことに耐えがたい魅力を感じたミケルは、父の反対を押しきり、その世界へ跳びこんだ。紆余曲折をへて、豪華王・ロレンツォ・デ・メディチの庇護を受けることになり、メディチ家宮殿へ招かれたミケルは、天使の羽根を持った「少女」に出会うが、その人物はミケルに敵意の篭った視線を向ける。 榛名しおりの新シリーズ。シリーズ名とか、1とか2ってついていないのだけれど次巻からはタイトルどうするのであろうか。 それはさておき、今回の舞台は十五世紀イタリア。ルネッサンスの巨匠・ミケランジェロが主人公。行政官の息子ミケルがロレンツォ・デ・メディチに見出され最初の傑作を作り上げるあたりまでです。しかし今回は恋愛要素が妙に薄いです。どちらかというとなんかもっとこう、あやしい空気が(笑)。もしかして登場人物の大半が「それ」だったりとか? なんにしてもまずはジュリオがリフィアを敵視しつづけるかどうかでしょうか。ミケル特大級の鈍さであるし。 まだまだ未熟なために不安要素の多い二人がこれからどうなっていくのか。このシリーズもだいぶ長くなりそうな感じですね。さすがにミケルがジジイになるまで細かく書くとは思えんが(笑)。 この巻は序章的な感じがするので、これといって盛り上がりがあるとは思えないが、著者の今までの作品からするに、これからどんどん面白くなっていってくれると思うので、今後に結構期待。 なんにしてもレオナルドは腐れだ……。 |
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| 禁断のインノチェンティ薫風のフィレンツェ 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 自分のことを描きもせずに、ロレンツォの湯治先でリフィアを描きつづけるミケルに腹を立てたジュリオは、ミケルたちの後をつけ、リフィアのいる館に乗り込んで来てしまう。ミケルを一人占めする憎き恋敵であると思っていたはずのリフィアに、しかしジュリオはどうしようもなく惹かれてしまう。リフィアに結婚しようと言い出したジュリオに周りの人々は慌てる。若い三人が自分たちの恋に悩む中、彼等の日常を大きく変化させる事態が近付きつつあった。 シリーズ第2弾。リフィアに恋をしたジュリオを巡りひと波乱。そして病に侵されていたロレンツォがついに倒れる。 オリジナルキャラ・リフィアの出生の秘密が明らかになることによって、主人公たちの(特にジュリオの)恋は危険なものへとなってしまう。どうにもこれは悲劇の香りである。なんだかリフィア、長生きしそうにない感じがしてしまうなぁ、個人的に。ロレンツォが倒れ、護ってくれる者を失った三人は、周囲の人々の思惑に流されていってしまうことになるのでしょう。まだ幼いとも言える三人にこれからくると予想される事態はしんどいかもしれないぁ、見てる方としても。 いわゆる「許されない恋」が生まれ、それがどんどん不幸なことを引き寄せそうで怖いですな。この先幸せな展開があるというのはちょっと想像するのが難しいです。いままでの榛名作品とはちょっと違った「不幸さ」がある。 主人公については……今回特にいうことナシ(笑)。ぼくねんじーん。 |
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| 聖女殉教薫風のフィレンツェ 講談社X文庫ホワイトハート [bk1]→■ | ||
| 豪華王ロレンツォの死後、リフィアはヴィットリアという名でメディチ家に養女に迎えられ、社交界デヴューした。そしてミケルは、新たに当主となったピエロに愛想を尽かし、メディチ家を出ていこうと考えていた。そんな現状にジュリオは苛立ちを隠せない。そして三人の運命を大きく変えることになる、怪僧サヴォナローラの策略が動き出す。 「薫風のフィレンツェ」、取り敢えずの完結。完結と聞いて、「なんですと?」という感じでしたが……何せミケルが活躍といえるようなことを何もしていないもんだから。漫画なら「打ちきりか?」と言いたくなる感じでした。……取り敢えず続きが出るようではあるのだけれど、実際のところはどうだか。 どうにも生き残れなそうな雰囲気だったリフィアの問題を、取り急ぎ片付けたようです。ミケルの影が薄いのなんのって(笑)。それでいいのか主人公……。これは本当に続編を書かないと話のおさまりが悪いような。 リフィア救出のあたりはなかなか上手いか。というか、リフィアを主人公にしたほうが話は盛りあがったのではないだろうか。実際にミケランジェロの作った木像と絡めたエピソード、サヴォナローラの火刑どうの、のくだりが良い。こういったフィクションとノンフィクションの絡まった話というのは良いですね。 何となく物足りない感じがしたものの、楽しめた一作でした。続編も読みたいところです。 |
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