キノの旅the beautiful world             電撃文庫  [bk1]→
キノと言葉を話す二輪車エルメスは旅をしてあらゆる国をまわっていた。訪れた先でキノたちが出会った人々は、愚かでもあり、哀しくもあり、それゆえに愛しく美しいのだった。短編の形で綴られる、キノの旅の物語。
第6回電撃ゲーム小説大賞最終候補作。毒のある童話という感じである。ブラック〜♪ 話の雰囲気は良いと思います。こういう人間の愚かさが見られる話ってのは良い。弱い、愚か、結構結構。だから強くて人間らしいんでしょう。度が過ぎるとエライことになるだろうがな(笑)。
少々地の文が硬いかなぁと思える。何文も連続で文頭に同じ主語がきたり、文末が同じだったりと。もう少し砕けた書き方にしても良いかもなぁ。まぁ、この文体がこの作品の雰囲気を形成するのに一役かってるともいえなくもないのだろうけれど。
キノの旅Uthe beautiful world            電撃文庫  [bk1]→
キノと言葉を話す二輪車エルメスがさまざまな国を旅してまわる物語の第2弾。
相変わらず程好く毒が効いた感じの話である。前作に比べるとはっきりと見て取れる皮肉さとかは落ちついているようだけれど、話としての深みは増したような気もする。「優しい国」はちょっと他とは違った感じの一作ですしね。なかなか良かったです。
この巻ではシズも再登場。もしかして彼はレギュラー化するのだろうか……。偶然キノと同じ国に立ち寄った彼の、キノとは違った旅の話も良い。彼とキノの視点の違いや体験の違いなんかを見る話ってのをあえて作ってみるのも面白いかもしれませんね。
キノの師匠……は一体何をやらかした人なんでしょうね、本当。もしかしてこれがシリーズ化されたらまた触れることになる話題だったりするのでしょうか。
キノの旅Vthe beautiful world            電撃文庫  [bk1]→
キノと言葉を話す二輪車エルメスが国々を旅して回り、そしてそこで出会う様々な人々との物語。今回もシズと陸の話もおさめられ、シリーズ第3弾です。
だいぶ話の感じは落ちついてきた、というような。当初見られていたあの毒はだいぶナリを潜めています。どちらかというと、悲壮感や、しんみりした感じの話の傾向になってきていますか。初めの頃のあの毒もなかなか好きなのですが、このしんみりじんわりというのも好きですね。この落ちつき方はそんなに悪くないのではと個人的には思います。
この中で好きな話は「城壁のない国」。そして「差別を許さない国」かな。「同じ顔の国」はどーも上手く私とはチャンネルが合わなかったと言う感じがする……。しかし「差別を許さない国」のあの伏字は気になりますな、かなり(笑)
表紙のキノがなんとも絶妙に女の子な感じです。キノが成長したらどんな風になるのかちょっと楽しみ……きっと別嬪さんだろうねぇ。
キノの旅Wthe beautiful world            電撃文庫  [bk1]→
キノと言葉を話す二輪車エルメスが様々な国を訪れ、そこで出会う人々の物語。全11話を収録したシリーズ第4弾。シズと陸の話も収録されてます。
「二人の国」、「認めている国」、「橋の国」など、今回は結構シビアな感じの話が多かったような。シズと陸の「たかられた話」もそうですかね。そのほか今回の特徴というと、キノのちゃっかりしたところがわりと出ているあたりだろうか。「ただならいくらでももらう」みたいな。微笑ましい部分と、何となく胃の痛くなる部分が混在していて個人的には結構良い感じである。そうそう、微笑ましいというか。「伝統」でのシズ……(笑)。本気でやってたのか、まさか……。なんか「君、本当にそれで良いのか?考え直せ」と言いたくなるなぁ。おばかさなんな感じで良いな。と言っておこう(笑)。
しかし、今回は本編よりもあとがきが問題なんだけど(笑)。今まで築き上げてきた物を一気に突き崩していくかのようなあの内容。下手したら本編よりも気になる&面白いのはどうかと思う。「取り敢えずあとがき〜」と読んだ時には一瞬固まったですな。いつ宇宙に旅だった!? なぜ缶切!? クロロホルムをかがせる陸ってかなり無理ねぇか(笑)!?
……なんかもう、あとがきが凄すぎてどうしようって感じで参った。なんか次が怖いなぁ。さすがに一発ネタ……だろうけど。
キノの旅Xthe beautiful world            電撃文庫  [bk1]→
キノと言葉を話す二輪車エルメスが、様々な国を旅する物語。短編集第5弾、11の作品を収録。
取り敢えず順調に巻を重ねているシリーズの第五巻。何というか、今回は毒が少ない一冊だった様に思える。比較的しんみりした話の印象が強かったでしょうか。皮肉の込められた話もあるのだけれど、それほどインパクトはなかったように思う。多少いに思い印象のものはあったが……。
だいぶ安心して読める作品だよなぁと思う。願わくば、下手にマンネリ化したり、ウケ狙いに走らないでいってくれれば……というところ。
そろそろ作者の別の作品も読みたいと思うところです。あとがきを見たかぎりでは別作品のネタは持っているようなので、いつか目にすることができれば良いなぁと。気に入った作品は「英雄の国」でしょうか。
あとがきに関していえば、「キノをつけまわすロリコンストーカー」には大ウケ。別に本人後追い駆けまわしているわけではないんだろうけどねェ。
キノの旅Ythe beautiful world            電撃文庫  [bk1]→
人間キノと、言葉を話す二輪車エルメスが、様々な国を旅し、そこで出会った人々との物語の第6弾。短編8本+口絵のショートストーリーから成る。
ついに6巻ですか……思いのほか長く続いたような(笑)。
メインキャラとしては、キノ、シズ、師匠の三人が定着しているけれど、口絵の「中立な話」に見られるように、それぞれ良くも悪くも個性がありますな。ある意味マンネリしやすいタイプのこのシリーズに、この三人の性格の違いが上手くアクセントを効かしているような気がします(…なんか文章おかしくないか?)。この三人、どれもその性格が好きと思えるあたりが面白い。にしても、確かに三人とも中立だ(笑)。
「戦車の話」は、「まぁ、よくあるオチ♪」という感じで、微笑ましいです。第二話の「彼女の旅」と、第八話「祝福のつもり」が良かったでしょうか、他では。「彼女の旅」はなかなか皮肉な感じで良いかと。そして、「祝福のつもり」。このあとシズは母国へと赴き、そのあとキノのストーカーに…(違)。
でも一番皮肉なのは、「誓い」a・bですかね。まず間違いなくあの父娘の話ですから。しかし、そうなるともしかしなくても、「キノの旅W」の「紅い海の真ん中で」はキノの里帰りの話なのでしょうかね。
アリソン                         電撃文庫  [bk1]→
巨大な大陸が一つだけある世界で、大陸は東西二つの連邦に分かれ、長い間対立を続けていた。その東側の連邦に住むヴィルとアリソン。幼なじみの二人は、ほらふきで有名な老人から、「戦争を終わらせるだけの価値がある」宝の話を聞く。しかし、老人は二人の目の前で誘拐されてしまう。二人は老人の後を追おうと行動を起こす。

