古都訪問記 > 岩手 > 一ノ倉邸

一ノ倉邸

住所盛岡市安倍館町19-64
参考サイトウェブもりおか:身近なみどり:盛岡の保護庭園

2008/09/14(Sun) 晴れ

市指定の保護庭園。盛岡出身の政治家安部宏により造られた建物と庭園。その後、一ノ倉氏に譲渡、現在は盛岡市の所有。拝観の栞によれば建物は明治40年頃から造営となっているが、係の方の話によれば、明治40年に完成し、その後、増築されたとの事。政治家の密会の場所。客間の廊下は狭く、刀が抜けない幅になっている。客間と廊下は障子戸・襖ではなく、土壁で仕切られているが、下に掃き出しのような戸がある。忍び口と呼ばれ、人が近付いても直に解かる仕組との事。

客間には一畳半の長い畳が入っている。半畳の半の字を嫌ったもの。壁は灰色だが、元は漆黒。夜の蛍の灯りのような濃淡の模様が入っていたらしい。欄間は鹿角の神代杉。大鋸で挽いた一枚板。洞のような穴が空いている。厚さ1.5cm程。寒い地方の為、杉は1000年でも直径1.2m程の為、樹齢1000年以上の杉との事。縁側の桁は20m程(10間通し)の1本の杉の丸太。左右の柱も丸太だが、桁は左右で直径が異なる為、桁が水平になるよう柱の高さが調整されている。色んな工夫が施されている為、冬休みになると、建築科の学生さんが訪れるようになるとの事だった。

庭園は、明治35~36年、東京から庭師を招いて造ったと言われるもの。柄の短いトンカチのような形の池を中心としたレイアウト。護岸石組等、石は見当たらない。往時は水を蓄えていたが、現在は枯れ、草が生い茂っている。ツチの部分には三つの中島。何れも草が生い茂っている。手前側にL字形の小降りの三ノ島、楕円形の小降りの二ノ島、中央奥に楕円形の一ノ島。一ノ島の外周には赤松が数本配され、放射状に伸びている。一ノ島の奥は少し水が溜り、湿地となっている。池の外周は木の根が少し露出した経路。隣家が見えるが、基本的に静かな森林の趣。京都から移植された樹齢100年以上のイロハモミジがメイン。紅葉の時期は岩手としては遅く、文化の日以降、11/10位が見頃との事。虫の声のする長閑な落ち着いた庭園だが、その頃には鮮やかな光景になるのかも知れない。

古都訪問記 > 岩手 > 一ノ倉邸