「ブレンパワード」
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| 各話タイトル(前半) 第一話:「深海を発して」 第二話:「運命の再会」 第三話:「勇の戦い」 第四話:「故郷の炎」 第五話:「敵か味方か」 第六話:「ダブル・リバイバル」 第七話:「拒否反応」 第八話:「寄港地で」 第九話:「ジョナサンの刃」 第十話:「プレートの誘惑」 第十一話「姉と弟」 第十二話:「単独行」 第十三話:「堂々たる浮上」 (以上、パーフェクトボックスPART1に収録) | |
| 各話タイトル(後半) 第十四話:「魂は孤独?」 第十五話:「一点突破」 第十六話:「招かれざる客」 第十七話:「カーテンの向こうで」 第十八話:「愛の淵」 第十九話:「動く山脈」 第二十話:「ガバナーの野望」 第二十一話:「幻視錯綜」 第二十二話:「乾坤一擲」 第二十三話:「スィート・メモリーズ」 第二十四話:「記憶のいたずら」 第二十五話:「オルファンのためらい」 第二十六話:「飛翔」 (以上、パーフェクトボックスPART2に収録) |
感想
ブレンパワード、見終わりました。久しぶりにアニメの最終回で泣きました。
Vガンダム的な不幸な親子関係の被害者である子供たち(伊佐未姉弟)
がきちんと救われている感じが して、いい感じです。
このコーナーもVガンダムのコーナー同様、もう少し記事をまとめ直す予定です。
「あれがカナンさんの男か」
普段は「カナン」と呼び捨てなのにこういう時だけ「さん」付け。どうも恋人の出来た
親しい女性に対しては一応の距離をおいてみせるというのが礼儀らしい。
「許せる」心
ブレンのキャラクター達は親の勝手によって育てられたり、「捨てられ」たりしている。
そのことを恨み、その過去を清算しようとしているのであるが、ブレンに触れたもの
たちは、人を愛する事の豊かさを知り、間違った愛であり、エゴの産物であったとして
も、それを受け入れ、許す事が出来るようになった。
親を一度は憎み、そして受け入れる事が出来るようになれる、それは反抗期のプロセス
なのかもしれない。つまりそれは大人になるプロセスなのであろう。
太陽と月の女神
ブレンパワードには、伊佐未勇には二人の女神が存在する。
宇都宮比瑪は、その溢れる生命力と闊達な精神で深海に沈んでいた伊佐未勇の心に
強烈な光を浴びせ、地上に引き戻す事に成功する。その強い心の光は親殺しを決意し
た少年の凍り付いたかたくなな心を溶かしていく。
ネリー・キムは、傷ついた勇の心に優しく光を投げかけ、その傷を癒していく。そして
人の心を鎮めていく月の光のように、憎しみの心を鎮めていく。
予想以上(?)に重要なキャラ、カナン・ギモス
オルファン時代は勇の同僚パイロットで勇に導かれるようにノヴィス・ノアへと赴く
ことになる女性、カナン・ギモス。
仲間になって後は勇との絡みの話が少なくなり、後半ではメインから少し離れた位置
にいるのであるが、この人の扱い方こそが「ブレンパワード」をブレンパワードたらしめ
ていたのかもしれない。
初期の富野メモではカナンは戦死する事になっている。その事で惹かれ始めていた
ラッセ及び勇、そしてノヴィスのクルーに暗い影を落とす事になっている。
が、結果的に彼女は生きて、ラッセと愛し合い、かつて自分が手に入れられないで、
ずっと求めていたものを得られるようになる。そして「母」になってもいいと思うだけの
精神的器も出来上がってきたとも言える。
20話以降の構成案でも、例えば依々子を連れてきた勇とクインシィに対し不信感を
拭い切れないカナンとの間で衝突があり、勇は思わずカナンを傷つけるような言葉を
発してしまう。ここで構成案の方ではカナンはラッセにただ甘えるだけとあるが…
ヒギンズとカナン
実際の本編においては勇の言葉で傷ついたカナンを見て、ヒギンズはカナンがラッセと
喧嘩したと思い、慰めようとする。もっとも、ヒギンズ流の慰め方は、彼女自身のレイトと
の「のろけ話」をする事であるが。それでもカナンはラッセにただ依存するよりはかなり
気が紛れたのではないだろうか?
