< マウスピースの豆知識 >
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| マウスピース(マッピ)各部分の呼称 コメント追加(2001.8) | |
| カップの型 | |
| 同一メーカーのカップ内の形状について コメント修正(2001.8) | |
| シャンクの太さについて コメント追加(2004.8) | |
| 楽器との相性 | |
| マッピのメッキ | |
| 各マッピのコメントについて |
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これはYAMAHAが使っている呼称ですが、世界的には「スロート」部分は「ボア」、「ショルダー」部分は「スロート」と呼ぶのが正しいのだそうです。バック
でも「スロート」と呼んでいますが、デニスウィックのカタログを見ると、「 Bore
」と書かれています。「バックボア」という部分があるからには、その前部は「ボア」と呼ぶべきだろうと しし
も思います。
このウェッブでは世界標準とされている呼称を用いていますので、上図が指している部分とは若干異なります。

上図は、いろいろとマウスピースを見てきてこう呼んだほうが判りやすいと
しし
が思った各部分の呼称とそれが指し示す部分の図です。
今後、各マッピのコメント等は、暫時この呼称に書き換えていきますのでご承知おきください。(2001.8)
< カップの型 >
カップの形状をVカップ、Uカップ、ボールカップなどと表現します。
Vカップの代表はフレンチホルンのマウスピースです。ユーフォニアム/トロンボーン用のマウスピースにはそのような典型的なカップは見当たりませんが、デニスウィックはVカップ型の代表です。アイルリッヒでも作られているようです。また、ドイツ系の管楽器は抵抗感が強いのでVカップ傾向のマウスピースを使うと良いようです。抵抗感が少なく、丸く、柔らかい音質になる傾向のようです。
Uカップの代表はユーフォニアム/トロンボーン
& テューバで多く使われるマウスピースでしょう。シルキーが典型的なUカップのマウスピースだと思います。バックなど他のメーカーのものも「
Uカップ型
」といえます。アメリカ系の管楽器は抵抗感が少ないのでUカップ傾向のマウスピースを使うと良いようです。抵抗感があり、明るくはっきりした音色になる傾向があるようです。
ボール(半円)カップはコルネット/トランペットによく見られるマウスピースです。ただ、深くするとUカップになります。ユーフォニアム/トロンボーン
& テューバではジェローム・カレやペラン・テュッチなどで作られているようです。Uカップのように明るくはっきりした音色になる傾向のようです。
同一メーカーのマウスピースであっても、型番が異なればリムの丸さや形状、バイトの鋭さや形状、ウォールの立ち方(カップの切れ込み具合)、ショルダーの受け(立ち上がり)具合、スロートの曲がり(流れ)方なども皆違ったものになります。ひょっとしたらボアの長さやバックボアの形状も違うかもしれません。例えば、バックの5G、4G、3Gはそれぞれの部分が皆違います。シルキーの51Dと52Dも同じDカップでありながら同じところはありませんし、深さなどは口径の小さい51Dの方が深いくらいです。ただ、バックの特徴、シルキーの特徴といったものはそれぞれが持ち合わせています。
< シャンクの太さについて >
マウスピースのシャンクの太さには3種類のものがあります。その規格は、例えばJIS規格のように決まっているものではなさそうなのですが、ラージシャンク(LS)、スモールシャンク(SS)、ミディアムシャンク(MS)というものです。
ベッソンやウィルソンにはLSを用います。バリトンやYAMAHAのYEP321にはSSを用います。YAMAHAでもYEP621以上の高価なものにはLSを用います。ベッソンやウィルソンの古いタイプのものはLSもSSも合いませんので、MSを用いることになります。
LSは各社豊富にラインアップされており、口径が大きめの(V.B.でいうところの5G以上)がとても充実しています。
SSも各社ともかなりのラインアップがあり、口径の小さめのものが豊富です。
MSの製品は製造メーカーはかなり限定されていて種類もあまりないようですが、メーカーによっては豊富に用意しているところもあります。
LSでもSSでもMSでも同じ口径のものは販売されています(ただし、口径25mmから26mmくらいのあいだで)が、シャンクの太さが違いますのでボア径とかスロートやショルダーやバックボアの形状が異なっている場合が多く、同じマウスピースだとは言い切れません。
「太管」「細管」と言われることがあります。これは普通その楽器のボア(マウスピースの「ボア」のことではありません。どこのことを指すのか調べてみましょう。)の太い、細いを言うのですが、ユーフォニアムの場合はマウスレシーバがLS用なのかSS用なのかを言い表しています。このことについてはHIDEっちさんが詳しく解説されていますのでご覧になってみてください。
