雪密室NEW! (講談社文庫)  [bk1] [Amazon]
雪密室 bk1 法月警視のもとに届いた招待状。信州の山荘へと招待されるが、そこに招待客が集った夜、招待主である篠塚真棹が首吊り死体となって発見される。死体が発見された建物の周囲は雪一色、犯人らしき人物の足跡もなく、鍵もかかっていた。
自殺と警察が下す判断に、法月警視は異を唱える。真棹の正体を知る警視には、彼女が自殺をするわけがないと思えたからだ。雪の密室を崩すべく、警視は息子の綸太郎に相談するが――。

法月綸太郎の長編第一作――にして初登場。
なのだが。
まるで警視が主人公だ。短編でも思ったけれど、お父さん良すぎるわー。親子セットであるべきですね、これは。
さて、雪の密室とかはオーソドックスなものと思われるが、話全体に占める割合としては法月親子と死んだ警視の妻、そして警視を山荘に送り込んだ何者かとの因縁、だろうか。なかなか重く、そのせいでより警視がカッコいい……。

結局のところ、親子関係に関してはビミョーに濁しながらもアレだけど……重いオチをとっても私としてはアリだったかもと思っています。
あとがきでの著者の悩みっぷりも凄いです。
法月綸太郎の冒険 (講談社)  [bk1] [Amazon]
法月綸太郎の冒険 bk1 死刑執行当日に殺された死刑囚。何故このタイミングで? 内内の協力要請に現場を訪れた法月親子。現場にいた関係者の行動など詳しく調べ、綸太郎は犯人を割り出そうとする(『死刑囚パズル』)
法月親子の親戚一家で起きた毒殺事件。疑いをかけられているのは小学生の一家の息子。そんなはずはないと思いつつも、状況は少年が犯人である可能性を示しており……(『黒衣の家』)
同居していた女性を殺し、その遺体を食べた学生時代の友人。遺体を食べたその理由に一つの答えを出した綸太郎は、その正しさを確認するため、ある人物と話をしに行くが……(『カニバリズム小論』)
綸太郎と司書・沢田穂波のコンビが図書館に絡んで起きる事件を追う図書館シリーズ4本もあわせ、計7本収録の短編集。

穂波が絡むと綸太郎のキャラが変わる……。

図書館シリーズよりは、前半に収録されている三作品が好みだった。特に『カニバリズム小論』かなぁ。『黒衣の家』はオチが好き。『死刑囚パズル』は少々力技な印象もあるが、オイディプスのくだりも効いてて良い感じ。

個人的には、ワトソン役としては穂波より法月警視が好き。なので、後半ちょっとしょんぼりした。
しかし、図書館シリーズの『土曜日の本』の楽屋オチというか、綸太郎の世俗にまみれている感じが凄い。
コミケの話をする新本格の名探偵て……(笑)
法月綸太郎の新冒険 (講談社)  [bk1]  [Amazon]
法月綸太郎の新冒険 bk1 綸太郎と穂波の乗った新幹線の前の席で、毒によって男が死亡する。男の妻の発言から、男が浮気相手と心中したとの説が上がるが……(『背信の交点』)
情報提供者の元に行こうとする葛城警部は、その途中女の飛び降り自殺に遭遇、間一髪で飛び降りを阻止するが、その女はある人物の殺害を告白しており……(『身投げ女のブルース』)
交換殺人を持ちかけられたというサラリーマン。その証言によりある男を指名手配しようと法月警視はしていたが、綸太郎はそれに意義を示した(『リターン・ザ・ギフト』)
全5本収録の短編集。

久しぶりに読むと、「あれー? 綸太郎ってこんなキャラだっけ?」と思わなくもない。結構軽い? 好みで言えばお父さんのキャラのほうが好きかも。

パズラーな各作品は楽しめました。
しかし、一番好みなのは『身投げ女のブルース」であった。ほか、『現場から生中継』『リターン・ザ・ギフト』も好みの話だった。犯人を嵌めて自供せざるを得なくするのはあまり好みではないのだけど。
法月綸太郎の功績 (講談社)  [bk1] [Amazon]
法月綸太郎の功績 bk1 自殺予告の電話をかけたOLが、自室で頸を吊った上体で発見される。しかし、死因は後頭部の打撲。真犯人が行った工作の意図は。(『縊心伝心』)
他、ダイイングメッセージものの『イコールYの悲劇』、密室ものの『中国蝸牛の謎』、『都市伝説パズル』、『ABCD包囲網』を収録。

収録されている作品の中では、『都市伝説パズル』が一番お気に入り。シンプルなつくりだが、かえってそれが良い味を出しているように思えた。読んでいる側も自然と真相に辿り着く確率が高く、そういう意味でも楽しみやすいかも。都市伝説という素材も良かったかな。

『ABCD包囲網』に関しては、アンソロジー『「ABC」殺人事件』でコメント済み→
この作品も好みでしたね。

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