ブギーポップは笑わない                     電撃文庫  [bk1]→
五つの話から成り立つ、一つの物語。同じ事でも、立場が違えば違って見える。最後まで真実を知ることのできない者もいる。時間のながれや場面のつなぎなどで、一種独特の雰囲気があるように思われる。普通ではないことが起こっているけれど、そこに漂っている、どこか「閉ざされた空間」といったような雰囲気とか、そういったものがよくある小説に描かれる”学校”よりもリアルな感じがする。
これは発売してすぐ買ったから、読んだのがちょうど高校生。ライフスタイルではなくその心理に共感したのだろうか? うーむ……。
第四話で宮下藤花が例のバッグを持っているのを読んでニヤリ。
ブギーポップ・リターンズVSイマジネーターPart1・Part2    電撃文庫  [bk1]→/
シリーズ第二作。事件の発端はある女生徒の飛び降り自殺。そう、前作でちょっと話題に上がってた飛び降りです。実際の物語の中の時間は、前作の少し後のよう。この話から「統和機構」が前面に出てくる。
閉鎖的で、無機質で、どこかいびつな雰囲気だが、そこがかえってリアルに感じさせられるのは相変わらず。(←わけわからん)これを読んで「洗脳」ってそんな特殊なことじゃないのかもね、と思った。うん。
前後編ではなくPart1,Part2ってなとこがミソ(笑) まだ続いてるのかもね。ところでPart2の表紙って誰?
ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」            電撃文庫  [bk1]→
未来を少しずつ知る能力を持った六人の少年たちが、世界を滅ぼす秘密を持った少女・キトと出会う。一見、中途半端な予知能力を持っただけの少年たちのようだが、それぞれについて触れて話を進めていくなか、それぞれの真実・心情などが出てくる。
ラストを読んで、冒頭の「パンドラ」の話を思い出し、そしてタイトルの「パンドラ」を思い出す。相変わらず後味すっきりとはいかないが、良い感じだ。非現実的なはずなんだけど、リアル。
……ところで、最近ブギーの出番が(笑)……。
ブギーポップ・オーバードライブ  歪曲王           電撃文庫  [bk1]→
シリーズ第四作。バレンタインデーに、高層建築を訪れた人々は暗闇のなかに閉じ込められてしまい、そして夢を見る。「歪曲王」が心に残ったままの痛みに再び向かい合わせ、乗り越えさせようとするわけだが、夢のなか(心の中?)のやり取りは、なんだか少し不安にさせられるような……。
今回の話には、第一作での関係者が大きくかかわっている。今回は時間を追って話が進んでいる。事件解決にかかった時間がわかる!(だからどーってんでもないが)
ブギーが笑った(イラスト付き)。第一作、第二作について、何が、どう「敵」であったのかをブギーが語っている。ちなみに私は第一作のほうは誤解していたようだ。
夜明けのブギーポップ                      電撃文庫  [bk1]→
短編集……となってはいるが、充分まとめて一つの話ともいえる。今までメインとして語られることのなかった霧間凪が大きくかかわった…気づかないうちに事件の中枢にいた話。「ブギーポップ」の名前に関する話、霧間誠一の死の真相についても明かされる。名脇役が多い。
末間和子が巻き込まれかけていた過去の猟奇殺人事件の真相もまた明かされる。各作品とのリンクが一番激しいかな? 心理面は結構豊かな作品かな、と思ったのだが、どんなもんだろう?
この話は、はじめと終わりの話から(いわゆるプロローグとエピローグ?)、ブギーが昔の出来事を語るという形をとっていることがわかる。その時点はどうやら「歪曲王」のあたりらしい。それにしても……ちびブギーかわいすぎだ!!
ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師       電撃文庫  [bk1]→
ブギーポップシリーズ第6作。今回の「主人公」は軌川十助。アイスクリームを作りつづけた彼の栄光と没落が書かれている。この話は、今までと違って視点がぽんぽんと変わることなく、十助一人を追う。何だか悲しい話だ。
今回もまた他作品とのリンクがすごい。ムチウチの心配された(笑)あの飛鳥井仁も再登場している。しかも何だか凪の世話になったようだな……。
何も知らずに利用され、ブギーポップにすら見逃された失敗作の彼は「行く先」はあるのだろうか?
ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵蝕         電撃文庫  [bk1]→
人の心にある卵。その殻を破り、眠れる才能・可能性を引き出すらしい謎の「エンブリオ」。殻を破りかけている卵を持った人に「エンブリオ」が感染する中、「最強」と「稲妻」の激突が起こる。ブギーポップシリーズ第7作。人の心に侵蝕する尋常ではない力を覚醒させる「エンブリオ」を巡っての物語。
相変わらずの独特の雰囲気で良い。今回も他作品とのリンクがある。榊原の「娘ができた」発言はおそらく「パンドラ」の彼女のことなんでしょうね。で、今回注目なのはリィ舞阪。今までの統和機構メンバーは「作り物」といった感じだったが、彼は一般で生活していて引き抜かれたとのこと。統和機構絡みの登場人物の中では彼は異色だ。正樹が間に割って入ったところで亨に向かっていったセリフとかもなん か良い。こう言うのも何か変かと思うが……人間くさいと思った。彼が求めている相手はきっと霧間誠一の定義する「最強」なのだろう。
この話はまだ完結していない。事件の結末は次作「エンブリオ炎上」へ。
ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生            電撃文庫  [bk1]→
人の中に眠る可能性を開花させるというエンブリオを巡っての闘いの中生じた「最強」と「イナズマ」の衝突。谷口正樹の捨て身の行動によって一度中断されたが、「イナズマ」は再び「最強」と闘うことを決意する。一方、エンブリオによって力を引き出された顕子は、エンブリオと共にある場所に身を隠していた。
エンブリオの能力、どっかで読んだ気がするなぁと思ったら……ここであの話とリンクですか。今回はいつもより(笑)ブギーが喋ってますね。この話はなかなか好きかな。いろんな意味でその「先」が気になりますな。「イナズマ」、リィとエンブリオ、そしてエンブリオにもブギーポップにも気付かれずに目覚めていた力。それぞれのその後がちょいと気になる。どれも後から絡んできそうな(笑)気が。リィと エンブリオのコンビ(?)は興味深いのですが。
ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド          電撃文庫  [bk1]→
統和機構に所属する14歳の紅連内朱巳は、母親役である合成人間ミセス・ロビンソンと、少年少女の生命が停められる――死んではおらず、かといって生きているとも言い難い状態について探っていた。そんな中、朱巳のクラスに復学してきたのは霧間凪だった。凪もまた、朱巳と同じ事件を追っていた。自然、二人の接触は避けられなかった。
ブギーポップシリーズ久しぶりの最新作。よく覚えてないけど、これってずいぶん前に電撃hpに載った読みきりと関係あるのかな?
今回は統和機構メンバーの視点から主に物語は語られていく。しかし朱巳は能力を持たないのに持っている振りをしている、というもの。同じく能力を持っている振りをしているということか、辻希美が同級生として再登場している。しかし嘘がばれた時に払わなければならない代償があまりにも二人は違う。朱巳の立場は本当に「ハード」なんだねぇ。
辻希美以外にも再登場キャラがいるのだが……はて、水乃星透子や穂波顕子ってこういうキャラクターだったっけかなぁ?? なんか違和感が……。
しかし朱巳はなかなか良いキャラクターです。能力を持たずに知性、冷静さ、そして嘘で生きていく朱巳がこの先どうなるのかが気になります。再登場して欲しいですね。ミセス・ロビンソンとの擬似親子関係もよかったです。シリーズのいろんな可能性や、何やらも示唆された感じの話。
しかしブギーの立場は(笑)
ブギーポップ・パラドックス ホーリィ&ゴースト        電撃文庫  [bk1]→
学校では普通に優等生、家では引きこもりをする少年・結城が優等生でも引きこもりでもない中途半端な時に、自転車を盗もうとしていた少女・濱田と出会ったことから世間を騒がす"ホーリィ&ゴースト"の一件が始まった。1台のスクーターを盗んだことから世界の敵「ロック・ボトム」に関わることになった二人はスリム・シェイプという謎の存在の指示のも と次々と犯罪を犯していく。
……なんかリリカル(違)。
どうにもこの作品の登場人物って、常に1歩手前にいるような印象を受ける。上手く言えんが、捕まえたと思った瞬間にはそれは過去のことになっていて、やっぱり1歩手前にいるような。捕まえた端から消えていっているけど妙な引力がある。少なからずこっちも引っ張られて進んでいるかのようなきもする。けど追いつけないから妙に悔しいんだけどさぁ。
今回の話はなかなか好きです。ここんとこ少々マンネリな感じがしないでもなかったんですが、良かったですねぇ。良く考えると、今回は統和機構というか合成人間があんま深く絡んできてない?あー、そこらへんも印象の違いに影響しているか……?
