カスタム・チャイルド (電撃文庫)  [bk1] [Amazon]
カスタム・チャイルド bk1 友人からの電話に起こされ寝ぼけたままバスルームに向かった三嶋は、突然現れた少女に刃物を突きつけられた。マドカと名乗る少女は、三嶋の部屋に居ついてしまい、奇妙な同居生活が始まる。
遺伝子関連技術の異常進化により、新生児の容姿や性格のコントロールが一般化された社会で、異形の遺伝子改造中毒者や遺伝子変異者たちの集まるスラム知覚に生活する不真面目な大学生・三嶋が出会った少女マドカは、どこから来たのか。それが明らかになった時、二人は引き離されることになる。

読んでみて実際、目新しい設定があるわけでも予想外なストーリーが用意されているわけでもないのだけれど、なんか上手い。
三嶋とマドカの心情の経過にだけスポットをあてているからかなぁ。恋愛小説になっている、と思う。そしてハッピーエンド。
この二人のバランスがとても良いが、生活能力は恐らくない(笑) 
二人はきっと、面白いくらいに二人きりでは生きられない、幸せな人生を送りそうだ。そういう意味で、ほのぼのした。
2009年までの時点で既読の壁井作品では、たぶん一番好き。
キーリ死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)  [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 教会の寄宿学校に通う14歳のキーリは、霊が見えるために神の存在を信じず、また、霊とのかかわりのせいもあって周囲から浮いていた。長期休暇の初日、街に出たキーリは、そこで“不死人”の青年ハーヴェイと、霊のとりついた一台のラジオに出会う。勝手に彼について行くことにしたキーリは、さまざまな亡霊との出逢いと別れを繰り返し、ハーヴェイたちと心を通わせていく。

第9回電撃ゲーム小説対象・大賞受賞作。
ずば抜けたものはないが、上手いと思った一作。人の気持ちが前面に出てきており、それをくどくない程度に上手くまとめている印象。そのおかげか、基本ネガティブな要素ばかりが使われている作品だけど、読後は気持ちがよい。
個人的には、読んだ感じでは恋愛ものかなぁと。どうみてもらぶらぶだろこれは。
キーリU砂の上の白い航跡 (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 2 “不死人”のハーヴェイ、ラジオの憑依霊・兵長と旅を続ける少女・キーリ。約束どおり、砂の海を渡る船に乗ることにしたキーリだが、街中で動く人形を見掛け追いかけていくと、そこは一心不乱に作業を続けている店主のいる鍛冶屋だった。

シリーズ第二作目。教会から逃れたキーリ達は、砂の海を渡る船の上で再び騒動に巻き込まれる。
ハーヴェイがひとつ、親しみを持った場所を失い、キーリは自分の過去―母親に関する記憶を取り戻す。長編化の要素が出てきた。メインの三人もよいけれど、新たに一向に加わった右手のキャラもなかなかよい。
ラストでお互いに「相手にそばにいて欲しい」と感じ始めているようで、次が楽しみ。
キーリV惑星へ往く囚人たち (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 3 砂の海を渡る船を降り、炭鉱の町に住むことになったキーリたち。そこでアパートを借り、キーリはアルバイトを始めていた。ある日、キーリがいつものようにアルバイトに行こうとすると、それを狙ったように上階からフォークが落ちてきた。間一髪でハーヴェイが防ぐが、フォークの落ちてきた部屋を訪ねると、そこは空き部屋だった。一方、バイトで買出しに出たキーリは、帰り道に三輪バイクで人にぶつかってしまう。

1〜2巻は連作短編形式だったが、この巻からはどうも本格的に長編の形式になってきた様子。
キャラクターの内面にも変化が出てきており、とりあえず現時点ではハッピーエンドになりそうな気配はあるのだけれど、さて……? 新たな“不死人”も登場して、本格的にシリーズが展開か。
キーリW長い夜は深遠のほとりで (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 4 ハーヴェイが姿を消してから一年半、キーリは兵長、ベアトリクスと東サウスハウロで暮らしていた。ある日、ベアトリクスの情報筋から、キーリの出生に関する手がかりが見つかったと聞き、ノースハイロ方面へ出発する。かつて母がいたところへたどり着くキーリだが、そこでの情報がハーヴェイからもたらされたものだと知ると、ついに一人でハーヴェイを探すさびに出てしまう。

