黄昏色の詠使い イブは夜明けに微笑んで (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 イブは夜明けに微笑んで 赤・青・黄・緑・白の五色を基本に、呼びたいものと同じ色の触媒(カタリスト)を介し、名前を賛美し、詠うことで招き寄せる「名詠式」。その専修学校に通うクルーエルは、年下の転校生で、存在しないはずの夜色名詠を学ぶというネイトに興味を抱く。伝説的な存在となっている虹色名詠士・カインツが訪れ、学園中の生徒が浮き足立つ中、学園では競演会(コンクール)が行われることに。多くの生徒が自らの技に磨きをかける中、クルーエルは名詠に向き合う自分の姿勢に迷いを抱くが……。

第18回ファンタジア長編小説大賞佳作。

面白かった。クルーエルの心理は良く描かれていたと思います。
個人的には、イヴマリーとカインツの関係が身悶えするほど見事にツボです(笑) 想い合っていても、二度度重なることのない二人の道……ってやつですな。
ラストの戦闘シーンがかなりご都合主義的な展開だったことを除けば、かなり楽しめた。クルーエルはともかく、カインツとネイト、二人とも力を発揮してしまうというのは少々やりすぎでは。どちらかが力を出し切れず、決意を新たに先へ進もうとする、とかの方が好みかなぁ。
次がでれば読もう、と思えた一冊。
奏でる少女の道行きは黄昏色の詠使いU (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 奏でる少女の道行きは 心に思い描いた世界を招き寄せる召喚術・名詠式。その専修学校トレミア・アカデミーの夏期移動教室。それに同行した教師の一部には、近くに存在する研究所の調査という、別の任務が課せられていた。向かった先では謎の石化事件が発生しており、灰色の名詠生物が待ち受けていた。
事件に巻き込まれることになってしまったネイトとクラスメイトの少女・エイダ。彼女は実は名詠士ならざる才能を秘めていたが、その力を使うことにためらいを持ち続けており――。

シリーズ第二弾。
クルーエルとネイトの同級生・エイダがメインに。名詠生物を還す祓名民(ジルシエ)の類稀なる才能を持ちながらも、その道を否定するエイダだが、遭遇した事件を通し、それと向かい合わざるを得なくなる。一方、赤の真精を呼び出して以来異様に高まった己の力に、恐れを抱き続けているクルーエルもまた、進む道に迷う。

前巻で調子のいい展開をしてしまったところを修正するには、正直、クルーエルの葛藤で一冊とるべきだったのではないかという気が。クルーエルの内面の揺れが、そんなに前面に出てきていないので。この巻のアレだけの展開で、クルーエルが力へのためらいを克服してしまったのだとしたら、少々まずい気がする。もっと思い悩む主人公プリーズ。
今後の展開でそのあたりカバーして行ってくれると良いな、と期待。
アマデウスの詩、謳え敗者の王黄昏色の詠使いV (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 アマデウスの詩、謳え敗者の王 人を石化する灰色名詠の使い手の出現、そして、人工触媒の<孵石(エッグ)>の存在に、名詠士と有識者たちが動き出す。しかし、謎の灰色名詠の魔の手は、すでにトレミア・アカデミーに迫っていた。
一方、ついにその能力を教師たちに知られることとなったクルーエル。あまりにも突出したその力に、教師たちは驚愕する。クルーエル自身は、自らの名詠がどれほど特異なものかも知らず――。

学園に侵入した「名も無き敗者」と自称する、灰色名詠の使い手と退治することになったクルーエルたちだが、ミオを人質にとられ、苦戦を強いられる。そこでクルーエルが講じた策は、ネイトの力を必要とするものだった。

シリーズ第三弾。
物語の中心が、クルーエルとネイトになっていく。クルーエルの存在の特異さ、謎が前面に出始めている。何よりも、彼女の感覚が他のキャラたちからしてみると異様な領域に達してきている。ラストでカインツがめぐり合った人物のこともあるし、単に「才能に恵まれたヒロイン」から、「存在の謎を持つヒロイン」(しかも黒風味)となり、面白くなってきたか。
ネイトよりも、クルーエルのほうが異端の可能性もちらつき、なんか主人公二人は今後、辛い展開もありそう。
踊る世界、イヴの調律黄昏色の詠使いW (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 踊る世界、イブの調律 孤島でカインツの前に姿を現した、クルーエルの面影を宿した少女。アマリリスと名乗った少女は、カインツに「あなたを待っていた」と告げる。
一方、クルーエルは灰色名詠の真精襲撃後、体調を崩しがちになる。ついに高熱を出し、昏倒するクルーエル。時を同じくして、調査のためにトレミア・アカデミーを訪れた<イ短調>のティンカ、ルーファの二人。エイダに頼まれ、クルーエルの容態を診たティンカは、彼女の存在に違和感を感じた。

