| 霧 | 舎 | 巧 |
| ドッペルゲンガー宮《あかずの扉》研究会流氷館へ 講談社ノベルス [bk1]→■ | |||||
| 大学へ入学した二本松翔は、推理小説研究会を捜す中、「あかずの扉研究会」なるサークルの面々と出会う。推理小説研究会がすでになくなっていたこともあり、そのサークルの仲間に入った翔。その日ある高校教諭が、彼らに行方不明になった女子高生を探し出してくれという依頼を持ち込んできた。カケルたち研究会の面々が流氷館を訪れた時、そこではすでに奇妙な事件が発生していた。 第12回目フィスト賞受賞作。話自体は、ここ最近のミステリとしてはえらい普通な感じがいたします。まっとうに本格をやっているという感じでしょうか。そういう意味でも割合安心して読める部類か。トリックのほうも、館の件など大掛かりなトリックが結構楽しめました。この手のトリックっていうのは新本格とかだから楽しめるものだろうと思うので、これはこれで良かろうという感じです。 ただ、個人的に困ったのが、登場人物がちょっと受けつけ難いってところですねぇ……。特にユイがだめです。こういう娘、本当に読んでいてイライラするんですよ。このキャラが原因で何度か読むのが厭になりました。それと、後動と鳴海の二人ですか……。こういった話で探偵役には過去に重大な秘密が……っていうのある意味お約束の一つかもしれないのですが、こうも露骨にそれを示されると、「あー、はい」という感じで少々冷めてしまいます。最初は全くそれを匂わせないのだけれど、ある事件の時にそれが発覚する!? みたいなノリのほうが好きです。一作目からこう露骨に書かれていると、「これをエサに読者を釣ろうとしているのか?」と勘ぐりたくもなります。伏線かどうかわからないが、カケルが「高校卒業が二年送れた」というのをさらっと書いた、あのくらいの匂わし方で今後展開してくれたほうがしっくりきたのになぁ。 カケルとユイの関係も青臭く妙に薄っぺらい感じがしてアレなのですが、次でどうなるか、でしょうか。人物とかにしても。 |
| カレイドスコープ島《あかずの扉》研究会竹取島へ 講談社ノベルス [bk1]→■ | |||
| ゴールデンウィークを利用し、ユイの友人の出身地である八丈島沖の月島・竹取島を訪れた《あかずの扉》研究会の面々。古い因習がいまだ残る島では、4年に1度の祭りが執り行われようとしていた。そんな中、島の権力者達を騒がす窃盗予告、そして殺人事件。二転三転する自体に、メンバーたちはどうするのか。 シリーズ第2弾。今度は孤島モノ。本当にまっとうに本格ミステリをやってんなぁという感じ。それくらい……なんだけど(笑)。別に「こんなんダメダメ」とかいうのではなく、個人的にさして惹かれるところがないというレベルの話です。文章自体は一作目より読み易いかなとは思う。メインキャラもわりと落ち着いてきたような気がしないでもない……。後動と鳴海に関しては、一作目でコレくらいのネタばらし&感情表出にしておけばよかったのにと思った。二人の一作目の感情表出の具合は、私としては「人間臭さ」とは捉えられないものでしたから。とって付けたような感じで厭だった。今回の後動の「遅いよー」好きです(笑)。ユイは相変わらず厭です。 さて、トリック……時間の問題とかその辺はまぁ良いよねという感じなのですが、頂上の《鉄の壁》に少々無理を感じないでもない。そんなんで今まで本当になんの問題もなかったのかよ……?という疑問の嵐。 そして結局金本の出生はどういうことだったのでしょうか? 読み足りないだけですか? わからなかったっすー。てか金本えらい中途半端……。 |
| ラグナロク洞《あかずの扉》研究会影郎沼へ 講談社ノベルス [bk1]→■ |
| 鳴海雄一郎と二人で台風の近づく山村を訪れた二本松カケル。その村の中で沼に落ちた八十島という男性を助け、洞窟へと下りることになった二人は、土砂崩れによって閉じ込められてしまう。洞窟の中に居合わせた人々は、地上へと通じるエレベーターの中に村の少女の他殺体を発見する。洞窟の中に作られたホテル(?)で起きる殺人事件、そして現場に残されたダイイングメッセージの真相は。 「嵐の山荘モノ」だそうですが、どーも山荘って感じがしないなぁ。ほとんど地下だからだろうか。 うーん、こういう動機がかなり偏った宗教観によるものっていうのは、少々苦手だなぁ。というか、いくら閉鎖的な場所に居たとはいえ、学校なんかで長期村の外に出る機会も多かっただろう、比較的若い世代に人たちにもそこまで村の影郎様への信仰が根付くかっていうのがちと疑問。凄い選民思想だな。 ダイイングメッセージは……少々鬱陶しかったです(笑)。……そうなると館のトリックが1番すっきりしていましたね。あれだけ騒がしておいて、実に単純なものでした。けれど、一見複雑そうに見えていたものが、単純なトリックによって成立していた、というのは個人的に好きです。 相変わらずキャラクターに何かと不満を感じます。ユイは個人的にはダメということで取り敢えず放っておいて……咲さんの存在する必要性ってあるんでしょうか? いなくても大した問題ではないような。そして伏線は小出しで焦らして欲しいよ、やっぱ。 うーん……どこか「本格ミステリ」というよりは、「本格ミステリファンの書いたミステリ」という感じです。 |
| 図書館案内へ/ 図書館一階へ/ HOMEへ戻る |