「ゴールデンボーイ −恐怖の四季 春夏編−」 "DIFFERENT SEASONS"
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COVER
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「ゴールデンボーイ −恐怖の四季 春夏編−」
新潮文庫
翻訳:浅倉 久志
装画:上原 徹
初版:1988/03/15
ISBN4-10-219312-X
| 「ゴールデンボーイ −恐怖の四季 春夏編−」
新潮文庫
翻訳:浅倉 久志
装画:映画タイアップ 「ショーシャンクの空に」
初版:1988/03/15
ISBN4-10-219312-X
| 「ゴールデンボーイ −恐怖の四季 春夏編−」
新潮文庫
翻訳:浅倉 久志
装画:映画タイアップ 「ゴールデンボーイ」
初版:1988/03/15
ISBN4-10-219312-X
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INTRODUCTION
トッドは明るい性格の頭の良い高校生だった。ある日、古い印刷物で見たことのあるナチ戦犯の顔を街で見つけた。昔話を聞くため老
人に近づいたトッドの人生は、それから大きく狂い・・・・不気味な二人の交遊を描く「ゴールデンボーイ」
。
30年かかってついに脱獄に成功した男の話「刑務所のリタ・ヘイーワース」の2編を収録する。
キング中毒の方、及びその志願者たちに贈る、推薦の一冊。
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REVIEW
本書は、スティーヴン・キングの中編集 "DIFFERENT SEASONS(1982)"の翻訳2分冊
「恐怖の四季」の第2冊目である。
収録作品は「刑務所のリタ・ヘイワース −春は希望の泉−」と
「ゴールデンボーイ −転落の夏−」の2作品。
原書"DIFFERENT SEASONS"(「恐怖の四季」)は、タイトルが示す通り計4編の中編が収録されており、
本書未収録の2作品は、「スタンド・バイ・ミー −秋の目覚め−」と
「マンハッタンの奇譚クラブ −冬の物語−」である。
「刑務所のリタ・ヘイワース −春は希望の泉−」は、映画
「ショーシャンクの空に」の原作として知られる中編である。
物語は無実の罪、 −妻とその愛人の殺害− によりショーシャンク刑務所に終身刑として収監された銀行家である
アンディー・デュフレーンの、後に伝説ともなった脱獄劇を、アンディーの友人でありショーシャンク刑務所のよろず調達屋レッドが
かつての経験とアンディーとの思い出を手記という形式でまとめたものになっている
物語自体は、無実の罪を着せられた善良な男が数十年かけて脱獄を図る、というありがちなものであるが、それはキングの筆致のなせ
る技、緻密な描写によりキャラクターが立っており、それらキャラクターへの感情移入指数が高く、非常にエモーショナルな作品に仕上
がっている。
そして、この作品がエモーショナルな作品である、と言えるのは、勿論無実の罪による無期懲役という大前提と、そこから派生する
行き場の無い感情がそうさせるだけではなく、ショーシャンク刑務所においてアンディーの身に降りかかる様々な避けようの無い、
最早災難としか言いようの無い出来事や犯罪的行為がそうさせているのかも知れない。
事実、舞台は刑務所内に限定されるため、他の収監者が犯した様々な犯罪やアンディーに降りかかる災難、そして刑務所内に、
特に刑務所長らに蔓延する犯罪的行為が、登場人物をはじめ読者の行き場の無い怒りと悲しみを煽っている。
特にこれは、アンディーの善意によるいくつかの行為とその結果が語られるだけに、語られる犯罪との対比は明確で、
そして残酷ですらある。
それでいてこの物語の最後に登場するのはなんと「希望」なのである。文字通り「希望」で締めくくられるこの物語は、前段の犯罪や
犯罪的行為との対比とも相まって、一種のカタルシスを読者に与えることになるのだ。
そしてこの物語は、「ショーシャンク刑務所という箱に巣食う多くの罪と最後に残された希望」という言わば「パンドラの箱」的構造
とコンセプトを持った物語だ、と言えるだろうし、逆に考えると「ショーシャンク刑務所という箱に残された多くの罪と箱から飛び出した希望」
という、逆「パンドラの箱」的構造とコンセプトを持った物語だ、とも言えよう。
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