| 陰陽ノ京 巻の三
電撃文庫
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龍神の血を引く外法師・弓削鷹晃は、山中で一人の老法師と出会う。それ以降、山中で笛を吹いていると、どこからか見られていると感じる様に。しかし、その視線は決して悪意あるものではなかった。一方、長雨により愛宕山の石に変化が生じる。それはか
つて、陰陽寮が総動員で封じた化け百足を封じた要石であった。
再び登場の弓削ご一行と天狗たち。しかし、一巻からあまりにも時間がたっているものだから、最初全く思い出せなかった……。読み終わった時点でも、微妙に記憶があやしいんですが。
今回はまたしても保胤はメインにはならず。メインは、そうとは気付かずに出会った親子。自ら選び、自ら死んでいった龍神の行き様ってとこですか。残されたほうは、場合によっては迷惑……何てことも、まま世の中にはあるだろうけれど、こういうふうに、自分で選び、満たされて死ぬことが出来るというのは、死に方としては中々の合格点なんだろうなと思う。
相変わらず、地味ながらもしっかりと読者を引き込む話を書いています。 |
| パラサイト・ムーン風見鶏の巣
電撃文庫
[bk1]→■ |
人の感情の「色」が見える高校生・希崎心弥は、幼馴染みの露草弓がはじめて父親の実家へ行くのに同行することに。徒帰島で無事祖父と弓は初対面を済ませるが、心弥は島や人々に奇妙な感覚を覚える。やがて二人は「波谷様」という島の信仰の対象に関わる、異様な事態に巻き込まれることとなる。
第七回ゲーム小説対象を「陰陽ノ京」で受賞した渡瀬草一郎の第二作目。デヴュー作とはうって変わって現代モノ。まぁ、これだけは言いたい、というのがあるとしたら、「イラストが悪い」かな(笑)。なんだこのギャルゲーのようなイラストは……。イラストからそういうヘタレな内容が想像されてしまうのではないだろうか……。これは損していると思うなぁ。勿体無いよ。作品自体は「陰陽ノ京」のように、なかなかしっかりしていると思えるので。それをなんだか崩しているのはやはりイラストなんだろうなぁ。もう少ししっかりしたのをつけるべきだって。
設定等は、「迷宮神群」など、なかなかデカイものがあるようですが、今回は徒帰島の件に上手く焦点を持っていけているのではないかと思える。心弥の能力故のすれ違いとかも、上手くいってるほうでは。
続きが書けそうな感じもであるが、弓と心弥に関してはこれっきりというのが個人的には望ましいかなぁ。 |
| パラサイト・ムーンU鼠達の狂宴
電撃文庫
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タレント業のため上京し、姉と同居していた水本冬華は、姉・美春が勤めていた製薬会社の研究室での爆発事故により、姉を亡くした。姉の死に不信を抱く冬華は、真名井製薬の人間と会うことを拒否し続ける。そんな中、冬華の周りで不可解な現象が続く。水溜りの中に人の衣服だけが残っているということが何度も。まるで人が溶けて水になったかのように……。やがて冬華は姉が真名井製薬で何を研究していたかを知る。姉がどうなったか、自分がどういう立場にあるのかを知った冬華はどんな行動に出るのか。
シリーズ第2弾。今回の主役はキャラバンの研究員だった姉を亡くしたタレント・冬華。前作とはまた話の感じが違ってますなぁ。公式HPの日記のほうからだと、なるべく毎回話のタイプは変えるようにしているそうで。しっかりしてるよなぁ、その辺。
キャラバン内部が中心になった今回の話、なんだか硬派な感じです(笑)。一見大して関係ないかに思われた記者も、それとなく今後の展開に大きく絡んできそうなことになっていますし。すでに三作目も出来ているというので楽しみだなぁ。
なんだかんだ言って、この人の作品は面白いと思うのですが。前作では夢路とかキャラバンの面々がどうも馴染んでこなくて乗りきれないところもあったのですが、今回キャラバン内部が結構書かれていたこともあって深みが出てきたかなーと。特に夢路は掘り下げられてきた感じですね。二作目でだいぶ人
物に血肉が付いてきて、話・文のほうは前々からうまいほうだと思っていたわけで、これからの展開が楽しみ。
エキストラで前作の弓と心弥も出ていました。次回作に二人が復帰するようですが、第1作のラストを崩すような展開だけではないように願いたい。 |
| パラサイト・ムーンV百年画廊
電撃文庫
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徒帰島の一件から無事に帰還した希崎心弥と露草弓。神群ハタニアスの影響により異能を手に入れた弓は、日常生活を送るためキャラバンの援護を受けることに。しかし、心弥の能力に目をつけた「満月のフェルディナン」により、その日常生活にも異変が起きる。心弥の能力もまた、神群の影響によるものだったのだ。弓の存在を利用し、心弥を操ろうとするフェルディナン。彼の企みは何をもたらすのか。
シリーズ第3弾。一作目の主人公二人が再び登場。時期的には、第二作目の後半と重なっていて、一作目・ニ作目の後日談的なところも。
天才画家グランレイスの力を受け継いだとされる心弥の能力。しかしそもそもグランレイスがなぜそういた力を持っていたのか、今まではあまり語られておらず、謎の能力であった。それが今回は明かされている。
第二作のエキストラ出演時には、平和にやっているほのぼの感が出ていただけに、今回の展開は痛いものがあった。また、二作目ヒロイン水本冬華の後日談も同じ。まさかあそこまで心がぼろぼろになっていたとは。
二つの事件が重複しているため、夢路たちはフェルディナンに遅れをとってしまい、その代償が弓の二年間という形ですんだのは、良かったことなのか、はてさて……。内容としては結構重かった一作のような気がします。 |
| パラサイト・ムーンW甲院夜話
電撃文庫
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甲院派の実験室で作り出された異能者の生き残りである乾真砂は、甲院派壊滅後、巡りめぐって東都まごころファイナンスに籍を置いていた。しかし、社長である華ヶ瀬が徒帰島の一件で死亡したことにより解雇され、次の職が見つかるまでのつなぎとして得た仕事は、迷宮神群の研究者・榊糾の身辺警護だった。そこで真砂は思わぬ再会を果たし、榊糾の保持するある秘密を巡る事態に巻きこまれていく。
パラサイト・ムーン第4弾。人為的に作り出された異能者「実験室の子供達」が前面に出てきている。この巻で、今まで出てきたキャラクターの関係がだいぶわかってきたのではないだろうか。夢路の保護した子供の出所というか……そういうのがわりとはっきりして、キャラバンの全体像が明らかになってきたかと。キャラバンのパワーバランスが大きく崩れる事態が発生、かなりシリアスで力ある展開が期待できるなと感じたわけで。読み応えもありました。
しかし、実験室の子供達の設定はおいしい(笑)。この血よりも濃い絆、かけがえのない同士、みたいなあたりが。悲劇性も充分ですし。由姫はけなげだし。どうでも良いが、子供の頃の由姫は犯罪的に可愛い……。
このへんで1巻から読みなおしてみると良いかもしれない。 |