…いやー、こういう場面ってのはトミノのおじさんだけのアイデアでは多分でないよな。
女性の脚本家の多いブレンならではといった感じがする。
ヒギンズとカナンの関係というのもそれぞれにダンナ(男)がいて、同じ位の子供(ブレン
チャイルド)を持つもの同士の共感というか、女同士の友情みたいのが感じられて、
グッドなのである。
要するに男の視点だけだと、人間関係で傷ついた女性を描く時、男性に依存するように
なる描写の方をまず思い付いてしまうという点で限界があるのだな。
カナンの扱い一つがノヴィス・クルーのチームワークや人間関係に深い影響を与えかね
なかったのである。いいたかったのはこういう事。
「ブレンパワード」、ブレンが可愛い。(見た目じゃなくて)
ブレンパワードの可愛らしさはその仕種にある。アジャストした人物をはじめ、子供たち
とのコミュニケーションをとろうとするその仕種にある。ロボットのような生物のようなよく
分からない存在であり、ぱっと見では無機質な印象を受けるのだが…
長く付き合った動物はその表情が分かるようになるというが…それと同じようなものだろ
うが?
人類滅亡の危機に際し、人類が遺伝子レベルで残ればいいと考えるとする
オルファン側の人間たち、発想がカガチ(Vガンダム)みたい。
渡辺久美子さんのキャラクターは「恐いお姉さん」だし…。
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人間はミトコンドリアか?
リクレイマーたちはオルファンを修復(?)し、その抗体となることで人類の遺伝子を
永遠のものにしようとしている。
この発想って生物の細胞に入ったミトコンドリアを連想させる。
アンチボディやオルファン自身も人間の助けがないと動けないのであろう。
ブレンセラピー?
ブレンのキャラたちの救いはブレンセラピーとでも言おうか、ブレンと触れ合う事で
精神的に救われている点でしょうね。
勇はあの年齢くらいの富野主人公ならかなり
カリカリした感じになるはずなのですが、
なんだかどんどん丸くなってきている。
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ブレンパワードの親子関係
主人公、伊佐未勇の場合
勇をただの実験台としてしか見ていない両親(特に母)はウッソの両親のインテリパワー
アップ版と見れます。
ウッソ・エヴィンの両親、特にミューラ・ミゲルは自分の子供をニュータイプとして育て
ようとしていた節が有ります。
勇はそんな両親に反抗できる年齢に達しているという点で違いますが。
自分のDNAを継ぐ存在としてしか見ていない。
姉、依々子(クインシー・イッサー)の場合
(声からして)カテジナさんなんですね。
母は他の男と関係を持ち、父はそれに関心も持たない。
依々子は自ら別名を持つことで、
両親とのつながりを否定しようとしている。
独りで狂って見せるしかない。
依々子の願いはただ「家族を守りたかった」
それだけなのに、身内の親の都合でそれは引き裂かれる。
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伊佐未家の女たち
「記憶のいたずら」で依々子は祖母と過ごした地の湖に沈むプレートの記憶に触れ、
伊佐未直子の記憶とリンクする。
直子の場合
彼女も、
自分のたった独りの母を守るために恋人ゲイブリッジのプロポーズを断るが、
すぐに 母は他界する。
その後、伊佐未イサムと結婚し、ゲイブではなくイサムを愛する自信ができた際に、
イサムがプレートの調査中に事故死してしまう。
翠の場合
娘である翠は、母が他に愛する人がいながら父イサムと子をなしたとの思いがあったのか
そして、その事を嫌悪していたのか父と同じ科学者への道を進みながらも、家族という概
念を否定するような結婚をし、子供も自分の都合で育てようとする。
伊佐未直子も翠に彼女がきちんとイサムと愛し合って生まれた子供なのだということを
いっていれば、依々子と勇に対する態度も違っていたかもしれない
そして、依々子
依々子は母の都合により自分の場所を転々とさせられる。
伊佐未家の女たちは自分たちの家族を守りたいとの思いを無にされたかのように家族を 引き裂かれてきたのだといえる。
最終話で勇は依々子を救い出す。
Vガンダムの後半のED「もう一度TENDERNESS」の歌詞の一部に
「そして再び君に出会えたならその瞳を孤独にさせはしない」
というのがある。この曲はカテジナ=ルースに対する曲であるという解釈があるが
結局、カテジナはその瞳から光も失ってしまった。
依々子はカテジナとよく似たキャラである。
弟の勇は自らを人柱として捧げることで、オルファンと同調した依々子の「瞳の孤独」
を癒そうとしたのである。
依々子の孤独を生み出したのは両親であるが、両親では彼女の魂を救えない。
最も近い魂である弟の勇だからこそ、彼女の孤独を理解しようと試みることができる
資格があるのだろう。
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