![]() 松沢貴美子『本を愛する住まい』(2400円・彰国社) amazon, bk1, 楽天ブックス 本をとともに暮らす住まひ作りの本。最初に本の歴史から入って、室内環境において考慮すべき事項を説明し、その後で具体例を挙げて設計の開設をしてゐるので、これから部屋を作らうといふ人には実用的だらう。最後の実例は、よくある有名人の書棚拝見といふものではなく、設計者とともに普通の人の本のある家(一般の人とは云へないやうな例もあるが)が紹介されてゐる。もちろん、家を建てたり部屋を作ったりしない人でも家具、書斎、書庫について、いろいろ参考になる話は多く、部屋を改装したり模様替へをしたくなってしまふ。まあ、この手の本は大抵さうなのだが。 ![]() ヘンリー・ペトロスキー『本棚の歴史』(3000円・白水社) amazon, bk1, 楽天ブックス 文字通り本棚の歴史の本。古代ギリシャから現代まで、本棚の変遷を、そこに収納する書物の形、本の読まれ方、あるいは図書館や書店の歴史といふ話をも交へて語り尽くす。全然知らなかった話が満載といふ訳でもないのだが、それでもここまで最初から最後まで書棚の話といふのは気持ちがいい。あまり本の歴史に馴染みのない人は、鎖で繋がれた本の姿は新鮮に映るかも知れない。私も本で繋いでみたいとか思ったり(しないか)。 ![]() アラン・パワーズ『自宅の書棚』(3000円・白水社) amazon, bk1, 楽天ブックス この本は原題は"Living with Books"といふ。邦題よりも遙かに素敵な題名ではないか。姉妹編『自宅のアート』と合はせたかったのだらうが、こちらも原題は、"Living with Pictures"だ。素直に『本のある暮らし』にした方が好感が持てるのだが。 ![]() "At Home With Books: How Booklovers Live With and Care for Their Libraries" Amazon($50.00・Random House Inc) 大判の綺麗な本である。いろいろな本棚のある家の写真が満載だ。最初の方の蒐書家の部屋は圧巻である。「人はコレクターになるのではなく、コレクターとして生まれてくるのだ」と云ったのは誰だったか。蒐書家編のところに引用されてゐたが、思ひ出せない。個人の小さな書庫から巨大図書館まで幅広く、合間には本の管理法の話とか歴史の話が鏤められてゐて(製本屋の部屋が私には興味深かった)、素敵な仕上がりになってゐる。しかし、どんな部屋でも日本の住宅事情から見ればあまりにも贅沢である。とても一生こんな部屋には住めないだらうと悲しくなってしまひさうだ。
![]() 林望『リンボウ先生の書斎のある暮らし』(590円・光文社知恵の森文庫) amazon, 楽天ブックス 2000年刊行の『書斎の造りかた』(カッパブックス)の文庫化。書斎の重要性を説き、書斎をどのやうに造るか、書斎でどのやうに過ごすかを語る。さらには文章の書き方まで教へてくれる(そこまで教へてくれなくてもいいのにと思ふのは私だけか)。仰有ることは尤もだが、そんな部屋をつくる余裕はないよといふ人には、マンションで書斎をつくるにはどうしたらいいかを教へてくれる。全く抜かりない内容であるが、無理なものは無理だ。 ![]() 磯田和一『書斎曼荼羅 1 ―― 本と闘う人々』(1600円・東京創元社) amazon, bk1, 楽天ブックス 作家や翻訳家、装丁家、大学教授といった「本と闘う」人たち34名の書斎をイラストレーターである著者が取材し、味のあるカラーイラストで再現したものだといふ。「〜だといふ」と書いたことから察せられるやうに、私はこの本を持ってゐない。人の書棚の中身にはあまり関心がないのだ、といふのは嘘で、羨ましいといふ気持ちが強くなってしまったり、いやいやこの人たちに比べたら私の本など少ないものだもっともっと買っても構はないのだと思ってしまったりしかねないといふ恐れからだ。ああ、だんだん欲しくなってきた。この本には続きの第二巻もある。 ![]() 渡部昇一『知的生活の方法』(700円・講談社現代新書) amazon, bk1, 楽天ブックス 今では恥づかしくて買へない題名である。しかし、今から25年前中学校で理科の先生が薦めてゐたせゐでうっかり読んでしまひまだ純朴だった私はすっかり感化されてしまった。あれ? この本の刊行年は1980年ではないか。私は高校生ではないか。記憶が混乱してゐる。中学の先生が薦めたのは『知的生産の技術』(amazon, bk1, 楽天)か。あ、これも1980年刊だ。とにかく、その頃、この手の本をあれこれ読んで自分も知的生活をしようなどと思ったのであらう。そこにも書斎の設計の話があった。いつか自分も書斎を作らうと思った。虚しい思ひ出である。さういへば、早起きもその手の本を読んだときからの習慣だ。あの本さへ読まなければ、私は早起きにならずに済んだのに。毎日眠くてかなはない。 ![]() 『東京古本とコーヒー巡り』(1429円・交通新聞社) amazon, bk1, 楽天ブックス ここに載せる本とは違ふのかも知れない。これは、本のある自分の家の暮らしではなく、外を歩く本。東京の古本屋と珈琲の店を紹介する。中には本のある珈琲の店も。綺麗な写真がたくさん載ってゐるので、かういふ本をみると東京の街を歩いてみたくなるが、実際に歩き始めると私は目的地に向かって真っ直ぐせかせかと歩くので、余裕を持って店だとか周りのものを愉しむ余裕はないに違ひない。今まで知らなかったのだが、続編とでもいふべき東京ブックストア&ブックカフェ案内が今年出てゐる。 |
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