「キノの旅」でお馴染みの時雨沢恵一と黒星紅白コンビによる新作。今まで短編しか出していなかった著者の、長編作品。もしや前作のあとがきでちらつかせていたネタが、早速登場ですか?

長編でもやはり時雨沢恵一は時雨沢恵一という感じで(謎)。良かったです。幼なじみの学生ヴィルと軍人アリソンが老人のホラかもしれない宝の話から、大陸の歴史を変えることになる大冒険に出る。
派手に戦争をしているところではなく、冷戦というか、拮抗状態に入っている時代を書くところがらしいというか何というか。話を進めるにあたって、そのほうが便利というのもあるが、ストーリー的にいろいろと重みのあるテーマを扱うことにもなって、非常に上手いのでは。読後感は優しいが悲しい。個人的にはとても良い話ではないかと。
キャラクターにも魅力がある。っつーかアリソンが犯罪的に可愛いと思ったのは私だけ(笑)?メインの3人はもちろん、ラディア、ワルターといったキャラも丁寧にかかれていると思う。ワルターのエピソードはかなり重い。深く細かく書かれているわけではないのに、妙にリアルな戦争だ。
アリソン、ヴィルの出生や、ヴィルの銃の腕前など、まだまだ使えそうなネタがあることにはある。続きもアリかもしれないが、語らずに終わらせておくのもアリだろう。著者ならどっちでも上手くいきそうだ。
何となく、映像で見てみたいと思った作品。

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