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大樋美術館

公式サイト大樋焼本家十代長左衛門窯・大樋美術館
住所金沢市橋場町

2001/12/29(Sat) 晴れ

地図通り、美術館の前に辿り着いたのだが、どう見ても店舗(ギャラリー)といった感じ…と思ったら、美術館は、その奥にあった。「大樋焼の特徴=飴釉」程度の知識しかなかったのだが、解説に拠ると、楽焼同様、轆轤を使わない手捏ねで、松の割木を使った低火度焼成も特徴らしい。

1階は初代~五代目の作品が展示されていた。初代長左衛門は楽家四代一入の弟子で、仙叟指導の下、茶道具を作成した為、渦、寿老人、海老等、仙叟好みの品が殆どとの事。飴釉渦文半筒茶碗「あられ」、「青柳」、飴釉海老摘手付水差等が展示されていた。「あられ」は、深い飴色の釉薬が特徴的で、思ったより飴釉は薄かった。「青柳」は胴の歪なくびれ具合が印象的。還元焼成により、飴釉に青味がかかっているとの事だが、良く解らなかった。深い緑のようには見えるが。青=緑なのだろうか? 飴釉海老摘手付水差は水差というよりヤカンのような形で、太く大きな取手が歪でアンバランス。それに対して蓋の摘手の海老がリアルで、対照的だった。

二代目の作品は、飴釉茶ワン「雲山」等が展示されていたが、作風は初代同様。ただ、展示品を見る限りでは、初代より少し明るい色彩の作品が多かった。三代目の作品は、飴釉平茶碗「北海」等が展示され、初代同様の作風で、色彩も初代同様、やや暗い感じ。尚、「北海」は、窯変で朱釉が僅かに点在しているとの事だったが、ケースの端にあり、少し暗くて良く解らない。それ以外では、飴釉四方水差の胴の櫛目模様が素朴で印象的だった。

四代目は、中興の祖である五代目の下地を作った人で、多くの色彩表現を試みたとの事。飴釉井戸形茶碗「夏山」、飴釉平茶碗等が展示されていた。「夏山」はやや淡い赤茶色で、表面はザラ付いている。内側は、縁から薄墨を流し込んだような紋様を成しており、素朴でありながら、何処か瀟洒な感じ。飴釉平茶碗は、深い渋い黄色の胴の外側に深緑の釉が垂れ、それが左から右に流れている。その丁度反対側の内側にも、深緑の釉が垂れており、印象的。五代目は中興の祖で、飴釉以外に黒釉を使ったり、また、注文に応じて皿、徳利等の食器も作成した等、バリエーションに富んでいるとの事。飴釉の作品は初代、二代目同様作風で、菱形の口に少し捩れた胴の飴釉聖写茶碗以外、あまり印象に残っていない。黒釉の作品は茶碗「百万石」等が展示され、「百万石」は内外に朱釉が出ているのが特徴らしいのだが、非常に淡いピンクの単なる斑点にしか見えなかった。

2階は六~九代目の作品が展示されていた。六代目は五代目の死後4ヶ月後に28歳で夭折している為、作品が少ないとの事。印象に残っているのは、黒飴釉桐文手付鉢。黒い菱形の鉢の真ん中をやや細い端正な手が走り、緑、白、ピンクの桐文が黒地に映えていた。七代目は幕末から明治に活動した人だが、明治に入り、藩の保護がなくなり、また、茶会そのものも減った為、作品が少なく、小ぶりなものが多いとの事。展示されていたのは飴釉茶碗と黒釉茶碗「相生」の2点のみ。飴釉茶碗はやや暗い色調の中、内側が空色に反射し、鮮やか。側面には富士山を模ったΛ形の滲んだ白い模様が描かれ、ちょっとポップな感じだった。

八代目は大樋焼を再興させた人なのだが、作品が5点展示されている以外、特に解説がなかった為、その詳細は不明。印象に残っているのは、黒桔梗文茶ワン。黒地に白い桔梗が描かれ、その五角形の花の部分の釉薬が、泡の弾けた形に固まっており、それが黒地に映えて、鮮やか。それ以外の作品は初代~三代目の作風に近い感じのものだった。九代目も、黒釉茶ワン「萬歳楽」等の作品が8点展示されていたが、解説はなかった。「萬歳楽」は、一見、托鉢の鉢のような端正な椀だが、かなり厚みのある幕釉が垂れ、また、高台が土見せになっており、何処か豪快な感じ。尚、九代目の人脈なのか、勅使河原宏の作品等が4点展示されていた。

3階は十代目の日本芸術院会員就任記念の作品展で、木の葉天目茶碗等の作品が16点展示されていた。木の葉天目茶碗は井戸茶碗形で、螺鈿のような木の葉の絵が印象的。葉脈がハッキリと読み取れ、葉のザラザラした質感もリアルに表現されており、まるで実物をスタンプしたような感じだった。

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