再会するなら劇的にプラスの方向に行かなきゃーとか思うのだが、どうも暗い方面へと進んでいっております。なんか不安。
キーリX・Yはじまりの白日の庭(上)(下) (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 5
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 6
ベアトリクスを探してウエスタベリにやってきたキーリたち。一行はハーヴェイの知り合いの興行団に身を寄せるが、ハーヴェイはなぜか一人で出かけてしまう。不満を募らせるキーリは、ある日、買出しに出かけた街で死んだはずのヨアヒムと遭遇。自分に何も話さないハーヴェイへの苛立ちから、キーリは真実知りたさに敵であるはずのヨアヒムのもとへ行く。しかし、トラブルに見舞われたキーリは、不思議な空間へと魂が入り込んでしまう。

ハーヴェイたちの過去がちらりと明かされる。こういった過去話というのは、ストーリー上非常においしいと思う。実際、同じ日を何度もやり直す、あの空間は読んでいて面白かったです。しかし、シリーズのメインの流れともうちょっと上手いことつなげられたらなぁとか思ったりする。どうも、全体のエピソードを繋げてみると、漠とした印象が残るばかりである。
キーリZ幽谷の風は吹きながら (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 7 ベアトリクスの行方を追い、教区境のバーに滞在しているキーリたち。ある日、ラジオの調子がおかしいことに気付き、修理屋に持ち込むと「そろそろ寿命かもしれない」といわれる。兵長を失いたくないキーリたちは、部品を求め、鉱山区へと旅たつ。同じく、ハーヴェイの<核>にも異変が。大切なものが失われることに不安を抱くキーリは、「ずっとこのままでいたい」と思い、その想いは不思議な車両へとキーリを導く。

大切なものを守りたい一心で、ハーヴェイを悲しませる一言を口にしてしまったキーリ。お互いを大事に思うのに、微妙なすれ違いを繰り返す。初めの頃より、キーリがわがままに見えるのは、それだか何かに執着するようになったからなんだとは思うが。
話とは関係ないが、このあたりからなんだかイラストが少し絵柄が気持ち悪い感じになってきて、読んでてつらいんだよなぁ。
キーリ[・\死者たちは荒野に永眠る(上)(下) (電撃文庫) [bk1] [Amazon]
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 8
オンライン書店ビーケーワン:キーリ 9
首都治安部隊に捕まったキーリたち。彼らは、教会の要職についているキーリの父親に会わせるという。自らの父が生きており、しかもハーヴェイ達の敵である教会の人間であることに混乱し、反発するキーリだが、ハーヴェイはキーリにまだ肉親がいるということを歓迎する。ショックを隠しきれないまま首都へ向かうキーリ。しかし、首都では出来損ないの“不死人”による騒動が待ち受けていた。首都の騒乱を収めることに自らの決着を見出したハーヴェイは、ぼろぼろの体で奔走するが……。

シリーズ最終話。このラスト、よかった、という意見も多いみたいだけれど、正直私としては気持ち悪い(-_-;)
おそらく、このシリーズを読み始めた時点から、私の中でのハッピーエンドは、キーリがハーヴェイを失った上で完成すると思っていた気がする。だから、ラストであの状態のハーヴェイがキーリと一緒にいるというのは、なんだか気持ちが悪い。多分そこに通い合う気持ちはあるのだろうけれど、うがった見方をすれば、キーリの自己満足の世界のような、終わりしか存在しないような。
まぁ、ある意味生々しいともいえるんだけど、せめて最後ぐらい未来を生きていける主人公を感じたかった。

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