死神見習い修行中!                    角川ビーンズ文庫  [bk1]→
おじの借金のカタに、王貨5枚で身売りされてしまったフィン。彼はおじが持ってきた覚え書きの通り、ルナ・パークへと出向くが、そこから辿り着いた身売り先のマスターは、なんと「死神」だという。自らの身につけた処世術の通じない死神・サイプレスに取り敢えず弟子入りしたフィン。そこへ、マーリという死神志望の少女も乗り込んでくるものの、フィンと彼女の相性は最悪だった。
世にスレた少年の成長モノ、といえるか? 多分メインはそんなところでしょう。樹川作品のテンポの良さはあるけれど、全編ギャグってわけでもないので、そこそこ大人しめ。
少女の出会った死神は実は――というのは良くあるパターンだろう。ただ、どうもラストが消化不良な感がするのです。私の読みが足りないのか。サイプレスのこと、そしてフィンに起こったことの説明が欲しかったなぁ、とか、細々とした部分の話も聞きたがるのは不要なことでしょうか? 聞きたい……っつうか読みたいんだけど。
そういった部分を除いて、全体でみてみれば適度に楽しめ、ほのぼのできる話でしょう。フィンに本をもらった男の子のエピソードが、物語全体を「幸せな物語」にしているという印象だった。そういう点では非常に良い雰囲気の作品だった。
楽園の魔女たち〜賢者からの手紙〜              集英社コバルト文庫  [bk1]→
公認魔術師・エイザードの呼びかけに応え、虹の谷の「楽園」に集った4人の少女。彼女たちは魔術師になるべく、エイザードのもとで修行に励む……わけなんだが、4人の少女を含め、登場人物は奇人変人大集合!といった感じ(いや、ファリスはまともか……?)
この話では、4人が新米魔女になるまでが書かれている。登場人物にはいろいろと過去があるようで楽しみなのだが、なんといっても話のテンポが良いと思う。文体は真面目に馬鹿をやっている感じ。それがかえってツボにはまって笑える……。真面目な文と笑える文のバランスも良いし。一気に読める楽しい一冊♪
しかし、エイザード……「楽しい特技」って……オイ。
楽園の魔女たち〜とんでもない贈り物〜            集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第2作。今度は二本立て。サラの過去(?)が判明(チラッとだけど)する「夏の訪問者」と、4人が初めてのお仕事(といっていいよな…?)をする「とんでもない贈り物」の二本。
今回も相変わらずテンポがいい。でもシメるところではきちんとシメてる。この話は読んでて楽しい。エイザードが一番謎のあるキャラなのだろうが、どうにも影が薄いような、その存在をないがしろにされているような……気のせいかな? それと、サラ。骨格で血縁関係を確認するのはどうかね? 相変わらずキャラ立ってるわ。
後書きを読んで。「脊髄で書く」って…………反射?
楽園の魔女たち〜七日間だけの恋人〜             集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第3作。ファリス・トリエ受難の一冊。お題は「海賊と盲腸とホモ」だそうで(笑)。一体どんな話だよって感じですよねえ……。
弟にはめられ、代わりに訪れた港。ファリス(正確には弟のアルケイド)を待っていたアルフォイ家のフレイは、ファリスが女だと知ると、島に滞在する一週間の間だけ婚約者になってくれと言う。ダナティアだったら即断るんだろうけど、なんせファリスの性格だから……。
今回ファリスが家を出た理由もわかる。毎度ながらテンポのよい話だ。しかもだんだんその切れが増してないか? テンポの良さだけに頼らず、きちんとドラマもあるのでこのシリーズは良い。
フレイにはぜひとも再登場していただきたい。たとえ××でも(笑)
楽園の魔女たち〜銀砂のプリンセス〜              集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第4作。サブタイトルからもわかるように、今回はダナティアがメインの話。祖父の命令で外交の仕事をすることになったダナティアだが、アクシデントにみまわれ砂漠の民にとらわれてしまう。族長ヤトゥルVSダナティア(絡みとも言うらしい?)そして、巨大砂ナマコ(byダナティア)VS楽園の魔女たち、です。ドサクサにまぎれて4人は昇段します。
ヤトゥルって、今まで出てきた男性キャラの中で一番まともなよーな……。ダナティアもよくよく考えると一番常識あるわけだし。今回はカップリングは一番まともということか?