シリーズ第四弾。
昏倒するクルーエル、そしてトレミア・アカデミー……いや、クルーエルのもとに集まる謎の存在たち。彼女を守るために奮闘するネイトだが、その力は余りに小さい。

一気に話が動いたが、おっつくの大変かも(笑) 新キャラ、新設定が続々で、理解が追いつくのが大変かもなぁ。単語も長いしね……。キャラクター紹介をもう少し充実してもらえると、ありがたいかも。
クルーエルがどうなるのか、ハラハラしたまま次巻へ続く……のですね。この巻では、とにかく新たな謎がばら撒かれたという感じです。大風呂敷、たたんでくださいね……。
少し気になる点といえば、展開のシリアスさに反して、会話文の軽さ、ですかね。要所要所で使わないとメリハリにもならないと思うのだけれど。
さて、小姑の存在に、ネイト、一発逆転なるか?
全ての歌を夢見る子供たち黄昏色の詠使いX (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 全ての歌を夢見る子供たち 意識不明のクルーエルを前に、己の無力さに打ちひしがれるネイト。彼女のために何かしたいと思いながらも、何もできずにクルーエルはケルベルク研究所へ治療のために移送される。そのクルーエルは、深い意識の底で、空白名詠の真精・アマリリスと対峙し、その執拗な言葉に苦しまされていた。

夜色と空白の二つの名詠が敗者の王を退ける。これにて第一部完、だが。

とりあえず、謎を残しつつもひと段落。その展開は予定調和だ。それはそれでまぁ、といった感じだが、どうも丸く治めようとするあまり展開が薄っぺらくなってしまっている気がする。それも全て、読みながら「そんなうまくことが進むわけねーじゃん」とか可愛げのない思考回路をフル活動させている私のせいだろう(笑) みんないい人過ぎないか、とかな。
そういうことだ。
予定調和、大団円、幸せな結末。そういったものを受け入れられない人には生理的に無理なシリーズかもしれない。その辺割り切って読めば面白い。個人的には、カインツとイヴマリーが近付きたくても近づけない、みたいなこのシリーズの中において数少ない、「どうしようもない関係」みたいなものを描いてくれれば、と思うのだ。
そしてシャオの福音来たり黄昏色の詠使いY (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
bk1 そしてシャオの福音来たり クルーエル、ネイトたちのトレミア・アカデミーでの日々を描いた短編+第二章への序曲。

うーん……。
作者が前巻で言っていたほど6巻としての体裁は取れていないとも思われ。下手に6巻としてしまったがために、他の5冊とのクオリティの差が顕著。5巻と7巻を繋ぐ役目としてもあれだけのページでは少々不満かなぁ。
作品としては、イヴマリーとカインツの話がダントツではないかと。第二章序曲部分は、あの分量じゃあ、少々同人的な雰囲気が否めない。まだ5巻のラストに収録したほうが良かったような気がしないでもない。残念。
正直、あまり印象に残らない一冊です。
新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ黄昏色の詠使Z (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ 凱旋都市エンジュで行われる新種触媒(カタリスト)の披露会。どうやらその触媒は<孵石>の中に入っていたものと同種らしいという情報が入り、<イ短調>サリナルヴァからの依頼でエンジュへと向かい、披露会に出席することになったネイトたち。しかし、同じく空白名詠の使い手・シャオの一行もまた、エンジュへ向かっていた。
クルーエルの、空白名詠の謎が大きく動き出そうとしていた。

第二部スタート。

正直読むのやめようかと思っていたところだったのだが、これは面白かったかな?
雰囲気だけで置いてけぼりを食らうことがあったが、割とわかりやすい展開を迎えてくれた……というかなんというか。
この濃度で以降も進んでいってくれればと思うところ。空中分解しないで……!!
新キャラも良いですね。ただし、増やしすぎないでくれるといいな。登場人物紹介ページあまり意味ないから。
百億の星にリリスは祈り黄昏色の詠使[ (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
百億の星にリリスは祈り bk1 夜の競闘宮で対峙するネイトとシャオ、ネシリスとファウマ、エイダとアルヴィル、レファスとテシエラ。そこで語られる名詠式の真実。その誕生と目的、そしてクルーエルという存在についての衝撃の事実。
全てを知った上で、それぞれが決断を下す。

