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| ■〜妊娠中の体重管理について〜 |
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今から15年ほど前にイギリスのデビッド・バーカーという人が‘成人病胎児起源説’というものを発表しました。これは、「胎児の発育遅延があったり低出生体重で生まれたりした子供は将来的に成人病(生活習慣病)になる可能性が何倍にも高くなる」というものでした。実は、この発表があったころ、殆どの産婦人科医はこの説を信じていなかったのですが、その後世界中の大規模研究で追認され、とうとう最近の周産期領域のなかでは一番のトピックスとなりました。当時は私もアメリカの某研究施設にいて、隣の研究室がネズミをつかってこの説の追視実験を行っているのを冷ややかに見ていた一人でした。その後、ちいさく生まれたネズミが大きくなってから本当に血圧があがってきたと聞いてびっくりしたのを覚えています。
日本は先進国のなかで、平均出生体重が減少し、低出生体重児の出生頻度が増加している唯一の国と言われています。その原因として、若い女性の体重の低下傾向による胎児の発育の低下、女性の喫煙率が上昇していること、そして、今までの妊娠中の体重増加抑制に対する指導が厳しすぎていたことなどがあげられています。また、妊婦さんの体重自体は増えていても、朝ごはんを食べなかったりすることによって栄養のバランスがかたよったりすることも胎児の発育に影響します。今年(平成18年)2月に厚生労働省から「妊産婦のための食生活指針」が発表されました。これによると、妊娠前にやせていた妊婦さんとふつうの体格の妊婦さんは妊娠後半、週に300〜500グラムの体重増加が適当で、妊娠全期間を通して、妊娠前にやせていた方は9〜12キログラム、妊娠前にふつうの体格だった方は7〜12キログラムの体重増加が適当だとされています。また、妊娠前から体重のたくさんある方に対しては個別に対応することになりました。妊産婦さんの栄養指導に関しては当院の外来でも直接指導をおこなっていますが、この「妊産婦のための食生活指針」は厚生労働省のホームページでみることができます。このなかには、たばこやお酒などが妊娠および授乳期を通して赤ちゃんにどのような問題があることなども説明されています。体重チェックだけでなく、「妊産婦のための食事バランスガイド」なども参考にして、おかあさんと赤ちゃんの健康のためにがんばりましょう。
付記
葉酸は、ほうれん草のなかからみつかったビタミンBのひとつですが、妊娠初期に葉酸を十分に摂取することが胎児の神経管(脊椎)異常発生の予防につながることが明らかになりました。このことが啓発されたことによって、アメリカやイギリスなどでは二分脊椎などの神経管異常の発生率が15年前の10分の1以下になりました。これに対して日本では、(これも先進国のなかで唯一といっていいくらいですが)胎児神経管異常の発生率が微増しているのが実状です。葉酸の摂取不足は、胎児染色体異常の発生や妊娠高血圧症候群の発症の増加とも関連するといわれています。妊娠可能な女性の方は、日頃(できれば妊娠前)から葉酸を十分にふくんだバランスのよい栄養摂取が大切です。
参考文献)
1.室月淳、他.成人期の疾病.2005年
2.「健やか親子21」推進検討会.妊産婦のための食生活指針.2006年2月
3.日本産婦人科医会ホームページ.葉酸摂取による胎児異常発生予防(鈴木俊治) |
| 担当 副院長 鈴木俊治 |
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| ■〜葛飾赤十字産院の<お食事>〜 |
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| 担当 稲葉弘美 管理栄養士 |
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