ホテル選びで重視したのは、以下、順不同ながら──
と、結構、あれもこれも欲張った内容。でも、スイスの二大山岳リゾート地だけに、それに応えてくれるだけのホテル数は充分に用意されている。航空券だけはいち早く、手配しないといけないけれど、ホテルはじっくりゆっくり選ぶ時間と選択肢が用意されている。数十のサイトを見ながらあれこれ想像するのは、出発前の気分を大いに高めてくれるのに役立った。
ここから本編の、実際に泊まったホテルの様相。
まずは、グリンデルワルトで泊まったシャレーホテル アルテ・ポスト。
ブログからの引用で述べたように、ここのサイトはドイツ語表記のみ。かえってそこが挑戦意欲をかきたてたというか、英語圏からたどれない分、穴場なのではないかと期待した面も大きい。
ちなみに今回、利用したガイドブックは『地球の歩き方』と『ブルーガイド』。どちらも定番中の定番で、後者にはこのホテルも写真付きで掲載されていた(ことに後で気付いた)から、穴場とは言い難かった。グリンデルワルト日本語観光案内所も斡旋しているようだったから、結局、ドイツ語も英語も分からなくても予約は可能。
3泊中、日本人客も3組、見かけた。ただ、現地では大体、年配の旅行客が多い中で、ここで会った3組は、皆、僕らとも年の変わりそうにない若い夫婦だったから、彼らも個人で手配してきたのだろうと思う。うち、1組の夫婦とはツェルマットのゴルナーグラート展望台でも出会った。仲良くなる、とまではゆかなかったけれど、カメラが立派だったので、きっとうまいに違いないと思い、お願いした写真が果たしてきれいに撮っていただけた。
ここのホテルの一番の売りは、廊下に匂いが漂うほどの自家製チーズらしい。実際には、ほとんど匂うほどでもなかった。事情が変わったのかもしれない。朝食も充分に豪華。スイスのホテルの一般的な朝食は、「卵料理など温かいものは出ないのが普通」とガイドブックにあるのだが、ここは出来立てのスクランブルドエッグもふんだんに用意されている。もちろん、ビュッフェ式で、パン、チーズ、ヨーグルト、ナッツにフルーツ類・・・が盛り沢山で、朝から至福の時間であった。
テラスが隣接しているから、2日目と3日目は外で食べさせてもらう。日中が暑くなる分、朝が冷え込むのはどこも同じで、結構、肌寒かったのだけれども、それこそがアルプスだと実感できる魅力。
場所はちょうど、フィルスト展望台行きのゴンドラ乗り場の真横になっている。ハイキングの拠点ロケーションとしても便利な場所に立つホテルである。
テラスは、午後にはもちろん一般客のカフェの場となるのだが、朝も宿泊客だけでなく、ゴンドラ付近で働く顔なじみの従業員らが立ち寄る。ここでアイガーを眺めながらコーヒーをすするのが、一日の始まりの儀式であるように。僕らは、ゴンドラが動き出す8時前、ハイキング客が並び始めるのを横目にゆっくりと、ひたすら食べてばかりいた。
チーズ以上に有名なのが、通り沿いに立つ別棟のレストランとしての顔。グリンデルワルトではかなり有名な店らしく、ツアー客も夕食がフリーの日はここを目指すという。予約必須で連日、満員。僕らは2日目だけいただいた。
3日目は、食材をコープで調達して部屋のバルコニーで自家製ディナー。この日、土曜のコープは4時で閉店となる。知らずに入ろうとして日本人のおばさん達がダダをこねていたが、このあたりも情報戦。しっかり予備知識を仕入れておかないと。平日でも6時閉店で、他にコンビニやスーパーなどはもちろん、ないのも「リゾート地なのだから、そうでなくては」と納得できる。
閉店間際で嬉しかったのは、翌日曜が定休となるため、食料類がバーゲンプライスになってくれたこと。スイスに来てまでスーパーの半額総菜に喜んでいるのも何だかなぁ、と思いつつ、ビールその他をしっかり買い込んだ。店員に通じなかったのは、使い捨ての(プラスチック類の)フォーク等がなかったこと。これは文化の違いなのだろうか。機内食に付いてくる割箸やフォーク類を捨てずに取っておくべきだった。
隣の部屋の老夫婦も同じように、バルコニーでワイングラスを揺らしていた。グリンデルワルトは(ツェルマットと違い)車の乗り入れもできるから、宿泊客も色んな場所(国)からやって来ている。日本だと「**県からも来てるんだ」で驚くことが、こちらは国境を越えるレベルでの移動。これはツェルマットでもそうだが、遠くからやって来ている日本人客と違い、地続きの欧州各国からの客は長期滞在が普通なのであろう。天気が良くても、どこに出かけるでもなく、一日中、部屋やバルコニーでゆっくり、ぼうっと過ごしているケースが珍しくないようだった。