ウェディング・ドレス (講談社) [bk1] [Amazon] 
ウェディング・ドレス bk1 二人きりの挙式当日、婚約者ユウが事故死したと連絡を受けた祥子は病院に行こうとした途中、二人の男に連れ去られ、レイプされた。祥子はユウを、ユウは祥子を失い、事の真相を知ろうとする。二人の視点からそれぞれ語られる物語はどこかおかしい。誰が誰をなんのために騙しているのか? そしてAV作品に関わる殺人事件の犯人は。

第16回メフィスト賞受賞作。
こういうタイプのミステリだとなんかあるんだろうと前もって意識して読んじゃいますからね……。だからそれ程「あらびっくり!」とはならないんじゃないだろうか。まぁ、綺麗に二つの話がはまりましたし、文自体はわりと相性は良かったらしく、楽に読めました。
登場人物はなんだろう……いまいちなんかこう、パッとしないような。記号で変わりにしてもあんまり問題ないでしょうな。でもこれ別に心理面が重要な小説ではないか……。

で、一番の問題はトリックか?やっぱり(笑)。
いやはや、なんといいますか、これ……バカ、でしょうか、やはり(笑)。こ〜の〜密室トリック、推薦文で「爆笑のハウダニット」と言われてますが、確かにこりゃバカでしょう……そんなんアリかい。こりゃバカミスなのか?
次回作でどう出るか、楽しみでもあります。あははははは。
ペルソナ探偵 (講談社) [bk1] [Amazon] 
ペルソナ探偵 bk1 作家を志す6人の男女が集う<星の海☆チャットルーム>。彼らはハンドルネームに星の名を使い同人誌を作り、チャットルームで批評しあうといった活動をしていた。
お互いのプライベートは秘し、直接会うことなくいた彼ら。そんな彼らのメンバーが、日常の中である事件に出会い悩んだ末、チャットルームで相談をする。メンバーのリーダー・カストルはそれに対し……。

作中作の形式を取っているといえる。6人のメンバーの中の数人が、自分のいきあった事件をチャット上で相談し、そこで謎解きが行われる、という形式の短編があり、その短編間のインタールードによって、短編中では語られていないもう一つの事件が示される。それは、本書のラストにおいて明かされるメインの謎となる。
ネットを題材として選び、かつ「ペルソナ探偵」などというタイトルなんかがつけられていることを考えると、どうしても〔一人二役とかそういったもの〕に辿り着いてしまう。しかし、そこ以外――メンバーの書いた短編がラストの謎を解く手がかりになるのは上手いなぁと。いや、手がかりになるのはこの形式の作品ではバレバレでしょうが、そこがすっきりまとまっていて素直に「なるほど」と思ったわけで。

しかし、上手い具合にネット上での「カストル」のイメージと実物のカストルのイメージにずれが生じたような。トリックはわりと一般ウケするもののように思えるので、人には勧めやすいほうか。読みやすい作品。
硝子細工のマトリョーシカ (講談社ノベルス) [bk1] [Amazon] 
硝子細工のマトリョーシカ bk1 アイドルの後追い自殺をした弟を持つ森本晋太朗。彼の恋人は作家で女優の美内香織。彼女の原作・主演での生放送ドラマが放送されることになった。
しかし、本番中に毒物混入などの事件が発生する。急遽ストーリーの変更をするものの、ドラマはそのまま続行される。
「完全なる虚構」と「不完全な虚構」が交錯する中、事件の真相はどこにあるのか。

生放送のミステリドラマ内での謎、そしてそれを巻込む現実での謎。「完全なる虚構」、「不完全な虚構」、そして現実とが交錯する様は、まさにタイトルからも想像される入れ子細工。
読んでいる側からすると、その中から鍵を拾い上げていくのが楽しいんだよな。……そう、読んでいてなかなか楽しかったのです。そういう点から考えても個人的に満足な一作。「どこで自分はだまされているんだろう」と言う気分が持続して退屈せずに読めた。

「彼」の正体に関しては、「俺よりぎょうさん給料もらってるくせに」という表記で「おや?」と思ったあたりから気付きつつあったという感じ。間違ってもそんな稼ぎのある男が平凡とかいうふうにはならないよなぁと。だから、かなり疑いながら読み進めていた。

ミステリどうこうとしてだけではなく、一つの物語としてとても楽しめました。結構良い感じ。一言で言えば好み。

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