| <江國香織/川上弘美/滝沢竜彦/辻仁成/平野啓一郎> |
| 江 | 國 | 香 | 織 |
| 冷静と情熱のあいだ Rosso 角川書店 [bk1]→■ |
| ミラノで恋人と暮らすあおい。アンティークアンジェリーの店でパートをし、本を読み、バスタブに浸かる日々。人と深く関わることを避けるあおいは、かつて恋人だった順正との日々を思い出す。まだ恋人だった頃に交わした約束の日が近づくにつれ、その思い出はあおいを強く揺さぶるのだった。 辻仁成との共作恋愛小説。こちらは江國香織が女の視点から描く。完璧な恋人との生活を送るあおいが、忘れられない過去とのあいだで揺れ動き、ある未来へと向かう様が描かれている。「Rosso」では現在と過去が「冷静と情熱」にあたるのかな? これ一冊だと普通の恋愛小説なんだけど……「Blu」読んでる私は傍から見てたらさぞかし変だっただろう(笑) 2冊合わせると良い。「Rosso」ひと作品で見ると、ラストがすっきりしない感じ。少なくとも私が納得できるラストではない。あくまであおいの視点を第一に書かれてるからか? ただあおいがはっきりせずに感傷に浸ってるように感じてしまった。そういったところの感情を解さない人間なんだねと言われちまったらそれまでだが……。 個人的にはこっちを読んでから「Blu」を読むことをお勧めいたす。 |
| 川 | 上 | 弘 | 美 |
| 古道具 中野商店 (新潮社) [bk1] [Amazon] | |
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古道具屋「中野商店」を営む中野さん、その姉で中野さん曰く「ゲージュツ家」のマサヨさん、バイトのタケオと「わたし」ヒトミ。4人の過ごす中野商店には、古道具を買う人、売る人がそれなりに訪れ、それなりに繁盛している。 どこか個性的な人々の物語を、連作短編とした一冊。何だが「浮いた」人々と、その中で恋愛未満の関係を育てるタケオとヒトミ。ラストは嫌いじゃなかったのだけれど、どうにも雰囲気というか文が苦手な気がして仕方がない。 これはもう相性の問題だろうか……。 タケオとヒトミの関係は、これ以上は見ないほうが面白いと思う。そういう意味ではこの二人の関係はいい時期を描いているな。二人の「ズレ」がなんともたまらないのは確か。 いい話なんだけれど、読んだときはどうにも私と作品との温度差があって、あまり心地よさは感じなかったです。違うときに読めばばっちり相性良かったかもね。 |
| 滝 | 沢 | 竜 | 彦 |
| 辻 | 仁 | 成 |
| 冷静と情熱のあいだ Blu 角川書店 [bk1]→■ |
| フィレンツェで修復師として仕事をし、生活をしている順正。仕事に意欲も持ち、恋人と言える女性もいたが、今、このフィレンツェで順正を生かしているのはかつてあおいと交わした他愛もない約束だった。時がたつほど、順正の中でのあおいとの思い出は膨れ上がっていく。そして順正は近づく約束の日にすべてを賭けるかどうか思い悩む。 共作恋愛小説、辻版。男の視点からの物語。江國香織の原稿を受けて、こっちが仕上がっているようなので、「Blu」を読んでると、「あ、ここは!」とか「うわー、そうだったのか」などと読んでて思わずニヤリとするところがある。2冊合わせるとどちらの話にも「ニヤリ」とできてしまうんですよね 「Rosso」を先に読むことをお勧め。「Blu」の終わりがあれなので。「Rosso」のラストはちょっと「おいおい、本気でそれで終わるのか〜??」という感じでしたが、「Blu」の終わりはやはり「ニヤリ」。「Blu」の終わりがそのままこの2冊の終わりといった感じです。しかし本当、見えてなかった側面が見えてくるってのは面白いです |
| 平 | 野 | 啓 | 一 | 郎 |
| 日蝕 新潮社 |
| パリ大学で神学を学んでいたニコラは、学問的探求心からパリを発ち、リヨンへと向かった。そこでニコラは司教から、ある村へと向かうことを勧められた。その村には錬金術を研究している男が居ると言うのだった。 現役京大生が初の投稿小説で「新潮」の巻頭を飾り、なおかつ直木賞受賞ということで当時話題を呼んだ作品。で、感想なんだが…………いや、文壇ってのは良くわからん(笑) 悪いが、私には合わんなぁ……。 とにかく前半はかったるい。主人公が思いつくままに自らの宗教感を延々と語ってるし。つまりは「読ませる文」として洗練されていない独白っぽい文で。とにかくそのあたりがしんどい。宗教に興味、知識がほとんどないとなおさらだろうなぁ。後半も前半に比べるとだいぶ良いのだろうけど、いまいち理解不能ι 下手したらアレだな、「だから何?」という感想に終わりかねん作品だ。 漢字とか文体とかで妖しげな雰囲気とかが上手く出てるとは思うのだけれど、はっきり言って内容はどえらく対象となる読者層を限っている作品では? この作品が素晴らしいと思った人はどのあたりをそう思ったのかなぁ。 |
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