少年検閲官 (東京創元社) [bk1] [Amazon]
少年検閲官 bk1 書物の所有が禁止され、もし隠し持っていることが判明すれば、隠し場所もろとも灰にされる。情報や教育はラジオによって検閲されたものを受け取るのが主で、若い世代は書物がどんな形をしているのかさえ良く知らない。
そんな世界を旅する英国人の少年クリスは、父から語り聞かされていた『ミステリ』を捜し求めていた。立ち寄った小さな町で、クリスは奇怪な事件に遭遇する。町中の家に残される赤い十字架のような印、首なし死体の目撃情報……それらを行っているのは『探偵』と呼ばれる存在だという。
やがて、町に『ミステリ』を検閲するために育てられた少年検閲官・エノが現れる。この一連の事件は、『ミステリ』の知識の記された『ガジェット』の所有者が引き起こしているのだと……。

書物がなく、また情報が検閲された結果、『ミステリ』や犯罪といった概念が人々にない世界で、『ミステリ』を知る少年らが人々に気付かれていない犯罪の謎に迫る。

バ、バカミス?(笑)
ラストの真相には正直ポカーンって感じだったが、「書物がない」→「紙に馴染みがない」って構図はなるほどな、と思った。確かにそうした伏線は用意されていたわけだし……。
悪ということについて目覚め始めたカナメが何だか印象に残った。
しかし、万能なラストにはホントびっくりだわ……。これはシリーズ続く……のかな?
踊るジョーカー 名探偵 音野順の事件簿 (東京創元社) [bk1] [Amazon]
踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿 bk1 謎を解き明かす類希な才能を持つ音野は、気弱で引きこもり。
彼の謎解きをもとに作品を書いている推理作家の白瀬は、彼の才能がもっと広く知られ賞賛されるべきと考え、自分の仕事場の一角に彼の探偵事務所を開いた。
泣き言を言う音野をなだめつつ、白瀬は事件現場へと連れて行くのだが。

かなりスレスレでバカミス感漂う一冊。表題作と「ゆきだるまが殺しにやってくる」は、バカの線上か一歩手前に存在していないだろうか。「時間泥棒」と「見えないダイイング・メッセージ」がしっくりきた私は、恐らく保守的な読者なのかもしれない(笑)

雰囲気が独特なんだが、何かおかしいよなー。「びっくりとがっかりの境界」という表現をネット上で見かけたが、成程だ。
気弱な名探偵は確かに珍しいが、ここまで来ると正直イラッとした。その分、お兄さんはいいです。あと白瀬は、家具を買う順番がおかしい。この作品にはツッコミキャラが必要ではないのか。
密室から黒猫を取り出す方法 名探偵 音野順の事件簿 (東京創元社) [bk1] [Amazon] 
密室から黒猫を取り出す方法 bk1 自分の完全犯罪に必要不可欠な密室が今完成しようというそのときに、中に入り込んでしまった黒猫。その黒猫のせいで証拠品も回収できなかった犯人。翌日死体が発見されるものの、なんとか自殺として処理されそうな様子だったが、そのホテルには別件で音野順が来ており……(表題作)
引きこもり&超弱気の名探偵・音野順の短編五本収録。

一番のバカミスは高校の音楽室で起きた事件の真相を探る『音楽は凶器じゃない』かと思われるが、結末が一味違っていたので単にバカミスとも言えず。
他のも、密室トリックは手堅いのに猫の救出方法が「なんでそこまで!」とバカミス寄りな表題作だったり、同じく密室トリックはコテコテな感じなのに、キャラが揃ってバカな感じの『クローズド・キャンドル』、よく推理できたなぁな『人喰いテレビ』と、なんだか凄く微妙なバランス感覚の作品ばかりと言った印象(笑)

前作でもそうだった気がするが、順の兄・音野要が良い。そして彼がメインで絡む一件『停電から夜明けまで』も良かったです。今回読んで気に入ったのはラスト二本かなぁ。

しっかし、音野もアレだが、白瀬も大概だと思うよ? お前のほうが自立しろと言いたい。

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