怒涛の情報量……。クルーエルについても、一度は回避されたかに見えた残酷な可能性が決定的なものになってしまった。名詠式についてもその真実がこれでもかというくらい明らかにされる――――んが(鼻濁音)。難しいよ!!
あまり頭を使う設定は疲れますよ(笑) もう、そのへん無視してざっくり読んでも楽しめるように書いてくれれば文句言いませんよ。
少々気になるのは、一方的に情報が開示されたことだよなぁ。あまりにも到達しているレベルが違いすぎるね、ネイト側とシャオ側じゃあ。

あと一冊で第二部完結らしいけど、後どれくらい続けるのか。あまり長くすると空中分解しそうなんだが。
あと、こうも良い子すぎるとムカつきます。これは非常に個人的な意見。歪んでてスマン。
ソフィア、詠と絆と涙を抱いて黄昏色の詠使\ (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
ソフィア、詠と絆と涙を抱いて bk1 クルーエルという存在についての秘密が明かされ、その運命を左右するミクヴァ鱗片を巡る戦いは続いていた。クルーエルを救うため、シャオと対峙するネイト。しかし、ミクヴァ鱗片が変化を起こす。再び起きようとしている“風の砕けた日"。それを防ぐための方法は一つだけ――。

次巻で最終巻。まぁ、そうか。主人公二人は選択を迫られ、選んだ答えはネイトの受け入れられるものではなく……諦めないわけです。

怒涛の展開なのだろうが、ある意味予定調和かと。どうも、ネイトが波長の合わないキャラなので、読んでいて気分が乗り切らないのが辛いところです。とりあえずは一冊一冊で評価どうこうではない作品かな、と。終わりよければ全て良しなのではないかと思い、美しいラストがあれば……まぁ、予定調和だろうけど。

……個人的には、失ったまま生きる、というのもありだと思うのだよ。その上で前へ進んでいく「再生」的な感じとかあるとなぁ。このシリーズではカインツ辺りがそのへんの欲求を満たしてくれそうかな。
夜明け色の詠使い黄昏色の詠使] (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
夜明け色の詠使い bk1 クルーエルがミクヴェクスへと還り、名詠式が世界から失われた。世界中が混乱する中、アマリリスが残した手がかりを元に、ネイトはセラの塔へと向かう。エイダ、レフェスもまた、クルーエルを取り戻すため、自分が向き合うべき相手と相対するため、ネイトと共に塔へと向かう。

最終巻。
うーん、皆が皆いい人になっちゃったのは少々やりすぎだったのではないだろうか。
あれだけネイトと相対する存在として書かれながら、シャオの扱いが軽くて泣けた。エイダやレフェスの方の対決の熱の入り具合に比べ、ネイトとシャオの対決はあっさりしすぎており、いっそ面白いくらいに主人公に障害のない最終巻でしたかね。
ドキドキやハラハラはありませんでした。
まぁ、予定調和が売りみたいなシリーズだし、そう考えればおさまるところに収まったのかもなぁ。

主人公達より気になっていたカインツとイブマリーは、ラストでなんかニヤリとできる感じになっておりました。良かったよかった。
氷結鏡界のエデン楽園幻想 (富士見ファンタジア文庫)  [bk1] [Amazon]
氷結鏡界のエデン 楽園幻想 bk1 凍てついた氷海の上空に浮遊する大陸オービエ・クレア。そこは、幽幻種という存在に脅かされながらも、人が唯一生きることのできる地だった。
幽幻種から大陸を守る巫女の一人であるユミィは、幼なじみの少年・シェルティスを待ち続けていた。巫女を守る護士であったシェルティスは、かつて大陸から堕ち、異端として巫女のいる塔より追放された存在だった。
過去を隠し街で生活するシェルティスだが、かつてない幽幻種による危機に再び塔を目指す。

新シリーズで、ある程度『黄昏色〜』とつながりのある世界観のよう。前作でもその傾向はあったけれど、世界観を作りこむあまりキャラの心情が薄い気がする。気持ちを表現するにしても、個人的にキャラが自分の気持ちを直接的に喋りすぎるのは萎える。語らず仕草や表情の描写で気持ちを表せないのか。

主人公があっさり塔に戻ってしまったのが残念かなぁ。再度スタートラインに立つまでもう少し艱難辛苦があってもいい気がする。一巻を読んだ感じでは、恐らく敵らしい敵もなく皆良い人なんだろうから、展開で主人公にドラマを作って欲しい。

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