楽園の魔女たち〜ドラゴンズ・ヘッド〜              集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第5作。どこまでもひたすら哀れなまでに支部長どん受難の一冊。どこまでいっても彼は遊ばれるキャラなのか……? 「気弱なドラゴンと支部長どんのハートウォーミング・ストーリー」と言ったら、嘘ではないが嘘になるだろう(笑)
なんかエイザードがイラストでリニューアルしている。エイザードは今回はそれなりにしっかり働いているようです。しかし、メインは支部長どんのはずなんだが表紙がエイザードってのは……。どこまでも哀れな支部長どん……。今回は難しいこと考えずに彼の不幸を笑いましょう。
楽園の魔女たち〜この夜が明けるまで〜             集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第6作。「呪われた男」の呪いをとくために、エイザードは秘密兵器(笑)マリアを投入。……なんか間違ってないか? おじさんと甥の心の交流、そしてそのおじさんと近所のお姉さんの恋物語……の要素も一応入ってるんだけどねえ……。相変わらずのノリでガンガン飛ばしまくってます。今回はサラが良くしゃべる。がんばって殿下との絆を深めてくれ(笑)
この話でのドタバタは、まあ、孤独な少年にとって良い結果をもたらしたのだろうが。
エイザードが愕然と「寒い……」と呟いたのには笑った。確かに寒いよ、アレは(笑)。エイザードってなんか普通の兄ちゃんっぽいよなあ。
さて、最後に皆さん、リビドーについて考えて見ませう(笑)。サラ……(涙)
楽園の魔女たち〜スウィート・メモリーズ〜            集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第7作。短編集です。相変わらずテンポは良い。
「精霊の贈り物」
このシリーズでは珍しいタイプの話。4人娘にまったく関係のない話です。メルヘン(?)な一作。ところで旅の青年って、あの容姿の描写からすると……。
「ごくちゃんのしあわせ日記」
ごくちゃん、そしてサラについて深く考えずにはいられない一作(笑)。君たちは……。
「無邪気な聖母」
殿下神経すり減らしまくりの一作。殿下の母子関係の溝をつく!?裏タイトルは「失楽園のお師匠様」だそうで(笑)。しっかし女好きのくせに女性 アレルギーとはなあ。そうくるか。
「彼らの楽園」
<じじい年>のお話。なんかわけわからんがちゃんとラストではそれなりにじんとくるものがある。どこまで本気かわからん。
今回エイザードがなんか怖いーっ!!そんな静か(?)に怒らないでくれ……。
楽園の魔女たち〜大泥棒になる方法〜              集英社コバルト文庫  [bk1]→
今回はファリスと支部長さんが馬術競技大会へ向かう途中の町での事件。例によってファリスは何だか影が薄いし、支部長さんはわけわかんないけど、とにかく不幸そうだし(笑)。きっとすべては「へっぽこ限界」のせいなのでしょう。鬼だな、サラ。
今回の話は泥棒人情もの。そこらへんは……至って普通でシリアスなはずなんだが……まあ、このシリーズだし(笑)
相変わらず話のテンポがよくって、最後まで飽きずに読める。いやあ、笑える。
楽園の魔女たち〜課外授業のその後で〜            集英社コバルト文庫  [bk1]→
サラ・バーリン学校へ行く、「さすらいの臨時教師」編(笑)。丸々一冊、サラがメインの話です。どのキャラがメインでもこのリーズは面白いが、サラがメインになると半端じゃないですな。まじめに、ピントのずれた絶妙な言い回し。たまりませんな。
ある意味、一番シリアスな過去を持っているだろうサラの、その過去について新たな真実が明らかに。サラの心理面に深く迫る話(のはず)。ところで、「ミドリモの哀歌」と「ミジンコの円舞」はどのような詩で……。
