荒野 12歳、ぼくの小さな黒猫ちゃん (文春文庫)  [bk1] [Amazon]
蜉蝣みたいな恋愛小説化の父を持つ山野内荒野は、中学校入学の日、通学電車で見知らぬ少年に助けられる。しかし、父親の再婚により荒野の環境は一変。荒野にはわからない“恋”で周囲が変わっていく。

12歳でこれは、なんとなくえろくないですか。
中一にはアダルトすぎる初恋ですよぅ……。最初がこれで、あとどうなるんだ。やっぱり育った環境がアレなのかしらん、とどきどき。
荒野 14歳 勝ち猫、負け猫 (文春文庫)  [bk1] [Amazon]
悠也はアメリカに渡り、進級した荒野は変わり行くクラスメイトや義母の妊娠を契機に覗き見た「大人」の世界に恐れおののく。初恋を経ていながらも、自分をめぐる恋に思いもよらぬ荒野は……。

13歳〜14歳の男の恋情ってこんなに暗くて重いものだったのだろうか。阿木という中学生の想いが、異様な危うさに思えた。荒野喰われちゃうと思った……。

この巻は、いろいろ暗い方向に危うい。蓉子さんもそのバランスがヤバい印象で、ちゃんと子供生まれてくるのかと不安になった。思春期にこんな危うさの中に身を置くことになった荒野って……。
そんな中、妙に和んだのは荒野の父か。なんかこの人愉快。親バカで。あからさまに項垂れたり、編集者とさり気に娘自慢でケンカしたり。こりゃ女は振り回されるわ……。
荒野 16歳 恋知らぬ猫のふり (文春文庫)  [bk1] [Amazon]
妹・鐘が誕生し、父は文学賞受賞。にぎやかに慌しくなった家の中で、荒野は少しずつ少女から変化を遂げていく。
再び自由に振舞いだす父、「女」を眠らせ、そして再び目覚めさせた義母・蓉子。その渦中に身を置いた荒野は……。

バランスを変える山野内家。長い目で見てみると、要は親世代の衰えと、大人にかわり「女」としての家庭内での存在感と支配力を増していく荒野、というものがある。
「男」「女」から遠ざかる親に代わり、荒野が「女」として家を支配する「目」になった――蓉子から荒野へ、世代交代が行われたのか。一人の「女」が生まれる過程が見えた。
この変化はゆるやかながらも鮮烈な印象を受けた。
そして悠也はかわいいのぅ。これは転がされてしまいそう、荒野に。

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