おもいでエマノン                      徳間デュアル文庫  [bk1]→
ジーンズにナップザックを背負った、長い髪、わずかなそばかすを持つ少女・エマノン。彼女は地球に生命体が発生してから現在までのすべての記憶を持っていた。
もしかして絶版だったんでしょうか? なかなか書店では見かけませんでしたが、鶴田謙二イラストで再編集のうえ、文庫化となりました。
個人的には「おもいでエマノン」、「ゆきずりアムネジア」、「とまどいマクトゥーヴ」が好きでしょうか。「ゆきずり〜」はアレですね、エマノンの話自体は母から娘へというラインの上にあるのに対して、この話ではエマノンと出会った男たちのラインが見えたような感じです。さすらい続けるエマノンを探し続ける男たち……何てことだと、なんか良い感じ。「とまどい〜」はなんとも遣る瀬無い感じですね……。
なんだかセンチメンタリズムに溢れた感じの連作SFで、とても気に入ったですよ。
さすらいエマノン                      徳間デュアル文庫  [bk1]→
地球上に生命が誕生してから四十億年分の記憶を持つ少女・エマノン。長い髪、印象的な瞳とわずかなそばかす。ジーンズをはき、E・Nとイニシャルの入ったナップザックを背負い、エマノンは旅を続けていく。彼女が行く先々で出会う、様々な人の物語。5篇を収録した、連作SF短編集。1992年に出版されたものが初文庫化となりました。
シリーズ第2弾です。相変わらず良い感じですよ〜。今回の話は「さすらいビヒモス」と「あやかしホルネリア」、あと「いくたびザナハラード」が結構気に入りましたね。と言うか、今回の話はどれも気に入っているんだがね……。
「おもいで〜」では人と人の関わりが前面に出ていたように感じましたが、「さすらい〜」では人と自然のかかわり、見たいなのが出ているような気がしないでもない。「おもいで〜」はエマノン自身に深く関わる話もあったし仕方がないか?
エマノン見たいな女の子は格好いいですよねぇ。余計な飾りがない感じで、凄く良いです。
かりそめエマノン                      徳間デュアル文庫  [bk1]→
孤児として施設で幼い日を過ごし、荏口夫妻に引き取られ現在に至る荏口拓麻。容姿・頭脳に恵まれた拓麻は、施設に入る前のものと思われる、誰かと手を握り合っていたあやふやな記憶が気になっていた。また、常に脳裏にちらつく赤い点と不思議な能力に、拓麻は自分の出生への疑問を抱く。そんな時、知人から聞かされた「自分と良く似た少女」の話に、拓麻はそれが自分の双子の妹であると確信する。そしてついに拓麻は妹・エマノンと出会う。

エマノンシリーズ書下ろし中編。1世代に一人だけ子孫を残していくはずのエマノンに、例外的に生まれた双子の兄。エマノンにすらなぜ拓麻が生まれたのか説明できない存在。目の前につきつけられた自らの出生の真実に、拓麻は苦しむ。そんな拓麻も、最終的には自分なりの「生まれてきた理由」を見出し、それを達成したあとは人として満たされた生を送る。ただ、果たして「生まれてきた理由」というのが(真実かどうかはさておき)はっきりわかるというのは幸せなことなのだろうか。拓麻の場合は「なぜ生まれてきたかわからない」ということを告げられてしまったからなのか、それとも「本能」みたいな感じで定められていたからだろうか?
そして、拓麻に対し、自分の存在自体もわからないというエマノン。彼女にとって拓麻の存在はどれほどのものだったのだろうか。記憶を受け継ぎながら生き続けるエマノンニとって、かつて夫でも父でも、母でも自分でもなかった血縁者の存在はどんなものだったのか、気になります。ラストシーンを読んだかぎりでは、エマノンにとっても何か特別なものがあったという感じがしないでもないのですが……というか、そうあって欲しいです。

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