なんとも胸郭の熱くなる話だ。
楽園の魔女たち〜不思議の国の女王様〜            集英社コバルト文庫  [bk1]→
シリーズ第10弾。エイザードが原因不明の病(?)で動けないため、代わりに仕事でイレインの街を訪れた4人の弟子とナハトール。連続髪切り魔事件を解決したかと思ったところを、何故かクマのぬいぐるみにさらわれてしまったナハトール。ナハトールはエイザードを呼び出すための餌らしいのだが……。
今回は娘さんたちよりエイザードとナハトールに重点を置いている感じですね。2人の過去がちらちらと。エイザードという人物を結構理解しているナハトールの視線から語られるとなかなかエイザードというキャラに深みがましますねぇ。ガキっぽいけど(笑)
再びサラが骨格で血縁関係を推測している……。それはそれですごいのだが……どうにも……(笑)。それと、笑いまくるエイザードはどうにかならんものなのか。「ラブリーっ」とか言ったときは本気でだめかと思った(笑)。かっ飛ばしすぎ。今回もなかなかじんとくることにはくる話なのだが……。
後書きで「ラストははっきりしている」とのこと。それって、4人がそれぞれ魔女として成長した上でエイザードが過去に決着をつけるってことなのかな? 楽しみだねぇ。
表紙のエイザード怖い。なんか極悪な……。
楽園の魔女たち〜薔薇の柩で眠れ〜               集英社コバルト文庫  [bk1]→
冬祭りを間近に控えた虹の谷の「楽園」に奇妙な荷物が着払いで送られてきた。しかも、どうもそれは棺桶のよう。とりあえず重しとして酢キャベツの壷を載せておいたが、それを押しのけて中から出てきたのは、悩める吸血鬼・デヴィアン・フロウだった。
ゲストキャラは一人ぼっちの健忘症吸血鬼。ラスト一歩手前ではえらいシリアスだったのに、ラストの対決シーンはなんだ(笑)。今回もしっかり笑えるなぁ。
んで、そんなゲストキャラの話をメインで追いながらも、エイザードについてのあれこれも少しずつ表面に現れてきているわけですが……能力や過去のことはさておき、あの親バカっぷりのグレードUPは……(笑)。「嫁に出すなんてゆるしません」までくるとはっ……笑っちゃうナハトールの気持ちがよくわかるよ。やはりこのシリーズのみどころはエイザードの変化かねぇ。
楽園の魔女たち〜ハッピー・アイランド〜             集英社コバルト文庫  [bk1]→
海辺にうちあげられたビンに入っていた手紙の一件を一任されたエイザードは、組織からの提案もあって四人の弟子を調査に出すことに。その手紙はどうやら「ドクター・カプラー」なる人物の島から流されたようであった。一方、不幸な探偵ルーファスもカプラーの病院に入院することになってしまう。
シリーズ第12弾。アヤシゲなサボテンを手に不幸な患者ばかりを診るマッド・ドクターが敵です。しかし何のためなのか意味不明。意味なくただひたすら突っ走るバカ話と言う感じです。
しかしそんな傍ら、エイザードの過去にまた一つ近くなるエピソードが。女がらみの過去が見えてきましたねぇ。なんかもう、本当、エイザーどの過去&今後に注目!! という感じなのであります。気になる〜。
それにしても今回の話では、ダナティアとごくちゃんにはやられましたな……(笑)。はっきり言って、「そんなんありかーっ!?」と叫びたくなりましたよ、本当。表紙イラストでその美少女っぷりを披露しているだけに……。
楽園の魔女たち〜星が落ちた日〜                集英社コバルト文庫  [bk1]→
いつもと変わらない、はずだった夜、「楽園」は謎の隕石落下に見舞われた。無残にも塔は崩れ、楽園一行はチャクン・ハリに留まることを組合から告げられる。師匠エイザードとの接触を禁じられ、また本部の人々に好奇の目&いやがらせを浴びせられる4人が出た行動は。そして楽園崩壊以来様子のおかしいエイザード。その理由とは?