< 楽器との相性 >
音程に関しては楽器の設計によって相性が生じます。マウスピースにはロングシャンクとショートシャンクがあり、ロングシャンクの代表格はシルキーで、ショートシャンクの代表格はバックやデニスウィックです。楽器にはロングシャンク向けの設計とショートシャンク向けの設計があるようですし、マウスピースレシーバのボアサイズやテーパーによってもマウスピースが浅く入ったり、深く入ったり、ぐらぐらして収まらなかったりしますが、一番影響を受けるのが音程バランスです。ロングシャンク向けの楽器にショートシャンクをつけたりマウスピースレシーバに深く入りすぎたりすると音程補正の努力はわずかなようですが、ショートシャンク向けの楽器にロングシャンクをつたりマウスピースレシーバにごく浅くしか入らなかったりするとバランスも大幅に狂って音程補正が大変になるようです。また、ごく浅くしか入らない場合は発音時の反応が鈍く、音がこもって鳴りが悪くなってしまうようです。現在製造されている楽器は大体ショートシャンク向けのようですが、ウィルソンのラージシャンクタイプはロングシャンク向けに設計されているような気がします。しし
の楽器はロングシャンク用の設計のようです。カップ形状の設計によって、本当は奏者の吹き方次第なのでしょうが、音程バランスに影響することもあるようです。ただ、ピッチに影響することはほとんどないということです。
音色や音質に関してマウスピースと楽器との相性というのはありません。自分の吹き方で好みの音質と比較して相性があると勘違いしている方はおられるようですが、本質的には奏者の吹き方で音質が変化しますので、問題は
奏者 vs マウスピース+楽器 なのであって、マウスピース vs 楽器
なのではありません。例えば、デニスウィックを「明るく軽い音がする」という方がおられますが、しし
には最も暗く重いオールドベッソンの音が出せるマウスピースです。牛上隆司さんはシルキー52改とプレステージュで太い艶やかな音を出しておられますが、しし
がシルキー52Dで吹くとブライアン・ボーマンのBB1とウィルソンのミディアムシャンクような音(軽く明るめで、ちょっと響きが多く広がりすぎて、アメリカンバリトーンをやや暗くしたような感じの音)になります。
< マッピのメッキ >
マウスピース製作者(アイルリッヒ)によると、マウスピースの機能的にはどんなメッキでも変わりはない、とのことですが、金メッキは銀メッキに比べると口当たりが柔らかくなることと、滑る感じが生じることで奏者の吹き方のニュアンスが変化しその結果吹奏感が変わるようです。響きが軟らかくなったとか吹奏感が重くなったとか、いろいろな感想を聞きます。しし
とすれば、リムが平ら目なデニスウィックとかバイトに鋭さを感じるものは金メッキの方が吹きやすいと思っています。
特殊なメッキ(ピンクとかホワイトとか)は18Kになり、通常の金メッキ(24K)よりも銀メッキ並なので感触の変化はあまりないということです。プラチナは金並に軟らかく暖かい感じだそうです。
< 各マッピのコメントについて >
上述のように、基本的には奏者の吹き方とイメージするものによってマウスピースの反応は異なるものになります。したがいまして、各マウスピースに対する吹奏感等に関するコメントは
しし というフィルター(というか色眼鏡というか)を通したものですから、マッピ選びなどの参考になさる場合はそれなりに補正してお考えください。
また、コメント中には音域に関する記述がありますが、それらは次のことを意味しており、音階表現はドイツ式(英米式のB♭(ビーフラット)はB(ベー)となる)を採用しています。
| ペダルトーン(超低音)音域 | ペダルB(ヘ音記号下第二線下の BB
)以下 音響学的にユーフォニアムのペダルトーンはこの音域なので、AA 以下をダブルペダルというのは誤り。ダブルペダルとは本来、テューバのペダル音域となり、BBB 以下の音域を指す。 |
| ロートーン(低音)音域 | 下第二線下の H から第二線の B まで(ペダルトーンのオクターブ上) |
| ミドルトーン(中音)音域 | 第二線の h から第五線上の b
まで(ロートーンのオクターブ上) <いわゆるチューニングBは「ミドルB」ということ> |
| ハイトーン(高音)音域 | 上第一線下の h1 から上第四線の b1
まで(ミドルトーンのオクターブ上) <「ハイB」とは上第四線の b1 を指す> |
| ダブルハイトーン(超高音)音域 | 上第四線の h2 から b2 まで(ハイトーンのオクターブ上) |
| トリプルハイトーン(超超高音)音域 | ダブルハイトーンのオクターブ上、h3 から b3 まで |
< 参考 : TUBA Journal (ITEA の機関誌) で提唱している音階表現 >
