![]() ダグラス・バイバー他『コーパス言語学』(3500円・南雲堂) amazon, bk1, 紀伊國屋, 楽天ブックス コーパス言語学の入門書といふことになってゐる。副題が示すやうに「言語構造と用法の研究」の本である。著者はアメリカ人だから対象言語はもちろん英語。用法の研究から、目的や分野による英語の違いや、その習得に関する話題、さらに文体研究の話も紹介してゐる(1.序論:コーパスに基づく研究方の目標と方法/第1部:言語項目の用法の研究/第2部:変種の特徴の研究/第3部:要約と将来)。市販のコーパスやソフトウェアの説明もあり、コーパス言語学の基本的な図書である。2003年刊行。 ![]() 斎藤俊雄・中村純作・赤野一郎『英語コーパス言語学【改訂新版】』(3800円・研究社) amazon, bk1, 楽天ブックス コーパスとは何かから入って、その歴史の概観、世界的に有名な大規模コーパスの現状を解説し、続いて自分のコーパスの作り方と主な解析用ソフトウェアの紹介が「基礎編」でなされてゐる。「実践編」では、それを使って、何をどのやうに解析できるかといふことが示される。第三部「関連分野」では、電子辞書、英語教育、インターネットなどの話題に触れてゐる。英語のコーパス研究について判りやすくまとめてある本だと思ふ。紹介されてゐるソフトウェアは殆どがWindowsのものだが、数少ないMac OSのものもきちんと取り上げてゐる。1998年に初版が刊行され、2005年に改訂新版が出て、その後の発展に対応した。 ![]() 中尾浩・赤瀬川史朗・宮川進吾『コーパス言語学の技法I テキスト処理入門』(2800円・夏目書房) amazon, bk1, 紀伊國屋, 楽天ブックス 全四巻のシリーズの第一巻。入門といふことで、コンピュータの使ひ方から説明してくれる。Windowsのバージョンの違ひから、DOSプロンプトの話まで。Macintoshのこととか、UNIXやLinuxの話は出てこない。テキストを扱ふのは「秀丸エディタ」である。最後にスクリプト言語によるテキスト処理の話があって、Perlによる操作が紹介されてゐるが、ここでもWindows(Active Perl)のことしか考へてゐないやうである。Windowsを使ふ人には実用的な入門書といふことにならうか。 ![]() 赤瀬川史朗・中尾浩『コーパス言語学の技法 II 言語データの収集とコーパスの構築』(3800円・夏目書房) amazon, bk1, 楽天ブックス 全四巻のシリーズの第二巻。どうやってコーパスの基本となるデータを収集するかといふ話である。この巻でもほとんどWindowsのことしか想定してゐない。Macintoshのこととか、UNIXやLinuxの話は出てこない。ただ、本書の多くを占めるPerlを使ったテキスト処理については、MacOSXやLinuxなどのUNIX系のOSでも使へるので、大いに参考になる本である。私は、終始Windowsの話ばかりなのに気づいて書棚の奥に放り込んでしまひ、何箇月も開いてゐませんでした。自分の軽率な反応を反省してゐます。 ![]() 伊藤雅光『計量言語学入門』(2200円・大修館書店) amazon, bk1, 紀伊國屋, 楽天ブックス コーパス言語学をその理論から丁寧に解説してゐる。上の二冊とは異なり、対象言語は日本語が中心である。日本語の電子テキストをどこから集めてくるかといふことや、英語にはない単語区切りの問題は大いに参考になる。統計的調査法の説明にかなりページが割かれてゐるが、ここは文章を書くのに参考にしようといふ人にはあまり関係はないかも知れない。授業で使はれることを想定してか、後半は演習問題が続いてゐる。紹介されるソフトウェアは、一般的なテキストエディタとEcxelのみ。Excelで表を作って、統計処理して、グラフを描く。キー操作の説明はWindowsだが、これなら、他のOSでもそのまま参考書として使へるであらう。 ![]() 鷹家秀史・須賀廣『実践コーパス言語学』(2200円・桐原ユニ) Amazon, 紀伊國屋, 楽天ブックス 「英語教師のインターネット活用」といふ副題がついてゐるのを見て判るやうに、高校の英語の先生の利用を想定して記された本だが、英語を書かねばならない人とか、あるいは英語から日本語に訳す人には大いに参考になる。インターネットの利用に力点を置いてゐるのはよいのだが、変化の速いインターネットやコンピュータの世界では、六年前の本なのではやくも時代の違ひを感じてしまふのが残念。紹介されてゐるソフトウェアやコンピュータ環境は総てWindowsである。 岡田毅『実践「コンピュータ英語学」』(2575円・鶴見書店) amazon, bk1, 紀伊國屋, 楽天ブックス 「テキストデータベースの構築と分析」といふ副題がある。1995年の本。最初にスキャナによる文字読み取りについてページが多く割かれてゐるのが目立つ。英語のタグ付けに関する説明が詳しい。言及されるプログラムはAWKあるいはSEDによるものが殆ど。ちょっと古いといふこともあり、研究者以外にはあまり関係ないかも。 ![]() 佐野洋『Windows PCによる日本語研究法』(2800円・共立出版) amazon, bk1, 紀伊國屋, 楽天ブックス 「Perl、CLTOOLによるテキストデータ処理」といふ副題がついてゐる。CLTOOLって聞いたことがないなと思ったら、著者たちが作ったソフトウェアだった。CD-ROMがついてゐるので、この本を買へばインストールして使用することができる。もちろん、Windowsのことしか載ってゐない。プログラミング言語を知らなくたっていいぢゃないかといふ前提で書かれてゐるので、判りやすい。日本語の電子テキストを使った、さまざまな解析方法は参考になると思ふが、私はまだ使用してゐないのだった。普段の作業がMacOSXなもので。 日本語学 2003年4月臨時増刊号「コーパス言語学」(2500円・明治書院) 明治書院 日本語学といふ雑誌の臨時増刊号なので、もちろん日本語の話ばかりで、古典語や漢文のコーパスに関するものは他ではなかなか見られない。多くの執筆者がさまざまな視点から日本語コーパス研究について書いてゐるが、些か断片的な印象は免れない。 |
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