流血女神伝 帝国の娘(前編)            集英社コバルト文庫  [bk1]→
ルトヴィア帝国の猟師の家の娘として育ったカリエは、女だてらに父の代わりに狩りに出るような少女だった。ある日、父親に狩りに行くように命じられたカリエは、吹雪の中であったエディアルドという男に誘拐された。立派な屋敷で目覚めたカリエは、そこで自分がある人物の影武者となるべく攫われたことを知る。

「キル・ゾーン」シリーズでお馴染みの須賀しのぶの作品。シリーズ名がかなり物騒ですな……。
前編からかなり密度の濃い話の展開で、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。面白いです。
女の子が男の子として社会に出て、しかもそれに無口で融通のきかない従者が付くとなると、また一部の読者にもウケてしまうでしょうが、そういったものを抜きにしても、かなりしっかり話やその他諸々が作りこまれていて、よい感じです。伏線もいっぱいあって、それが今後どう発展していくか、とても気になります。
なんにしても、とにかく面白い。続きもこの調子でぐんぐん話を引っ張っていって欲しいと思う。
流血女神伝 帝国の娘(後編)            集英社コバルト文庫  [bk1]→
病の床にいるアルゼウス皇子の影武者となった少女カリエは、皇位継承者としての教育を受け、他の皇帝候補者と競い合うべく、カデーレ宮殿へ入ることになった。そこにはすでに皇子が三人いたが、その中でも最も皇位に近いとされていた第四皇子ミューカレウスが、あからさまに敵意をぶつけてくるのだった。
後編の舞台は皇子たちが暮らすカデーレ宮へ。そこにいる皇子たちには、それぞれの思いがあり、それがラストの展開を導き出していく。

アルゼウスの代わりに宮殿に入り教育を受けるカリエ。身代わりにされたことには不満を持ちながらも、与えられる知識にはおおいに興味を示し、吸収していくことで、ただの猟師の娘だったカリエは、上に立つ者の能力を少しずつ身につけていく。それは第一皇子のドミトリアスに有望視されるまでに。
なんかもう、すごくカリエが格好良いです。決闘騒ぎを起こしたりするところもそうですが、知性面での才能の開花なんか特に。このあたりが今後話を大きく進めていくんだろうなぁなんて。カリスマ性が出てきた感じです。
その一方、女の子っぽいところもありで。サルベーンへのはっきりした好意もそんなところですが、エドとの微妙な関係も良いですな。ビヴァ・主従(笑)。カリエの好意の方向がエドにロックオンされたとしても、エドの朴念仁ぶりからするに、カリエは苦労しそうで、そして同じ位にエドも苦労しそうで(笑)。それとも別の誰かが出てくるか?
後編も十分に楽しめて満足。シリーズの今後の展開に大いに期待です。久しぶりに手放しで楽しめる作品に出会えたなぁ。
流血女神伝 砂の覇王@             集英社コバルト文庫  [bk1]→
エディアルドと共にルトヴィアから逃れようとするカリエ。ユリ・スカナへ行こうとクアヒナ東公国を移動する中、その日の目的地への道の途中で、エドが体調を崩してしまう。村で宿を求めるが、その日の生活にも困る村人達に冷たく断られる。しかし、ある家に受け入れられ一夜を過ごすことになる。
流血女神伝の新シリーズ。エティカヤ編。

前作で皇子の影武者をして殺されかけたと言うのに、新シリーズではいきなり奴隷にされてしまいました。エドも一緒ってあたりがある意味不安なのは何故なのでしょう(笑)。普通は安心できるもののように思うのですが。一方、ルトヴィアのほうでは、ドミトリアスが選帝を受け、改革を志す。一冊めからいきなり怒涛の展開。さすがですねェ、サバイバルですねェ。
帝国の歴史とカリエの運命が大きく動き出し、今後が凄く気になります。
流血女神伝 砂の覇王A             集英社コバルト文庫  [bk1]→
エティカヤ編第2巻。
奴隷としてバルアン王子の後宮に入ることになってしまったカリエ。同じくエドも、バルアンの配下の奴隷となった。カリエを騙した娘サジェも、カリエと同じく後宮に入り、家族を奪ったエドとカリエを貶めようと、「妃妾」の座を目指す。エドを守るために負けられないカリエも、同じく「妃妾」の座を目指そうとする。

砂の覇王第2巻は後宮編。バリバリ女の闘いですかね。基本的に人に憎まれたりしてばかりで、本当に大変な子だなぁ、カリエは。エドは全くもって影が薄いですし。カリエが大変な時に全然役に立っていないではないか。1度は生命の危機から脱したものの、ラストで再び重大な嫌疑をかけられたカリエが、この新たな危機からどうやって脱するのかが気になるところ。本当にもう、ジェットコースターストーリーだ。しかし、それでも話のつめすぎということが全くない。上手いです、話が。
エドとカリエの微妙な関係もちょっといい感じです。個人的には「帝国の娘」ラストのちょっと砕けた感じのところが良かったのですが……なにぶん接触しませんからな。
流血女神伝 砂の覇王B             集英社コバルト文庫  [bk1]→
妾妃ギュイハム、つまりサジェに毒を盛ったという理由で再び投獄されたカリエ。処刑前にバルアンに直訴する機会を得たが、疑いを晴らすことができなかった。必死の思いで逃げ出したカリエは、しかし砂漠で倒れ、バルアンの部下・ヒカイに助けられ連れ戻される。目覚めたカリエを待っていたのは、処刑ではなく、バルアンの小姓として働けという命令だった。

エティカヤ編第三巻。またしても生命の危機に陥ったカリエは、そこから脱すると再び男として生活するハメに。何というか、つくづく女の子らしい生活が遅れない運命にあるようで。
今までいまいち前面に出てこなかったバルアンが、この巻からは目立ち始めてきている。二巻までは全然興味がなかったのだけれども、なかなか内面男前の予感。これからが楽しみ。スゥランとのシーンとか結構好きなんですけど……。
一方、ルトヴィアサイド。ドミトリアスとグラーシカの婚約が成立。しばらくは結婚がらみの騒ぎでしょうか。
カリエが後宮内での争いからちょっと抜け出して、ストーリーが次から広がっていく予感。こんなに先がきになる作品も久しぶりかも。
流血女神伝 砂の覇王C             集英社コバルト文庫  [bk1]→
バルアンの小姓となったカリエは、ドミトリアスとグラーシカの婚礼に出席するべくタイアークへと向かうバルアンに同行することに。戴冠式と婚礼の準備が着々と進む中も、国に関わる問題は動いていた。タイアークに辿り着いたカリエだが、そこでカリエ本人も予想していなかった事態が起こる。

エティカヤ編第四巻。ドミトリアスの戴冠式、グラーシカとの結婚、バルアン、シャイハン兄弟の確執、カリエに降りかかる予想外の事態と、かなり急激に話が動いてきました。今回のバルアンの行動は、かなり非難とかがあったのではないかと思いつつも、前巻からいまだに続く男前の予感(笑)。私的には問題ないですよ。
新キャラは海賊トルハーンでしょうか。イラストではなかなか男前です。話の流れからすると、その内トルハーンVSルトヴィア海軍となって、海上の話が出てくるようですな。話が大きく動いているなか、カリエがどう関わり、動くのかが気になるところ。
今回ラストであんなことになったカリエだけれども、もちろんタダでは済ませないでくれるものと期待。一気に出生の秘密が前面に出てくるのか……。
にしてもエドは出番がないのなんのって(笑)。

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