シリーズ第13弾。さすがは13弾(←?)、不吉でシリアスです。この巻はまぁ、いろいろとショッキングな展開で……「おいおい、どうしたんだこの急展開は!?」と読んでる間中思ってましたよ。エイザードは鬱陶しいまでに減り込み、4人は今までになく嫌がらせをされ、楽園は崩れてどーしましょうな感じです。挙句の果てにはオールスターですしねぇ。ああ、フレイ再登場には万万歳ですな(笑)
この巻でメインキャラには大きな変化が。エイザードは記憶を取り戻し、楽園の魔女4人は事情あって独立をしてしまいます。しかし記憶の戻ったエイザード……思い出した記憶に関する記述を読み「あ、もしかしてシリアスな人?」(笑)と思ってしまった……。だって結局永遠の21歳だしさぁ。
ラスト付近のあのシーンは、エイザードは役得だなぁ、と思ってしまった。あんなことをしてもらっちまっては先代友人の妖怪ジジィどもに何言われても文句言えんでしょう
とにかくもう、次が気になりまくりで終わってます。ぜひ!! 売られたケンカを最後まで買ってやってくれ(笑)!!
シリアスだろーとなんだろーと、電車の中ではやはり読みたくない本だ(笑)。しかし「出る杭は打たれても出る」とは本当素晴らしい言葉だね。
楽園の魔女たち〜まちがいだらけの一週間〜          集英社コバルト文庫  [bk1]→
ローカイドの高級住宅街の空家(しかも幽霊屋敷)に「魔術師の館」を開業したサラ、ファリス、ダナティア、マリアたち楽園の4人。しかしお客がこないので倹約生活を送る日々。やっとお客がきたと思ったら、その少女は家出娘だったり。そんな中、サラが市場で露店ベースを確保してくる。そこに店を出張させ、お客を獲得しようとするが、やはり騒ぎが起こるのだった。
前作で怒涛の急展開を迎えたシリーズ、この巻からは新天地編だそうです。とはいえ、この巻もレギュラーキャラは全員登場。なかなか商売がうまく行かない4人が、どうにかしてお客を呼ぼうとする話、その他諸々(笑)。家出娘やサラのデート騒ぎもあり、なにかと賑やか。銀行強盗に遭遇したり、ブタ箱に放りこまれたりしているのだが、それでも日常な感じがしてしまうあたり恐ろしい……。
全体的にドタバタですが、今回もシリアスあり、しかも今回のシリアスなところはなかなか「えっ?」という感じである。特にナハトールのアレなんてびっくりであった。なんかかわいそーだ……。うーん、しかし複雑な気分、何か。再び楽園での擬似家族が始まればいいなーと、何となく叶いそうにない期待を抱きつつ。
箱のなかの海                         集英社コバルト文庫  [bk1]→
独身で建築家の風変わりなおじが、ある日雅之に年代ものの黒いラジオを譲ってくれた。夢中になりダイヤルを回していると、そこから不思議な物語が流れてきた。雅之のちょっとした日常と、妖怪ラジオから流れるメルヘン・ファンタジー。
連作短編です。書かれている雅之の日常も、ラジオから流れてくる物語も、特に何か派手なことがあるわけではないのですが、その日常と、それから想像力を刺激されたのかな? というような物語の組み合わせがなんだか良いです。特に後味の悪い話もありませんし、ちょっとひといきついてのんびりしたい時とかいかもしれません。
この話にいい味を出させているのはカズおじさんでしょうか。こういう子供の心をなくしていない大人(しかも微妙に枯れている/笑)ってのは、使いようによってはいいキャラになります。イラストで顔が描かれていないのがなんだかとても気になりますが……きっといい男に違いない(笑)
後書きの「常識のない梅の木」発言は笑えました。

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