アンバランス。けれどなかなか倒れない。その妙なバランスと見え隠れする力が絶妙なシロモノです。
しかし、ふと宮下藤花自身の立場はどんなもんなのかと思ってしまった。彼女自身が深く関わるようなことは……ないか。ぬぅ。
ビートのディシプリン SIDE1[Exile]               電撃文庫  [bk1]→
鼓動を探知し、制御することのできる能力を持つ、統和機構の合成人間ピート・ビート。「最強」フォルテッシモから、「カーメン」という謎の存在の調査の仕事をまわされてしまったビートは、その調査の中、自分が鼓動を把握できない少女・浅倉朝子に出会う。何故鼓動を読めないのかを突きとめようと、ビートは朝子を監視することにした。しかし、ビー トの動きに、「カーメン」を知るらしき存在が不穏な動きを見せ始める。
ブギーポップが出てこないらしい。「ハートレス・レッド」に引き続いて(?)、統和機構サイドで話が進む。もう出てこないかも……と思っていたキャラも含め、実に様々なキャラが登場してきて、さながらファンサービスの一冊のような感じ。ただ、個人的に問題は、それぞれのキャラの接点だの、細かな設定などの記憶がかなりあやしいところなんだよな……(汗)。そういうところをきちんと確かめて読み 進めていきたい人は、既刊を脇に積んででも読んでみると良いでしょうな。
朝子を監視するために学校に通うビート……。本来そういうところに馴染みのない彼みたいな存在が、日常の中に入っていくところはなんだか妙に微笑ましい。試験勉強しちゃうし……。
ラストであんなことになってしまったビートが、これからどんな試練を乗り越え、どういった未来にたどりつくのか、続きが気になります。朝子の今後や、「提案者」の正体も気になるところですし。相変わらず安心して読めて面白かったです。そしていつものことですが、あとがきも良い。
冥王と獣のダンス                         電撃文庫  [bk1]→
未来の世界、特殊能力者「奇蹟使い」を戦力とする奇蹟軍と、機械兵器によって戦う枢機軍が果てのない戦争を続けていた。時代を変えようとある計画を実行する奇蹟使いのリスキー兄妹、少年兵士トモル・アド、そして戦場でトモルと出会った奇蹟使いの少女・夢幻。彼らの出会いはある大きな事態を引き起こすことになる。
「ブギーポップ」シリーズの上遠野浩平の新作。SFか? まぁ、ライトノベルとしてはこんなもんではないでしょうか。ところところでキャラたっている感じで、全体の雰囲気は別に嫌いではないんだが。ただ、トモルと夢幻の一目惚れはお粗末だなぁ……。いや、一目惚れが悪いんじゃないんだが、ほれ、一目惚れってーと、つまりある程度は劇的かつ「それらしい」雰囲気というものがあるもんだとねぇ……。 恋愛ものむいてないんだろうか。無理はしないほうが良いんではなかろうか。
「奇蹟」に関する設定とか概念とかは、ほとんど「ブギー」と同じようなもんではなかろうか。けど「ブギー」ほど痛々しさとか歪みの類がなくってつまらん。そんなにガツンとくる作品ではありませんでした。
殺竜事件 a case of dragonslayer               講談社ノベルス  [bk1]→
両軍が疲弊しきった戦争を調停するべく、ロミアザルスで停戦協定の準備が進んでいた。調停役を買って出た「国土のない帝国」と言われる通商連合・七海連合から派遣された戦地調停士・エドワーズ・シーズワークス・マークウィッスル(ED)、風の騎士・ヒースロウ・クリストフ、そしてカッタータから調停の場に立ち会うために派遣されたレーゼ・リスカッセ。三人は洞穴に住まうという竜に会いに行くが、洞穴の中では竜が刺殺されていた。このことは大きな問題とされ、三人は竜殺害の犯人を上げるべく内密に旅に出ることになる。

上遠野浩平ノベルスデビュー作ということで……うーん、微妙。これが上遠野浩平でなければそんなふうには思わなかったかもしれないな。
はじめの頃はレーゼの一人称がちょっと慣れないというか……最後のほうではそれほどでもなくなりましたが。何というか、ノベルスという舞台に立つには少々文章のレベルがつたないような気がするんですよねぇ。それでも「ブギー」くらいだったらまだ馴染んでいたんじゃないかという気も……。
で、ミステリ部分のことだが……う〜ん、少々お粗末な感じもしないでもない。「どうやって刺したか」の真相だけれど、それって最初に凶器を見た時点で血の付き具合とかでわからないものだろうかιうーん、うーん。
次回作があるらしいのでそちらで様子を見ませうか。
紫骸城事件 inside the apocalypse castle          講談社ノベルス  [bk1]→
リ・カーズとオリセ・クォルトの二人の魔女がかつて闘ったという紫骸城。それはリ・カーズがオリセ・クォルトと渡り合うために、エネルギーを集める装置として造ったものだった。現在は封印されている紫骸城で、5年に1度開催される「限界魔導決定会」。その大会の審判の任を与えられたフロス・フローレイド魔導大佐が紫骸城を訪れるが、その直後、前回優勝者が死体となって会場に出現。その後も次々と起こる変死事件を調査しようと、フローレイドは行動を開始することに。

「殺竜事件」と同じ世界での話。双子の戦地調停士・ミラル・キラルが登場……なんか思っていたほどアクの強いキャラではなかったような気が。やはりくるくる歌って踊るのはアレでしたが。
前作ではトリック(?)に難癖つけてましたが、今回の真相はまぁ良かったのではないでしょうか。個人的には結構面白い真相かなぁと。あとは読む個人個人が、魔法の存在する世界でのミステリということに馴染めるかによるのでしょうか。魔法の理屈どうこうではフェアではないかな? この話。
前作を読んでいないと微妙に人間関係のわからないところがあると言えますが、それほど大きいポイントではありません。とにかく無難に楽しめた作品かと。お気に入りキャラはU2Rでしょうか(笑)。
僕らは虚空に夜を視る                    徳間デュアル文庫  [bk1]→
普通の学生のはずの工藤兵吾は、景瀬という女生徒に手紙で呼び出された。しかし、その頃から兵吾は時々おかしな声を聴くようになり、考えもしなかった世界の現実を突きつけられ、虚空で戦争をするハメになった。

ん〜、SFですか。「冥王と獣のダンス」とも、「ブギー」の世界とも繋がっているみたいなんですが……一部遊んでんのか? とも思えるのだがね。
今まで、そしてこれからも自分が生きていくと思っていた世界が、実は機械により管理された夢の世界であり、本当の自分は虚空で人類のために闘うナイトウォッチャーのコアだった。そんな事を突きつけられた主人公が、両方の世界で戦いながら、両世界、そして敵・゛虚空牙"について考えたりと……。なかなか面白かったです。しかしそんな中でいちばん気に入っているのが兵吾がラーメンのことを考えているところなんですよねぇ(笑)。いちばん印象に残っているのがそこだったんだよ〜ιなんだか妙な説得力があった……。

この話で、「ブギー」シリーズとは無関係かと思われていた「冥王と獣のダンス」がやはり繋がっていたらしいことがわかる。"虚空牙"の言ってたのってつまりエコーズのことなんだろうからねぇ。で、「僕ら〜」と「冥王〜」は゛虚空牙゛が共通しているし。なんだかスケールでかくなっちまったような……
わたしは虚夢を月に聴く                   徳間デュアル文庫  [bk1]→
高校生の醒井弥生は、ある人がいなくなってしまったのだという。その人が存在していたという証拠は何もなく、誰もその人のことを覚えてはいない。弥生自身もその人の顔も名前も覚えていない。しかし確かにその人は存在していたのだという。弥生はその人のことを調べて欲しいと知人を介して探偵に頼み込むが、そのことから弥生のいる世界の真実に関わることに。
「僕らは虚空に夜を視る」と同じ世界観のもとに展開される物語。舞台となるのは、虚空牙との戦いにより多くのものが失われた結果残された限られた利権を、人間同士が争い合う月。そんな中、月に虚空牙による脅威が近付きつつある、という。

前作とはまた違う「夢の世界」でありますかね?妙ヶ谷幾乃の設定なんかが前と違うし。そうなるとほかにもまだ幾つかあるってことになるのか。
今回の話は読み終わってみると、結構切ない感じの話であった。舞台が月ってあたりもこの雰囲気に一役かってるんだろうなー。結局、夢を見ている生きた人間は彼女一人で、これからもそうやって夢を見つづけていくというのがなんかもぅねぇ……。
月でのキャラ、シーマスがなんだか良かったです。たった一人、月面を歩きつづけ、いつか「本」を書くために記録をとり続けるウサギ型ロボット。かなりお気に入り。シーマスが月面を歩き続け、彼女が夢を見つづける月、というのはやはり切ないイメージだなぁ。なんか妙に詩的。
さて、やはりブギーポップの世界と繋がっているこの世界、ラストの英字タイトル(?)からもわかるように「VSイマジネーター」とリンクしてますね。となれば「彼女」が何者かもわかってくるわけで……。相変わらずそこらへんは上手いなぁ。

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